オートバイでのコーナリングは「抜重」を体得するともっと上手くなる。( #TWIN式尻割メソッド step2)

オートバイのシートにきちんと座ることが出来れば、「荷重」は自然と出来るようになる。 だが、ここから上達するにあたって体得する必要があるのは「抜重」なのである。
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「尻割メソッド」ってなんだ? という人向けの解説
→ #TWIN式尻割メソッド 概論編

「どういう理屈なの?」という人はこちらをどうぞ
#TWIN式尻割メソッド part4 (理論編)

「じゃあ実際にやってみたいけどどうするの?」という方は
オートバイのシートに正しくすわると、ライディングフォームが良くなって上手く走ることができる。 #TWIN式尻割メソッド をご覧ください(^^)

TWIN @TWIN_SuperSport

#TWIN式尻割メソッド の次の段階について、そろそろ語ろうと思う。

2018-11-17 00:06:18
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リヤ荷重というのは物凄く大事なファクターだが、フロント荷重も重要である。二輪はフロントを使わなければ、曲がりを強めることは出来ない。 ※このスレッドでは敢えて「荷重」という言葉を多用します。

2018-11-17 00:07:22
TWIN @TWIN_SuperSport

では何時、どうやってフロント荷重を活用するのか? 実は自分が重要視しているのは、正確には「フロントに荷重をすること」ではない。 むしろその逆で、「フロントに掛かっている荷重を抜く」、つまり「フロント抜重」である。

2018-11-17 00:08:34
TWIN @TWIN_SuperSport

その理由として、重力が存在する環境でブレーキ(特にフロント)を使って減速しつつコーナーにアプローチするという方法を使う以上、物理の法則・・・つまり、フロントにはそれなりの荷重が自動的にかかる。

2018-11-17 00:10:03
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この荷重を強めるブレーキングは、実際はそれほど難しい事ではない。サーキットでフロントが滑るまで追い込まなくとも、ママチャリなどで砂利道を走り、フロントブレーキを使ってタイヤを滑らせる遊びを兼ねた練習を継続すれば、案外簡単にフロントタイヤのスリップ感はマスターできるからだ。

2018-11-17 00:11:41
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だが逆に言えば、それは 「フロントブレーキによってフロントに荷重を掛ける」という方法による上達は、かなり早い段階で頭打ちになってしまう。何故なら、フロントブレーキを握りながらバイクを傾けていくと、バンク角の増加に比例してフロントタイヤにかかっている荷重が遠心力に変換されるからだ。

2018-11-17 00:14:39
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これでは元の木阿弥である。目的のバンク角に至る後半はともかく、倒し始めた瞬間から中盤までのタイミングが、単位時間においてオートバイの向きが最も変わる時間帯だからだ。

2018-11-17 00:16:35
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この連続写真を見れば、直立からフルバンクに至るまでのタイミングでオートバイの向きが物凄く変わっていることがわかる。 pic.twitter.com/EPviIWPi8g

2018-11-17 00:17:43
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この向きの変わり様は、リヤタイヤのスリップアングルの変化だけでは到底説明がつかない。かと言って、フロントブレーキを握りながら倒しこむ練習に苦労している人たちは、「なんでこんなにフロントから向きが変わるんだよ…」という疑問が生じるだろう。

2018-11-17 00:19:16
TWIN @TWIN_SuperSport

ブレーキを握りながらの倒しこみはどれだけ腕から力を抜いても、フロントタイヤへブレーキングによる慣性力(減速G)という負荷がかかり、フロント周りの動きを阻害してしまうし、減速Gはバンク角が少しでもつくと遠心力に変化し、旋回に必要なグリップ力をタイヤから奪ってしまう。

2018-11-17 00:21:53
TWIN @TWIN_SuperSport

ではどうすればいいのか? 言葉で表すならごく単純である。それは 「減速による慣性力をフロントタイヤから抜重する」 のだ。

2018-11-17 00:23:10
TWIN @TWIN_SuperSport

抜重とは、荷重とは逆で言葉通り「重さを抜く」事である。これは方法も簡単で、慣性力が働いている方向に向かってライダーが動けばいいのだ。 これは、体重計があれば簡単に実験できる。

