【追加収録あり】「チコちゃんに叱られる!」のたいやき発明話は「嘘」です~近代食文化研究会さんが断言

「お好み焼きの物語」発売を控える近代食文化研究会さんが、「チコちゃんに叱られる」を叱るという。「諸説あります」のでしょうが、今回の説は間違いだと断言できる証拠がいくつもあるとか…そして新刊にも、タイ焼きの話題は掲載されているとのこと。そのふたつは「兄弟のようなもの」で、片方を知らないともう片方も理解できないものだとか。カテゴリは「テレビ」で。
293
前へ 1 2 3 ・・ 8 次へ
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

@shirlywang 面形焼の資料はこれぐらいしかないのでわかりませんが、唐人飴売りといって、外国人のコスプレで耳目を集める路上商売は江戸時代からあったので、似たようなものでしょうか?

2019-01-20 03:01:26
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

明治30年代に、ホットサンドメーカーのような器具で餡を包んだ小麦粉生地を焼く、人形焼、軍艦焼、面形焼、肖像焼、亀の子焼などの焼き菓子が一斉にブームとなりました。 たい焼きは、そのような屋台の香具師が焼く似たような多くの菓子の、1バリエーションに過ぎませんでした。 pic.twitter.com/JpVvmRXFrN

2019-01-20 03:14:42
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

角田猛はその著書「東京の味」において、明治の中頃に亀の子焼のブームがあったと回想しています。 明治28年生まれの角田が小学校に入学する前の話なので、明治34年以前の話です。

2019-01-20 03:14:43
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

角田によると亀の子焼きは ”亀の子焼は両面型で皮にふくらし粉が入って軽く黄色くあがってゐた” そうです。現在の人形焼と同じようなふわっとした黄色い生地だったようです。 pic.twitter.com/dfJh6ug8lK

2019-01-20 03:14:43
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

たい焼きもまた、”鯛焼は亀の子の焼型をただの鯛にしただけ”なので、黄色くふわふわした生地だったようです。 現在のたい焼きには、パリッとした硬い生地など様々なバリエーションがありますが、もともとは人形焼とは形が違うだけの、類似の菓子の一つに過ぎませんでした。 pic.twitter.com/bsC8P3eaAS

2019-01-20 03:14:43
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

これらの焼き菓子がなぜ、明治30年代に次々と現れたのか その理由については、明日21日発売の「お好み焼きの物語」を参照してください(宣伝) 日清戦争の終戦が関わっていたと考察しています bit.ly/2B0DYpe pic.twitter.com/283gTuP7Nb

2019-01-20 03:14:44
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

角田が「東京の味」を出版したのは1956年、昭和31年ですが、そのころのたい焼きに戦前の勢いはなく、廃れていました。 ”一時は市中の方々に現れたが、この頃は少いやうだ。それでも渋谷駅前の仲見世で焼てゐる店を一軒見かけた。”

2019-01-20 03:14:44
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

一方、人形焼は浅草名物として確固たる地位を築いており、戦前から屋台ではなく店舗で販売されていました(東京の味)。 屋台で香具師が焼く安っぽいたい焼きは、亀の子焼や軍艦焼やその他有象無象の同種の焼き菓子と同じく、亡びゆく運命にあったのです。

2019-01-20 03:14:45
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

しかし現在はというと、たい焼きは滅亡を免れるどころか、人形焼よりも有名になっています。 ひとえに、1975年に大ヒットした「およげ!たいやきくん」のおかげです。 pic.twitter.com/pMt1gH0JYm

2019-01-20 03:14:45
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

明治生まれの作家玉川一郎は、「およげ!たいやきくん」に関連し、突然脚光を浴びたたい焼きに違和感を感じています。 ”別にケチをつける気はないけれど、鯛焼なんてェものは、心をこめて売るほどのモノでもないし、心をこめる余裕のある人達がやっている商売でもなかった。” pic.twitter.com/W7IaFvij1c

2019-01-20 03:14:45
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

たい焼きを発明したのは誰か。 たい焼きは、祭りや縁日で商売する香具師関係の誰かが発明したものです。 じゃがバターを発明したのは誰か、大阪焼や東京コロッケを発明したのは誰か。 誰も気に留めませんし、名乗り出る香具師もいません。それと同じです。

