尾上先生の勉強風景

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尾上正人 @9w9w9w92

「ヒトは、遺伝子はみずからの利益になるとなればいつなんどきでも乗り物を犠牲にする、という驚愕の事実を認識した最初の乗り物である。ヒトは、この恐るべき事実を直視し、それを力にして、独自の認識改革行動を起こすだけの能力を持つ唯一の種である」22頁

2018-03-12 17:44:51
尾上正人 @9w9w9w92

「DNAは複製行為をするためにのみ存在する、ということがわかってみると、私たちの持つDNAのかなりの部分がジャンクなのも不思議ではなくなる。DNAは基本的に寄生的存在なのだ…乗り物の構築を助けなくても複製されるとなれば、それでなんの問題もない」22-3頁

2018-03-12 17:49:17
尾上正人 @9w9w9w92

「動物の多くは、持てる遺伝子を伝播するために、みずからを犠牲にするようにつくられている。進化の過程で登場した生命体のなかで、ヒトは、この事実を認識して歯止めをかけようとした唯一の存在である。進化の歴史上はじめて、生存機械の叛逆が可能になった」28頁

2018-03-13 09:25:06
尾上正人 @9w9w9w92

「遺伝子は乗り物の脳にロングリーシュ型の戦略を付け加えはじめる。…ロングリーシュ型の脳においては、遺伝子がつくり込む目的がきわめて一般的な形でしか表現されえない。…乗り物の目的――一般的に見て遺伝子を複製する確率が高いことを実行する――は、複製するという具体的目的と乖離しうる」29頁

2018-03-13 09:33:41
尾上正人 @9w9w9w92

「ヒトの脳はときとして制御不能に陥った火星探査機のようなものだ。副次的目的(環境に対処する、ほかの個体と社会的関係を結ぶ、等々)を相互調整するのに忙殺されて、遺伝子を複製するという主目的をときに無視してしまう。副次的目的は、この主目的に役立つためのものだったはずなのだが」30頁

2018-03-13 09:37:05
尾上正人 @9w9w9w92

「複製子の利益と乗り物のそれが乖離しうるという事実が見過ごされたことについては、創成期の社会生物学に、また近年ではときとして進化心理学に、責任の一端がある」30頁 ほんでボイド&リチャーソン(&高田保馬)の登場っすな

2018-03-13 09:42:45
尾上正人 @9w9w9w92

「進化生物学者は、ヒトの認知適応が進化してきたときの環境が現代の環境とは異なることを文献中では強調するものの、この事実が内包する意味をつきつめて考えようとしてこなかった…遺伝子の目的と乗り物のそれを同一視しがちだったため、ヒトの潜在能力を軽視してきたことも否定できない」30頁

2018-03-13 09:47:07
尾上正人 @9w9w9w92

「ダーウィン時代を出現させるのにひと役かった進化心理学であるが、発見した数々の事実を正しい文脈に据えないかぎり、ロボットの叛逆を頓挫させることになりかねない」30頁

2018-03-13 09:50:54
尾上正人 @9w9w9w92

「進化心理学は、認知機能の有効性と合理性を強調しがちである…なにも心配することはない――進化の観点から見れば、人間の行動は最適化されているのだから…この楽天的な態度は、遺伝子にとっての最適化を乗り物にとってのそれと安易に同一視することにつながる」30-1頁

2018-03-13 09:55:45
尾上正人 @9w9w9w92

「ヒトだけが、乗り物の利益を追求するためにときとして遺伝子の利益を無視し、そうすることによって形勢を逆転することが実際にできる(あるいは、少なくともそれだけの潜在能力を持っている)のである。しかし、ヒトはまだ、このきわめて重要な認識を完全には獲得し得ていない」31頁

2018-03-13 09:58:30
尾上正人 @9w9w9w92

ジョージ・ウィリアムズ「われわれが、減数分裂と受精というくじ引きのような偶然によって受け継いだ遺伝子の利益…に個人的関心を払うのが正当だ、などという根拠はおよそ考えられない。…そんな利益を実現するために仕える傾向があったとしたら、反抗して当然である」39頁

2018-03-13 10:22:16
尾上正人 @9w9w9w92

「いったん乗り物が遺伝子のショートリーシュ型制御から解放されたときから、すなわち、個体としての乗り物にいったん、個々の刺激に反応する詳細なメカニズムならぬ一般的目的が与えられた[ロングリーシュ型制御になった]ときから、乗り物としての私たちは、それ以前と大いに異なる存在になった」40

2018-03-13 10:33:18
尾上正人 @9w9w9w92

「遺伝子の容れ物であることがやめられる――これはヒトにとって喜ぶべき知らせだろう。ヒトには、みずからの利益を前景中央に据える力がある」40頁 うーむ、どうだろうねえ…ロングリーシュ型制御の典型的所産である少子化はそんなに「喜ぶべき知らせ」か?

