【シャンブル〜UC100V】山口順平氏(@hanamogera20)によるユニコーンほぼ全曲レヴュー・後編【#全UC】

祝ユニコーン100周年! 80年代音楽エンタメコミュニティ「Re:minder - リマインダー」のカタリベ 山口順平氏(@hanamogera20)によるユニコーンほぼ全曲レヴュー「#全UC」をまとめました。※まとめご快諾ありがとうございます
11
前へ 1 ・・ 3 4 次へ
山口順平 @hanamogera20

【12、第三京浜】阿部作品。海へと向かう男女のドライブが描かれているが、街のしがらみに疲弊し逃げ出してきたかのような物悲しさがあり、エイトビートの中でキラキラ光るピアノの調べは、2人にとって近くて遠い水平線の陽光を思わせる。現代の桃源郷を求めて…アルバムテーマがようやく分かる瞬間。 pic.twitter.com/ufGRUKH2gV

2019-05-21 17:07:25
拡大
山口順平 @hanamogera20

【13、風と太陽】阿部作品で、ボーカルは民生。“こんな時代を歩くことも さだめなのだ ふふーん”という歌い出しが、仄暗さとヤケ気味の明るさを併せもつこのアルバムを簡潔に表している。曲調はイソップ寓話に似せた曲名の通り児童向け音楽劇風。「ぶたぶた」ほどナンセンスではないが、近い趣がある。 pic.twitter.com/0TV7cAWZdZ

2019-05-21 17:10:35
拡大
山口順平 @hanamogera20

【14、フラットでいたい】川西作品で、ボーカルは民生。ふつうの選曲者なら前曲で美しくアルバムを着地させるはずだが、稀代の捻くれ者達は“不時着”を選んだ。ドタバタのシャッフルビートに軽薄なボーカル。似非オペラ仕立てのコーラスで全員が合流し、一応大団円を迎える。大人にならない大人の余裕。 pic.twitter.com/OLfm7h9qfp

2019-05-21 17:22:25
拡大
山口順平 @hanamogera20

半世紀No.5 (2017) 50歳記念歌集。川西はHIP HOP+クラシック、テッシーはプログレ、民生はジャパメタ、EBIは演歌+パンク、阿部はマンボ+ウエスタン。主役が他4人に振り回された記録のようで、本質は5人揃えば大概の分野に対応できること、延いては“バンドっていいだろ?”を示した記録である。#全UC pic.twitter.com/cfxRG6iPXk

2019-05-21 17:40:14
拡大
山口順平 @hanamogera20

【1、半世紀少年】ラップは川西、トラック制作は阿部。「歓喜の歌」が基の合唱部分の作詞は民生が務めた。何故かその気の川西に周囲が付き合った格好。“ゲージュー”をリズムに活かす民生、2番から高音でラップに加わるEBIの援護射撃もあって、本物でも借り物でもないUCならではのHIP HOPに行き着いた。 pic.twitter.com/ByfehmO8XV

2019-05-22 18:50:23
拡大
山口順平 @hanamogera20

【2、川西五◯数え唄】ユニコーン名義作品。主役除く4人が手拍子のみで歌い回す屋外一発録音曲。「圭子の夢は夜ひらく」風の、ないし昭和産アニメの(妙に暗い)終わりの歌のような曲調に川西の人となり等に関する詞(数え)がのっているが、実質50に満たない。自然体の4人の声質を対比できる価値も有り。 pic.twitter.com/E0BAS2xBI8

2019-05-22 20:00:16
拡大
山口順平 @hanamogera20

【3、新・甘えん坊将軍~21st Century Schizoid Man】民生と阿部がKing Crimsonの代表曲のインスト部分に詞を当てるところから形にした珍妙なプログレ。日頃私語が多く鬱陶しがられ得るテッシーのキャラが反映している。「CSA」等にしてもそうだが、ふざけるためだけにこんな演奏力は必要ないだろう。 pic.twitter.com/eYWfFSRXjG

