アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、F-エフ-28話脚本:心と体のアンバランス

まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きで始めた、カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。今回は、F-エフ-28話脚本。 前回は、同作27話脚本。 ブログ: makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/11/… 上記ブログのtogetter版: togetter.com/li/1289558 他: togetter.com/id/makimogpfb

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話1 アニメ・F-エフ-は、六田登氏の漫画のアニメ化作品。破天荒だが天才的な運転技術を持つ青年・赤木軍馬が、レーサーとなり成長していく姿を描く。 監督は真下耕一氏で、高屋敷氏はシリーズ構成・全話脚本を務める。今回は、コンテが杉島邦久氏、演出が遠藤徹哉氏。

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話2 詳細は、ブログに書きました: F-エフ-28話脚本:心と体のアンバランス - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/11/… #はてなブログ F-エフ-の記事一覧: makimogpfb2.hatenablog.com/archive/catego…

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話3 今回の話: アニオリ回。 将馬(軍馬の異母兄)の嫌がらせによってライセンスを剥奪され消沈する軍馬を見かね、純子(ヒロインの一人)はタモツ(軍馬の親友だが、現在は軍馬のライバル・聖のメカニック)に状況の打開を頼み込む。 一方、不治の病と闘う聖は酷い発作を起こし…

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話4 ライセンスを剥奪された後、アパートに帰って来ない軍馬を心配する純子(ヒロインの一人)は、協会専務理事と仲が良い聖(軍馬のライバル)に、状況を相談してみて欲しいと、タモツ(軍馬の親友だが、現在は軍馬のライバル・聖のメカニック)に頼み込む。

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話5 当の軍馬は、英二郎(F3マシンを持つ、フリーのメカニック)のガレージに入り込み、F3マシンのエンジンをかける。怒る英二郎に対し軍馬は、マシンが走りたがって泣いている…と語る。 機械に魂…という主張は、1980年版鉄腕アトム脚本等、高屋敷氏は多くの作品で出している。 pic.twitter.com/yV1qdc26j8

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話6 ライセンスを剥奪されたため、もうここには来ないと英二郎に告げた軍馬は、レースに出さないのに、マシンを大事に手入れしているのは何故か…と彼に問う。「余計なお世話だ」と英二郎は返し、軍馬は去る。 ここは、高屋敷氏のよく出すテーマ「自分とは何か」が少し出ている。 pic.twitter.com/jz0ISEMr6e

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話7 その後、黒井(軍馬の所属するチームの代表)に呼び出された軍馬は、(黒井の仲間がいる)ロンドンで再起を図るよう促される。 前回に引き続き、(高屋敷氏が長年一緒に仕事した)出崎統氏がよく出す、「屋上・はためく洗濯物」演出が出る。ジョー2脚本(コンテは出崎統氏)と比較。 pic.twitter.com/Tfl2Fy3bn3

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話8 軍馬は、「聖の奴に勝たなきゃ…オレは何処にも行けやしねえんだよ…」と言い、黒井の提案を断る。 ここも、はためく洗濯物と心情が連動するつくりになっている。 前述の、あしたのジョー2脚本と、かなりシンクロを起こしていて驚く。 pic.twitter.com/93ASJdVL8t

拡大

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話9 一方、意を決したタモツから軍馬の事情を聞いた聖は、この事でタモツの調子が悪くなっては困るからと、協会専務理事に掛け合ってみることを約束。 紳士的なライバルという意味では、あしたのジョー2(高屋敷氏脚本参加)のホセに通じるものがある。 pic.twitter.com/GOhK2aLnQh

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話10 聖は早速、協会専務理事・葛西に掛け合う。 軍馬が只のバカか本物か、自分でもよくわからなくなってきた…と聖は葛西に話す。カイジ2期脚本にて、敵ながらカイジを「バカか利口かわからん男」と評した黒崎が、少し重なる。 聖に折れた葛西は、事件の再調査を約束する。 pic.twitter.com/yXouKOZYF6