2018-11-17 00:25:06
TWIN @TWIN_SuperSport

体重計の上に立ち、素早くしゃがんでみて欲しい。この時の体重計の数値に注目してみるればわかるのだが、しゃがんでいる動作の最中は体重計の数値が減る。つまり、これは「重力によって地面に引っ張られる慣性力によって体重計に荷重されていた体重を抜重した」のである。

2018-11-17 00:26:54
TWIN @TWIN_SuperSport

つまり、これをバイクで減速している最中に、方向を前方向に向かってやればいい。 「前方に向かって生じているブレーキングの慣性力を、ライダーが前方へ身体を動かすことによって抜重する」のだ。

2018-11-17 00:28:41
TWIN @TWIN_SuperSport

ここで注意したいのは、体重計の上でしゃがんだ直後、体重計にドッスンと荒く着地してしまうと、体重計の数値は激しく上下する。 つまり、ただ単にバイクの上で動くだけでは同じことがフロントタイヤに発生してしまう。バイクのシートやステップを押し引きして反動をつけるような事をしても同じこと。

2018-11-17 00:30:59
TWIN @TWIN_SuperSport

ではどうすればいいのだろうか? ここで「腰入れ体操 togetter.com/li/1211201 」の登場だ。 体重移動にこの動作を取り入れると、実は身体の前後方向の動作も自然と出来るようになるのだ。 ただ、これが出来ているだけではまだ足りない要素がある。

2018-11-17 00:35:19
TWIN @TWIN_SuperSport

それは、今まで何回かツイートしている「倒しこみ後に車体を安定させるために、体重移動を止めて重心をセンターに戻す」という動きである。 詳細はまた後日にするとして、この動きに至るまでの経緯とタイミングが最も重要なのだ。

2018-11-17 00:36:42
TWIN @TWIN_SuperSport

腰を入れる→倒れ始めたら体重移動を止める(腰入れをやめる)→身体の重心を車体のセンターに戻す(完全に戻らなくても実際は問題ない、というか完全には戻せない)となるのだが、この体重移動を止めた瞬間…つまり身体の動作方向が変化する瞬間こそが「抜重」の効果が最も高まるタイミングとなる。

2018-11-17 00:39:44
TWIN @TWIN_SuperSport

この抜重は身体の動作方向をデジタル的かつ瞬間的に切り替えているだけであれば、効果が続く持続時間は本当に瞬間的な時間しかない。 だが、人間の身体はうまく出来ているもので、動作切り替えをアナログかつスムーズに行う事により、効果の持続時間を延ばす事が可能なのだ。

2018-11-17 00:42:42
TWIN @TWIN_SuperSport

ただしこれは、わかりやすくいえば「相撲の四股を踏む動きを出来る限りゆっくり、かつスムーズに行う」事と同じである。つまり、体幹の動かし方だけではなく、体幹そのものが強くなければ不可能な芸当なのだ。ここで改めてマルケスの倒しこみの瞬間の動作を見てみれば、その凄さがわかる。 pic.twitter.com/hesAISCuxA

2018-11-17 00:44:15
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TWIN @TWIN_SuperSport

この動作によってコントロールできる抜重は、フロント周りに掛かっているモーメントの高さに比べれば微々たるものだ(実際にロッシが測定した時、ほとんど変化がなかったそうだ) だが、フロント周りの動作とグリップ力を阻害する慣性力を全く抜かないのと、少しでも抜くのとでは天と地の差が出来る。

2018-11-17 00:47:15
TWIN @TWIN_SuperSport

また、この抜重の持続時間は、速度が下がれば下がる程、旋回時間が短くなればなるほど少なくて済む。 なので、我々一般ライダーはここまで極端な動きをする必要はない。だが抜重が出来るかどうかで、コーナリングの前半での向き変えの効率は大きく変わる。それがツーリングレベルの速度であってもだ!

2018-11-17 00:49:24
TWIN @TWIN_SuperSport

特に倒しこみの前半で向き変えを出来る限り済ませておけばおくほど、旋回に必要なバンク角は最小限で済むようになっていくし、バイクを傾ける時間も短くて済むようになってくる。つまり、コーナリングを「上手く」「安全」にこなすことが可能となるのだ。

2018-11-17 00:51:47
TWIN @TWIN_SuperSport

要するに「抜重」とは、峠のコーナーを攻めたりクローズドコースでのタイムを縮めるためだけに必要なものではない。オートバイを楽しむライダーがより安全にライディングを楽しむための「前提条件」として必要なものである、と言いたい。

2018-11-17 00:53:46