2019-01-20 03:14:46
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

たい焼きも亀の子焼も肖像焼も「無名の香具師関係者の誰か」が発明したものであり、発明者が誰かなど誰も関心を抱くことなく、消えゆく運命にあったのです。 ところが「およげ!たいやきくん」のヒットが、その運命をかえてしまいました。

2019-01-20 03:14:46
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

「およげ!たいやきくん」を歌った子どもたちは、たい焼きは特別な菓子であると勘違いするようになります。 明治生まれの人間からすると「どこぞの香具師がつくった有象無象の商品」でしかないたい焼きに、歴史と起源の説明を求める人も出てきます。

2019-01-20 03:14:46
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

そのような要望に答える形で、発明者を詐称する店が現れるわけです。

2019-01-20 03:14:46
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

さて、チコちゃんに叱られる!において取り上げられたテーマは、 たい焼きはなぜ鯛? でした。発明者と異なり、こちらには答えがあります。

2019-01-20 03:14:46
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

屋台で水溶き小麦粉を焼いて鯛を形作る菓子は、たい焼きがはじめてではありません。 200年前の江戸に、既に存在していたのです。 明日に続きます。

2019-01-20 03:14:47
木村衣有子/YUKO KIMURA @yukokimura1002

「熊本県」とか「燕市」とか、地名に動物が入っていると、その土地をイメージするキャラクターを設定しやすくていいよね、という話をこないだ『ツバメコーヒー』でしていた。四谷『たいやき わかば』でふと思う、そういや、なぜ、鯛をかたどることにしたんだろう、たいやきは。 pic.twitter.com/csTKg6ycs5

2018-09-19 22:40:43
拡大
木村衣有子/YUKO KIMURA @yukokimura1002

鯛はやっぱり、お祝いの席にふさわしい、めでたい魚だから。ヱビスビールのラベルを見てみれば、七福神の恵比寿様は鯛を釣り上げてにっこりしているでしょう、というのが最も素直な理由かなあ。 恵比寿様といえば、人形焼のモチーフに使われているのを見たことがある。

2018-09-19 22:41:44
木村衣有子/YUKO KIMURA @yukokimura1002

同じく小麦粉とあんこを軸として構成された和製焼き菓子、人形焼はその七福神とか、店によっては亀とか鳩とかたぬきとか、かたちに広がりがあるのに、どうして、平たく、皮は薄くぱりっと焼き上げるあのお菓子は、大判焼きみたいな丸型か、鯛型か、そのふたつの形状に絞られたのだろう。

2018-09-19 22:42:29
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

@yukokimura1002 「お好み焼きの戦前史」に書きましたが、鯛焼きは文字焼から生まれたもので、文字焼では江戸時代から鯛がモチーフとなっています。絵は19世紀初めの文字焼(焼鍋)。鯛と宝船が見えます。 pic.twitter.com/JEVB0tnImw

2018-09-21 02:57:20
拡大
木村衣有子/YUKO KIMURA @yukokimura1002

@ksk18681912 有難うございます。たいやきは今でも人気を博し「宝船焼き」はそうならなかったのは、生きものがモチーフになっていたほうが愛されたからでしょうかね。

2018-09-21 09:04:34
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

@yukokimura1002 最近鯛焼きについて調べていましたが、亀や宝船が消えて鯛が残った理由は「およげたいやきくん」のおかげという、身も蓋もない結論に落ち着きました。 twitter.com/ksk18681912/st…

2019-01-20 04:54:43
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

これは19世紀初めの作と推定される鍬形蕙斎の近世職人尽絵詞から、焼鍋の絵。 男が魚の絵を描いています。「焼鍋」というからには小麦粉の生地を鍋で焼いて、魚の形にしているのでしょう。 これがたい焼きとお好み焼きの共通の祖先である「文字焼」の当初の姿です。 pic.twitter.com/GcKtt7YKca

2019-01-21 03:10:35
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

こちらは葛飾北斎の北斎漫画から文字焼の絵。 先程の焼鍋と同じように、男が丸い円盤に小麦粉生地を垂らしています。 焼き上がった作品が、右側の鳥居のような枠に飾ってありますが、この部分を拡大してみましょう。 pic.twitter.com/GAE2uY0BKf

2019-01-21 03:10:35
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

識別しづらいのですが、上段左にぶら下がっている作品は、魚のように見えます。 pic.twitter.com/2SdFYE4gdp

2019-01-21 03:10:36
拡大
前へ 1 2 3 ・・ 8 次へ