2019-05-22 20:29:35
拡大
山口順平 @hanamogera20

【4、ゴジュから男】作詞は主役除く4人、作曲とボーカルはテッシー。テッシーは恒常的に70sUS路線の曲を書いてきたメンバーだが、民生から純然たるHRを期待されていることもあり、現在はかつてほどフォーキーな作風が目立たない。再結成以降初めてメロディメーカーとしての彼を確認できたのが本曲だ。 pic.twitter.com/t2FRz9TYAu

2019-05-22 21:38:44
拡大
山口順平 @hanamogera20

【5、ロック! クロック! オクロック!】作詞作曲ともに主役除く4人、ボーカルは民生。民生のバンド原体験に数えられるジャパメタをメンバーが強要したもの。LOUDNESSを彷彿とさせる曲調にのせ、尻に敷かれた夫の日常を歌う。1番が終わった後、再びクドい前奏が始まるのは明らかに“ツッコミ待ち”である。 pic.twitter.com/agHAFjQ6mQ

2019-05-23 08:37:21
拡大
山口順平 @hanamogera20

【6、私はオジサンになった】民生作品。50歳だからといって今後も改める気はないことを敢えて列挙し“するわきゃない”と覆してゆくサイケフォーク。曲名は森高千里のアレからだが、中身は後期Beatlesの翻案、その国内最高水準だ。仲間たちの音が徐々に集まるドラマがみえる。天才・奥田民生ここにあり。 pic.twitter.com/f69o4irNCJ

2019-05-23 09:32:53
拡大
山口順平 @hanamogera20

【7、TAIRYO】作詞作曲ともに主役除く4人で、ボーカルはEBI。EBIの原体験であるパンクにちなみRamones「Blitzkrieg Bop」からの引用で始まるが、歌自体は演歌調。EBIの祝祭→大漁祭→兄弟船→演歌という連想によるものだろう。その特異な声質との相性を蔑ろにされた上で挑む、彼の可愛らしさが醍醐味。 pic.twitter.com/HK2MXk4a21

2019-05-23 10:30:31
拡大
山口順平 @hanamogera20

【8、VERTIGO】EBI作品。50歳記念歌は2曲ずつで、その内1曲は4人による暴挙、もう1曲は主役が今やりたい音楽が尊重されているが。EBIの場合「TAIRYO」と同系の曲を自ら書き、本来の美声を隠すようにガナっている。デビュー以来“実体がみえない作家”であり続ける彼だから、その変貌こそが真骨頂なのだ。 pic.twitter.com/C0BqrsfrSI

2019-05-23 11:21:11
拡大
山口順平 @hanamogera20

【9、RAMBO N°5】作詞作曲ともに主役除く4人、ボーカルは阿部だが大部分インスト。阿部の出身地の名産さくらんぼ→ランボー→マンボ(Pérez Prado)となり、一方でランボーのハードボイルド像がウエスタン調を呼び込んでもいる。“んだべ”をスペイン語のように取り入れる等、滑稽な中にも斬新な創意あり。 pic.twitter.com/W0FrhpJrXe

2019-05-23 12:08:10
拡大
山口順平 @hanamogera20

【10、50/50】阿部作品。永らく90sUKの様式美を研究してきた結果、源流を遡り“ジョンの魂”を授かったという印象。かつてタモリが赤塚不二夫について“礼を言うときに漂う他人行儀な雰囲気を避け合う間柄”と明かしたことがあったが、UCも同様だろう。本曲は、その1人が削りに削った言葉で綴った恋文だ。 pic.twitter.com/ipbtP3siNG

2019-05-23 14:23:50
拡大
山口順平 @hanamogera20

UC100V (2019) Vinyl条件を優先し収録曲は従来よりも3〜4曲少ない全11曲。ただし各曲の“助演”がいずれも“主演”に肉薄し、短い中でもバンドマジックの濃度は凄まじく高い。いつも通り輪郭緩めなリズムにいつになく臨場感のある鳴り物やコーラスが重なった新基軸の音像。歌というより響きの名盤だ。#全UC pic.twitter.com/PPZRJZKZpN

2019-05-23 15:18:19
拡大
山口順平 @hanamogera20

【1、10Nuts】阿部作品。某フェスで同日出演だった山下達郎のオーバーチュアに感銘を受け書いたという小曲。ただし達郎っぽさはなく、偶然であろうが近年ストーンズがツアーで使用しているソレに近い。“後出しの名手”民生による荒々しい皮物とEBIを要にしたコーラスの響きが、本盤の性格を早速明かす。 pic.twitter.com/424iZ6gwu7

