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eguchi2018
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「現代のテクノロジー社会は、情報を脱文脈化しなければならない状況ーー抽象的、かつ非個人的なやり方で情報に対応しなければならない状況ーーを絶えず生みつづける。その場合は、TASS操作の特性である社会的、叙述的傾向や文脈化傾向を積極的に抑える必要がある」174頁
2018-03-14 14:14:19![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「現代社会が基本的演算バイアスを拒否するよう要求し、その要求が日増しに強まっていくというかぎりにおいて、進化的合理性と個人的合理性を切り離すことも日増しに日常的になり、分析的システムがバイアスを拒否することが、個人の安寧にとって重要性を増していくだろう」179頁
2018-03-14 14:22:11![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「進化心理学者が道具的合理性と進化的適応の区別を明確にせず、暗に遺伝子の肩を持つのはなぜだろうか…認知アーキテクチャが非常に高いモジュール性をもっているという前提に固執しすぎるからである。…領域にとらわれない処理を否定する進化心理学者の姿勢は根本的に誤っている」186頁
2018-03-14 14:56:49![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「多くの進化心理学者が、個人の効用最大化…と関連すると経験的に確かめられてきた遺伝性の認知構成要素…を、これらの多くが領域特異的ではなく、したがって、もっとも強力な意味での『膨大なモジュール性要素』という前提に抵触するという理由で軽視してきたことが、重大な誤りである」188-9頁
2018-03-14 15:07:24![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ヒューリスティクスとバイアス分野の一部研究者は、現代世界で生じるエラーを強調しすぎる傾向があるために、人間はじつは、ある意味で最適に設計されているのだということが認められないでいる。逆に進化心理学者はEEAを強調するあまり、現代世界のさまざまな特質を失念しているように見える」193頁
2018-03-14 15:23:46![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
コスミデス&トゥービー「現在流布している主張とは裏腹に、人間の心は合理的である状態より(たとえば情報処理上の諸制約などがあっても)悪くはないーーそれどころか、合理的であるより良いことが多い」199頁
2018-03-14 15:38:05![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「合理性の問題に関するかぎり、進化心理学は極端な外挿をしすぎてきた。複製子と乗り物の目的不整合と、それが内包する意味、という重大な問題を安易に片づけてしまった。そして、有害なTASS反応を拒否するうえで、一般知能と一般的演算能力が果たす役割を、安易に無視してしまったのである」202頁
2018-03-14 15:49:03![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「道具的、認識的合理性のツールの多くは文化的所産であり、生物学的モジュールではないために、進化心理学者はこれらがテクノロジー社会で果たす役割を安易に切り捨ててしまった。ダーウィン的生物ではない私たちにとっての利益は、遺伝子の利益と一致するとはかぎらない」202頁
2018-03-14 15:58:31![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「母なる自然が与えてくれる本能は、人間にとって優しくないことが多い。本能的反応は、非道具的な――つまり、私たちの目的を最大化することに結びつかない――結果を招来することがあるからである…人間の本能は、はるか昔の進化の産物で、文化的傾向を計算に入れていないからである」206頁
2018-03-14 16:03:45![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「TASSは古い時代に進化したシステムであるから、TASSのアルゴリズムレベルの演算能力に個人差はほとんどない。それに対して、分析的システムは比較的後発の進化の産物であるから、アルゴリズムレベルの演算能力に個人差があり、私たちはいまでもこの個人差を『一般知能』として計測している」218頁
2018-03-14 16:38:02![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「認知心理学者の研究が経済学者のあいだに敵意を生じさせるのは、前者が、人間の行動についての経済学的主張の裏にある楽天的仮説に信憑性がないことを明らかにするからである」221頁 このあと「人間だもの」が大好きなセイラー教授がちょっぴり登場
2018-03-14 16:47:49![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「合理性標準の文化的進化は、ヒトの進化よりはるかに急速に進行することが多い。この文化的進化がある意味で、道具的合理性が遺伝子的最適化から分離するような状況をつくったともいえる。合理的思考のツールが増えていくのに伴って、分析的システムがロングリーシュ型の目的を達成」242頁