2018-03-13 10:37:19
尾上正人 @9w9w9w92

二重過程理論の系譜。ハイトの「象と使い手」は載ってるが、ジュリアン・ジェインズの二分心(bicameral mind)はスルーされてるな…先駆的だったと思うんだが。47-8頁 pic.twitter.com/l4E6WZiuoN

2018-03-13 15:59:30
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尾上正人 @9w9w9w92

「概念処理システムとルールが習練を通じてTASS[The Autonomous Set of Systems]に入り込むという点は、進化心理学者より強固に主張したい。これこそ人間が、みずからの認知機能を形づくる道なのである」56頁 定冠詞を略号に含めるって、かなり珍しい気が…(^ ^;)

2018-03-13 16:14:26
尾上正人 @9w9w9w92

「進化心理学者は[スイス・アーミーナイフ的な認知モジュールのみで]汎用中央処理装置の存在を想定したがらない。しかし、本章で…展開する二重過程論においては、そのような装置[分析的システム]が第2の枢要部分になる」61頁

2018-03-13 22:04:52
尾上正人 @9w9w9w92

「TASSは進化上古い構造で構成されており、そうした構造は遺伝子の目的(再生産の成功)に直接的に結びついている…一方、分析的システムーーより新しく進化した脳構造ーーの目的構造はTASSより柔軟で、より広範に社会環境に即した目的と…ショートリーシュ型の目的を…整合させようとする」89頁

2018-03-13 22:53:02
尾上正人 @9w9w9w92

「TASSの目的構造は進化の過程において、遺伝子の再生産の可能性を高める方向で形づくられてきた…分析的システムはなによりもまず、完結した生命体としての個人の利益に焦点を定めた制御システムである。人間の、個人的目的達成感を最大にしよう…そのためにはときとして、遺伝子の合目的性を犠牲に90

2018-03-13 22:58:50
尾上正人 @9w9w9w92

「私たちが生きる複雑な社会にあっては、分析的システムが調整しようとする目的の大半が、二次的目的である。…名声、身分、就労、報酬といった…二次的目的を達成するには、TASSが発火する直接的な反応を(少なくとも、一時的に)抑制しなければならないことがが多い」95頁

2018-03-13 23:12:22
尾上正人 @9w9w9w92

「合理性の中核となる構成要素のひとつが、個人レベルにおける目的達成を最適化することである。進化適応的行動を、合理的行動と同一視できない理由が、ここにある…進化心理学者は…この区別を曖昧にしてきた…合理性が乗り物の利益にかかわるのに対して、進化的適応は遺伝子の利益…にかかわり…117

2018-03-14 05:32:28
尾上正人 @9w9w9w92

「進化が行動をあらかじめプログラミングする段階から、変化してやまない環境に対処できるように、一般的問題解決装置を設計する段階に進むにつれて、遺伝子の目的と乗り物の目的のあいだに潜在的ギャップが発生した」117頁 これは立証できることなのか?

2018-03-14 05:38:31
尾上正人 @9w9w9w92

「人間にとって生存は、たんに自己複製するという遺伝子の目的に利するメカニズムではなく、分析的システムの二次的目的ヒエラルキーにおいて、ほかのあらゆる目的に利する最上位の目的である」119頁 進化生物学になじみのない人にとっては、言われるまでもなく当たり前のことなんだよな、これ

2018-03-14 10:09:39
尾上正人 @9w9w9w92

「ロボットの叛逆とは、遺伝子によってつくられた人間が、みずからをつくった遺伝子の複製の可能性と、自分にとっての『効用』が対立する状況において、自分にとっての効用を最大化しようと努力すること…合理的思考ツールがもたらす心的ソフトウェアは、ロボットの武器庫に備わる最強の武器である121

2018-03-14 10:17:22
尾上正人 @9w9w9w92

「合理性が『自己』の概念と連動しているということ…自己の概念は、個人より下位の単位(遺伝子)ではなく、個人のレベルで規定される。人間が利己的な複製子に対して叛逆を起こすとき、合理性を貫く能力がもっとも強力な武器になる理由は、ここにある」121頁

2018-03-14 10:24:51
尾上正人 @9w9w9w92

「TASSサブシステムのショートリーシュ型目的は、いわゆるEEA(進化的適応環境)に結びついている。私の明示的に意識する長期的目的…が達成されないかもしれないのは、現在の環境における私の反応の一部が、柔軟性に欠けるショートリーシュ型目的構造を持つ脳システムによって決定されるからである131

2018-03-14 11:31:46
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