通貨、中央銀行、国債、統合政府に関する対話

天祐虎之助さんとの議論が長くなってきたので、藤巻氏とのやりとりのまとめ https://togetter.com/li/1278599 からこちらに移動。
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藤巻健史 @fujimaki_takesi

消費税収は1%あたり約2.1兆円です。1089兆円の借金を10兆円ずつ返すと108年かかります。H30年度予算は34兆円の赤字ですから返済の10兆円と合わせ44兆円を消費税増税で賄うとなると44兆÷2.1兆で21%、29%になります。それに金利上昇すると支払金利急増、景気悪化による税収減を勘案して40%と書きました twitter.com/mn_society_tl/…

2018-10-20 10:37:11
Masaomi Nakaoka @mn_society_tl

@fujimaki_takesi 最低でも消費税率を30%って試算を以前聞いたんですが、やっぱり40%は必要ラインになりますかね。

2018-10-20 07:48:36
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@fujimaki_takesi twitter.com/motidukinoyoru…でも指摘させていただきましたが、国債を完済するという想定自体が極めてナンセンスだと思います。 負債を完済するという事は、政府の事業、国民と政府の関係を完全に清算し、『店じまい』するということになるからです。そうしたことを想定する意味はありません。

2018-10-20 10:49:02
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@fujimaki_takesi 政府負債(準備預金+国債)を完全に清算するということは、政府という事業を完全に清算するということと同じことです。 裏を返せば、政府が存続する限り、政府負債(準備預金+国債)は存在し続けるのが普通だし、(名目)経済規模に合わせて増加するのが妥当でしょう。

2018-10-20 09:44:09
天祐虎之助 @TenyuToranosuke

@motidukinoyoru @fujimaki_takesi 横から失礼します。 赤字国債の発行は、1965年からで、それまでは国債残高はありませんでした。 つまり、国債残高0=政府事業の清算・店じまい、ではありません。

2018-10-20 13:17:48
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke @fujimaki_takesi 終戦から1965年の間の話なのですが、実は国庫証券発行や国民貯蓄債券の発行が既にありましてfp.st23.arena.ne.jp/history2010S.h…、当然戦前発行した公債もありますから、「中央政府の負債」という大きな括りでは以前公債残高が存在し、しかも増発されていたgrandpalais1975.blog104.fc2.com/blog-entry-454…というのが事実です。

2018-10-20 13:34:11
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke @fujimaki_takesi とはいえ、当初は財政支出・公債発行を可能な限り抑制するような財政運営がされていたことは事実です。 しかしながら、それでは経済生産、経済成長に大きな制約がかかってしまうということで、財政支出・公債発行を拡大し、並行して経済成長を実現する政策がとられたという次第です。

2018-10-20 13:40:49
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke もっと込み入った話をすると、統合政府(政府+中央銀行)レベルで見て、準備預金も国債も双方名実共に統合政府負債だということになります。 「準備預金」がなぜ「負債」なのかについては、拙記事「貨幣はいかなる意味で負債なのか そもそも負債とは何なのか」ameblo.jp/nakedcds/entry…にて解説。

2018-10-20 13:49:14
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke そして、ビル・ミッチェル「赤字財政支出101 - Part3」econ101.jp/%E3%83%93%E3%8…に詳しいのですが、国債というのは、資金調達のために発行されるのではなく、準備預金の一部を有利子国債に変換する取引によって、裁定的に短期金利を操作するための金融政策手段としてのみ存在するに過ぎないのです。

2018-10-20 13:52:09
天祐虎之助 @TenyuToranosuke

@motidukinoyoru コメントありがとうございます。 ご指摘頂いた資料にざっと目を通しましたが、「負債を完済すれば(国債残高0であれば)、政府事業は店じまい」の根拠となる部分が分かりませんでした。

2018-10-20 18:08:34
天祐虎之助 @TenyuToranosuke

@motidukinoyoru 政府も、一般の事業体と同様に、収入に応じた支出によって行政事業を行うことを基本にしていると思います。また、黒字経営でも問題ないでしょう(但し、お金が積みあがり過ぎると、国民に怒られますが)。国債がなければ、事業継続が不可能となる、という論理が理解できませんでした。

2018-10-20 18:09:05
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke まず国債というのは、準備預金を時限的に回収して、短期金利を操作するためだけに存在する金融政策手段に過ぎないということ、そして、準備預金と国債は、統合政府レベルで見れば、統合政府の負債という意味で「同種」のものだ、ということは押さえておいてください。

2018-10-20 19:06:07
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke (より詳しく言えば、ビル・ミッチェル「準備預金の積み上げはインフレ促進的ではない」econ101.jp/%E3%83%93%E3%8…で解説されているように、政策金利誘導を行う金融調節において、付利のある準備預金と、有利子国債は、本質的に等価物です。)