2018-03-15 10:21:01![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「私はミームを、他者の脳内に複製されたとき、根本的に新しい行動および(または)思考を生成する潜在的力を持つような脳制御の一状態(または、そのような情報のありかた)と考えたい。因果関係上、複製元と類似した制御状態が複製先の脳内で再現されたとき、ミームの複製が実現したと考える」248頁
2018-03-15 10:51:52![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「アイデアはそれ自体の特性ゆえに伝播するというミーム理論最大の仮説…この洞察が、社会科学や行動科学が伝統的に前提として採用してきた立場と異なる力点の置き方をしている…特定の個人が抱く信念を理解するには、問題の個人の心的構造を知る必要がある、と考えるのが通例になっているから」251-2
2018-03-15 11:04:36![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ミーム発の目的がかならずしも、(自動的、自律的で、即座に発火する)TASSの目的になれないわけではない…ミーム発の目的は、繰り返し実践されることによってTASSの目的ヒエラルキーに座を占めることがありうる。『ブランド戦略』をはじめとする広告手段は、まさにこれを狙っている」260-1頁
2018-03-15 12:13:52![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「乗り物に配慮しないという意味で――ミームは遺伝子より危険な存在でありうる…遺伝子は、少なくとも複製が可能になるまで生命体を生かしておかねばならない。また、そうするためにはほかの遺伝子と協力しなければならない。このふたつの拘束のいずれも、ミームには適用されない」274-5頁
2018-03-15 12:32:37![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「進化心理学者たちが嫌うのは、ミームが遺伝子の制御から完全に『剥がれ去る(unglued)』という考え方である。しかし、これこそがミーム理論家がもっとも推し進めている考え方…進化心理学者が見落としているのは、複製子と乗り物の区別に気づいた生命体における、評価的ミームの再帰力である」289頁
2018-03-15 16:48:21![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「すでに獲得されたミームが乗り物に含まれているとなると、『乗り物のためになる』という表現には再帰的意味合いがつけ加わる。その場合、私たちが望んでいるのはたんに、自分のためになる共適応的ミームーー自分がすでに持っているミームとうまく一致するミーム」291頁 マイクロバイオームみたいな話
2018-03-15 17:57:50![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
共適応的ミームのパラドクス「ある個人の…利害は、脳内にすでに存在するミームに部分的に依存する。既存のミームが乗り物にとって不適応だとすると、それらに照らして新たな道具的ニーズを評価するということは、新たに獲得したミームに、既存の不適応ミームに適応するよう要求することに等しい」291
2018-03-15 22:31:11![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「人間の合理性が動物の合理性と異なりうる…人間は、意思決定の選択肢にかなりの文脈的情報を取り入れる。人間は、社会的、心理的ニュアンスを持つ文脈を行動の指針とすることが多いが、動物はその種の文脈から独立した客観的消費効用に基づいて反応する可能性が高い」308-9頁
2018-03-15 22:36:21![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ヒト以外の多くの動物の行動が、合理的選択の公理にかなり近い…理由…は、合理的選択の公理というものをつきつめると…『選択は無関係な文脈に影響されてはならない』という見方にいきつく…人間は地上で最も複雑な生命体であるがゆえに、ほかの動物よりはるかに敏感に、文脈的特徴を感じとる353-4
2018-03-16 10:35:46![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「3つのメカニズムーー文脈的複雑さ、強い評価者の葛藤、象徴的複雑さーーはいずれも、人間の行動が道具的合理性から逸脱する原因になる。…過酷な環境に生きる動物と同様に企業も、制約下の道具的合理性とでも呼ぶべきものを達成しようとする」361頁
2018-03-16 12:42:47![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「人間は、自分が関心を持つものに関心を持つ唯一の種であるために、道具的合理性を危うくするという犠牲を払わねばならない。ヒトは、自己改善と自己規定のために内省することを通じて複数レベルの欲望を不安定化し、その結果、欲望の一貫性を失わせる唯一の種である」362頁
2018-03-16 12:47:30![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「正しい目的を追求しているか否かを判断することができるのは…メタ表象能力あればこそである…宿主としての自分に寄生するミームや一時的欲望を、批判的に評価できるのも、このメタ表象能力が、遺伝子あるいはミームが乗り物としての人間を犠牲にしているか否かについての評価を可能にするから364-5
2018-03-16 12:54:36![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「現代の文化とはある意味で、個人の内なる下位単位が人間の利益に背いていることがわかったとき、そうした下位単位の及ぼす望ましくない影響を阻止する努力そのものともいえる」369頁
2018-03-16 16:03:30