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話11 葛西との話を終えた聖は、ルイ子(聖の恋人)とのランチ後、(不治の病の)発作を起こす。全てを見ているかのような太陽が意味深に映るのは、あしたのジョー2脚本にて、パンチドランカー症状が出て倒れた丈を太陽が「見ている」場面と通じる。 pic.twitter.com/cP7HHgcHpG

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話12 混濁する意識の中、聖は幻覚に苦しむ。極限での精神世界の描写は、カイジ(シリーズ構成)はじめ、高屋敷氏担当作に多く出てくる(画像1)。 聖は更に、精神世界を彷徨う。映像も、ゴッホ的な画が出るなど、狂気がよく表れている(画像2)。 そして聖は、病院へ救急搬送される。 pic.twitter.com/hC2VMpHtDr

拡大

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話13 その一方、久々にアパートに帰った軍馬は、食事も取らずに部屋に直行。純子は心配するが、軍馬に「他人の事だと思って気楽な事言うぜ」と言われる。あしたのジョー2脚本にて、丈のパンチドランカーを心配するも、彼に徹底的に無視される葉子と重なる。 pic.twitter.com/cP7MouyL3U

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話14 前回から引き続き、アイデンティティ喪失の危機にある軍馬のメンタルは風前の灯火で、食欲不振となって表れている。 このあたりも、メンタル問題に鋭く切り込む、高屋敷氏の特徴が出ている。 他の作品でも、「食」が人間の心身にとって如何に大事かが表現されている。

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話15 病院にて意識を取り戻した聖は、ルイ子・タモツと共に強引に自宅に帰る。夜空には赤い月がかかる。不吉な赤い月は、チエちゃん奮戦記脚本にも登場。 高屋敷氏は、「物言わぬもの」に重要な役割を与えるが、その中でも太陽と月は、重要な役を担っている。 pic.twitter.com/ZwzEluIb5d

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話16 聖は、明るい部屋にいるのに「やけに暗いな。電気を点けてくれ」と言い出し、タモツとルイ子は衝撃を受ける。 あしたのジョー2脚本の、右目が殆ど見えなくなった丈と比較。 ついに視力に支障をきたした聖だが、「オレはオレの人生を走る。死ぬまでな」と主張する。 pic.twitter.com/xAYjmNnPsB

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話17 聖は、(F3を走るようになってから)迫り来る死のおかげで、あらゆる壁が無くなり、自分の限界など何処にも無いと感じることが出来ると語る。 イメージに宇宙空間が出るが、カイジ2期・アカギ脚本にも、宇宙空間は出現している。 pic.twitter.com/coBNZIk1UW

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話18 聖の精神世界が再び出てくるわけだが、あしたのジョー2・カイジ2期・アカギ脚本ほかでも、精神世界の表現は多い。あしたのジョー2(脚本)においては、故人(力石)との会話も可能。 pic.twitter.com/8MuT0VUYNV

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話19 他方、ユキ(軍馬を慕う、赤木家の元使用人。軍馬の異母兄・将馬に囲われている)は、軍馬がライセンスを剥奪された事を知る。 彼女は、軍馬の母の形見の指輪を見つめ、悲しむ。 意思を持つような「物」は、高屋敷氏の担当作によく出る。ジョー2・ワンダービートS脚本と比較。 pic.twitter.com/GeAQmceGSE

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

軍馬の母の形見の指輪については、こちら(17話)を参照: togetter.com/li/1265068

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話20 そして、聖の壮絶な決意を目の当たりにしたルイ子とタモツは、放心状態で佇む。 タモツは、「サーキットは墓場じゃねえ…墓場じゃねえだよ…」と思うのだった。原作にもあるモノローグだが、単語やフレーズを繰り返してリズムを取る、高屋敷氏のアレンジのクセが出ている。 pic.twitter.com/OdaF1nERGT

拡大

まきもgpfb @makimogpfb

高屋敷氏脚本F-エフ-28話まとめ1 軍馬はライセンス剥奪により、聖は病気により、レースができなくなるかもしれない危機に陥る。 ここで思い出したいのは、この二人が「走らなければ生きて行けない」人間であるということ(18話 togetter.com/li/1267358 参照)。 そうなると、かなり深刻な事態。