2018-10-20 19:08:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke まず通貨(政府発行物。準備預金+紙幣+硬貨)が発行されて、その一部を時限的に吸収するために国債がある。 そして、統合政府(財務省+中央銀行)レベルでの負債というのは準備預金+国債であり、政府(統合政府)の負債を解消するということは、発行通貨を租税で全部回収するということと同義です。

2018-10-20 19:10:13
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke 国債を無くすということは原理的には可能だと思いますが、それは国債を全部通貨に変換するという意味においてのみ。 実はこれはビル・ミッチェルがOvert Monetary Financing(明示的財政ファイナンス)として、彼の記事econ101.jp/%E3%83%93%E3%8…にて提唱しているものです。

2018-10-20 19:11:55
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke 彼はecon101.jp/%E3%83%93%E3%8…で、「国債というものをなくし、間接的で弱弱しい効果しか持たず、且つ不公平な金利政策は廃棄して(金利はゼロに固定)、財政政策で直接的に経済調節を行うことが望ましい」としています。

2018-10-20 19:13:33
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke 例え金利政策を維持するとしても、econ101.jp/%E3%83%93%E3%8…でミッチェル自身が解説している通り、準備預金付利で金利調節を行えばよい。 既に解説した通り、短期金利誘導政策の中では、付利のある準備預金と有利子国債は等価物なので、国債からそちらにシフトしても何の問題もないのですから。

2018-10-20 19:15:22
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke 話が逸れましたが、一番最初の問題意識に戻ると、「統合政府レベルの負債は国債だけではなく、準備預金+国債だし、そもそも国債は準備預金を時限的に吸収するものとして発行されているのである。統合政府負債を『清算』するということは、通貨を国から完全回収するのと同じこと」というわけです。

2018-10-20 19:17:08
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke 拙記事ameblo.jp/nakedcds/entry…などで解説しましたが、統合政府レベルの金融財政構造を理解するにあたって、国債は(準備預金と比較して)定期預金、あるいは金融債に近い存在だということ考えれば、理解がはかどるかもしれません。

2018-10-20 19:20:49
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke さて、国債というレガシーの産物が途中で絡まってくるので金融財政システムの理解ってややこしくなっているんですが、簡易化すると、政府(統合政府)の財政構造というのは、通貨を発行して支出することで資源を動員し、発行した通貨を租税という形で事後的に回収するという代物になっています。

2018-10-20 19:54:23
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke ここらへんの話は、拙記事ameblo.jp/nakedcds/entry…が一番すっきり説明できていると思います。 多くの人々は、政府が租税で通貨を調達して、それを支出することで活動していると思っていますが、通貨は政府(統合政府)の発行物で、実際は逆で、通貨を発行支出して、後に租税で回収している。

2018-10-20 19:58:36
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke もちろん国民側には通貨を(準備預金≒当座預金という形であれ国債≒定期預金という形であれ)貯蓄のために保蔵したいという需要があるので、過剰に通貨を回収しすぎれば不況になりますし、通貨の完全回収は、通貨と言う形で政府が国民に対して作った「借り」を解消し、関係を清算する行為になります。

2018-10-20 20:00:43
天祐虎之助 @TenyuToranosuke

@motidukinoyoru ①金融政策の話になっていますので、統合政府という存在しない組織の話は抜きにして、現在、存在する日銀をベースに議論しませんか?統合政府だとBSも存在しないので、言っている意味が理解できません。

2018-10-21 00:18:02
天祐虎之助 @TenyuToranosuke

@motidukinoyoru ②マネタリーベースは、国債の購入のみによって供給できる、という前提がありませんか?この前提は、正しいですか? 日銀のBSを見ると、国債に比べれば、規模は小さいですが、CP、社債、ETF、JーREITを購入しています。藤巻さんなどは、異次元緩和では米ドル買えばよいと仰っています。

2018-10-21 00:18:32
天祐虎之助 @TenyuToranosuke

@motidukinoyoru ③極端な話、市場で売買できるものなら、何買ったってマーケットに資金供給できます。国債は、発行量も多く、変動リスクが小さく、安心して買えるというだけのことと理解しています。 本当に、国債だけが、マネタリーベースを増やせる唯一の手段なのですか?

2018-10-21 00:24:07
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke もっと根本的なところまで戻らないとだめですね。 わかりやすく説明した記事としては拙note「「お金」「通貨」はどこからやってくるのか?」note.mu/motidukinoyoru…がありますし、テクニカルに説明したものとしては、拙ブログ記事ameblo.jp/nakedcds/entry…や、ameblo.jp/nakedcds/entry…がありますが、

2018-10-21 04:56:30
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@TenyuToranosuke 「日銀当座預金で、国債以外にもETFや金を買えるじゃないか」と考える前に、「そもそもなんであんな紙切れ(あるいは電子データ)でETFや金を買えるのか?」と考えなくてはいけないからです。 これは通貨制度の勃興を見れば明らかなのですが、通貨の流通を基礎づけるのはまさしく租税なのです。

2018-10-21 04:58:00