10)黒川眞一先生はおそらく根っからの科学者で真摯な方であろうと思う.だからこそ,週刊誌等場外で挑発するのではなく,冷静に議論を行える場を整えた上で早野氏と本質の部分での議論を行って欲しいと思っている(早野氏が自由に発言できるようになってからのことでしょうが).
2019-02-20 19:37:42<空間線量>と<個人線量=ガラスバッジ等の実測値>の関係についての解説記事「放射線計測についての少し詳しい解説」を更新しました. (航空機モニタリングについての注を追加) 教科書より詳しいので,基本の再確認にいかがでしょう(岩波「科学」3月号の予習として). goo.gl/wDCvkm
2019-02-21 19:51:58なお,ご縁あって,この解説中で紹介している論文“放射線防護に用いられる線量概念”の著者,平山英夫 先生(線量概念検討WG主査)に内容をご確認いただきましたので基本的な部分については間違いないはずです. (PDF)web.archive.org/web/2014043023…
2019-02-21 19:56:29昨日の伊達市議会の黒川勉強会のアーカイブを見て黒川氏に失望と怒りを感じている.ガラスバッジ計測についてほんのちょっと調べれればわかる基本的なことさえ調べていない.係数を算出しなおしたという部分については論理が破綻している箇所もある.
2019-02-23 18:06:47論文の誤りを発見したら指摘して正すことは科学の営みとして当然だし重要だろう.また,個人情報の取り扱いにミスがあったならそれを正すよう働きかけることも必要だろう.その点は賛同する. しかし,週刊誌にまで場を広げて大騒ぎし,市議会勉強会で誤った話を振りまいては住民が不利益を被る.
2019-02-23 18:07:20あんな粗雑な議論でもこれだけの騒ぎになれば影響力が出てしまう. 放射線防護対策にとって重要な住民と地方自治体の信頼関係にもダメージがあるだろう.そして簡単には戻らない. 実際に地元の人と関わる関係者がどれほど慎重に言葉を選んでいるか.
2019-02-23 18:08:54被曝量の過小評価はもちろん絶対に許されない.しかし,その絶対の制約下で実態とかけ離れた過大評価は住民の居住移転の自由を不当に制限してしまう,というシビアな状況でどうやって適正な測定ができるか,それをどうやって伝えていくかということに多くの人がギリギリまで頭を絞っている.
2019-02-23 18:11:34住民のため,とおっしゃりながら,結果的に全く逆方向の動きになっている.本当に住民のためを思うなら,あんな粗雑な論をあちこちで振り回さないでいただきたい. 黒川氏は私なぞ足元にも及ばない高い能力を持った方であろう.だからこそその力を適正に使っていただきたい.
2019-02-23 18:14:23宮崎氏や早野氏のミスも信頼関係にダメージを与えるものであったのは確かだろう.だから適切な対処が必要だし,その点は否定していない. しかし,それとこれとは別の話である.ミスがあったら,そしてそれが個人的に許せないものであったからといってどんな手を使ってもよいわけではない.
2019-02-23 18:15:00以下は,宮崎・早野論文(特に第1論文)に関する議論を読むにあたって,客観的に議論内容を検討するために必要なポイントをまとめてみました.
宮崎・早野論文は被曝量を過少(過小)評価するものだ,という主張をする側が被曝量を大きく見積もろうとしているのは何なのだろう.自分の評価については不問なのか. (第二論文の計算間違いの指摘は話が別) 大きく見積もったものから見れば,そうでないものは過小評価しているようにみえるよね.
2019-03-02 16:31:15そこに自覚があって主義主張のためにわざとそうしているのか,それとも自分でも気づいていないのか. 他者を偏っている,と指弾する者は,自分自身の偏りの可能性についても自覚しないとバランスのとれたまともな議論に発展しないよねえ.
2019-03-02 16:34:58自身の主義主張の鏡像・虚像を反映させて,幻の早野氏=悪の象徴に向かってけしからん,と怒っている人があんまりにも多い気がする. 早野氏がそんな主張してましたか?みたいに思うことも多し.というわけで,論文の批評するなら黒川先生による和訳で良いのでまず論文をきちんと読み込みましょう.
2019-03-02 16:48:37黒川氏による宮崎・早野 第1論文の日本語訳
(PDF) https://www.iwanami.co.jp/kagaku/miyazaki-hayano-paper1v3.pdf
世の中には本当に謀略はあると思ってるし,それに対しては最大限警戒すべきであるけれど,なんでもかんでも「陰謀だ!」って叫んで思考停止していては本当に恐ろしいものを見抜けなくなるんじゃないのかな.オオカミ少年よろしく誰も話を聞いてくれなくなったら肝心な時に防ぐこともできない.
2019-03-02 16:59:14話を戻すと,宮崎・早野論文の中の書き方でこれは結果的に真意を誤解されやすい表現だと思ったり,後の知見を合わせると違う書き方が適切だったと思うこともあって,完璧だとか丸々信ずるようなことはなく批判的に見てるけど,むしろ使われ方や解釈が不適切な例が多くて,そちらはかなり注意が必要.
2019-03-02 17:21:30論文を読みなれていない方もおられると思いますが,宮崎・早野論文に限らず,論文を読むなら <データ分析結果の提示部>と<著者らの主張>を意識して切り分けて読む のが正しい読み方です.データ分析部分はどのような立場からでも検証と利用が可能で,議論の共通基盤になるので特に大事.
2019-03-02 17:36:54宮崎・早野論文について何が本当の事か,自身で考えたい人に必要な視点をまとめる. (0)批評を読む際,その批評に記されたことは本当に著者らが論文中で主張していることかを確認する.批評者が一方的に著者らの意図を決めつけて書き,それに対して批判を加える藁人形論法になっていないか確かめる.
2019-03-02 18:06:00(1) 批評を読むときはその文章に書かれた事を検証すると同時に,批評者の偏り(バイアス)を意識しながら読むのも重要. 宮崎・早野氏だけでなく,それを批評している側に高め/低めに評価するような意図が働いていないか意識しながら一歩引いて批評を読む.
2019-03-02 18:06:51(2) 係数の議論は,平均値(または中央値)に関する議論か,防護のために上限を定める議論かを意識して切り分けて考える.それらの違いを意識していない雑な議論,あえて両者を混同したりあいまいにして印象操作をはかるような批評もある.
2019-03-02 18:08:07(3)線量概念(周辺線量,個人線量,実効線量),放射線計測,ガラスバッジに関する知識は最低限必要.これらを知らずに批評を読んでも誤りを含んだ批評にだまされるだけ. 参考:twitter.com/clear_wt/statu…
2019-03-02 18:12:24