2019-05-23 19:35:46
拡大
山口順平 @hanamogera20

【2、ZERO】阿部作品。「オレンジジュース」や「トキメキーノ」等 UC流のデジタルロックは、彼らのグルーヴがコンピュータに抑制される類ではなく、最終的には必ずコンピュータをやっつけている。本曲もその一例。先行曲「OH! MY RADIO」とは反対に阿部の上でハモる民生がサビの強さを決定づけている。 pic.twitter.com/wJv5BSDfIl

2019-05-23 20:20:24
拡大
山口順平 @hanamogera20

【3、大航海2020】EBI作品。あのEBIがこんなに真っ直ぐでケレン味のないポップロックをUCで書くのは「シンデレラ・アカデミー」以来だろうか。過去作品群と対比すると、かえって捻くれている気さえする。新人女優のデビュー曲にも採用され、彼にとって“A面への大航海”その序章にあたるのかも知れない。 pic.twitter.com/J430lBv4Qq

2019-05-23 20:54:07
拡大
山口順平 @hanamogera20

【4、1172】民生作品。かつて『おどる亀ヤプシ』で試みていたトロピカルポップを有機的な音像で再構築したといえる曲。曲名は、1173(いい波)はあるが大事な1つ(恋人)が足らない楽園生活の詞にちなんだもの。また再結成第1弾だったサーフソング「WAO!」から10年経った今の気負いのなさが表れてもいる。 pic.twitter.com/IHMb4yW116

2019-05-23 22:40:27
拡大
山口順平 @hanamogera20

【5、365歩のマッチョ】テッシー作品。UCのコーラスワークは流麗なハーモニーの類と酒席の余興のような類があり、テッシー作品では専ら後者である。彼が求めている以上に、そういう作風を求められているのだろう。曲調はHRで詞は中年賛歌。緩いダジャレも含め、今作の彼も期待に真っ向から応えている。 pic.twitter.com/pOn3aKXe78

2019-05-23 23:23:15
拡大
山口順平 @hanamogera20

【6、青十紅】阿部作品。過去のデモ試聴会映像の中に民生が得意とする“派手な起伏がなくともポップに聴かせる曲調”を阿部が感心する光景があった。まさに本曲がそれ。兄を追随する弟のような気質が書いた美しき低空飛行のミディアムバラッドである。ただし間奏のハーモニーはUC史上最もダイナミック。 pic.twitter.com/A4MIcvAs6p

2019-05-24 07:24:19
拡大
山口順平 @hanamogera20

【7、気まぐれトラスティーNo.1】川西作品。阿部による前のめりなドラミングにのって疾走する語感本位のパンク。全員ユニゾンを基本とする電大での活動がもたらした歌心により、ロックンロールにおいては美声に相当する彼の破けた声が理想的に活かされている。奇跡の60歳。気まぐれでも真似できない。 pic.twitter.com/jTKXaGVOsm

2019-05-24 08:10:58
拡大
山口順平 @hanamogera20

【8、55】民生作品。限られた出番(収録曲)の中で各自求められているものを出し切るアルバム…それを何より象徴するのは、民生が爆発的な声量で“場外ホームラン”を狙った本曲だろう。彼自身の太いギターソロも本来特筆すべき絶品だが、何もかも声に呑み込まれてゆく。エルドレッドまで届いただろうか。 pic.twitter.com/h4HYv5msGN

2019-05-24 08:33:25
拡大
山口順平 @hanamogera20

【9、GET WIND 360°】EBI作品。中音域に柔らかなリズムが詰まり、周囲の余白を海風のようなコーラス、海原のようなピアノ、海鳥のようなスライドが埋めている。詞は短くも美しく燃えるアスリート/パフォーマーたちへの賛歌だが「大航海2020」と同様の雄大な(人生という)旅を想起させる音響系ポップだ。 pic.twitter.com/9I6eUAiW48

2019-05-24 08:50:25
拡大
山口順平 @hanamogera20

【10、うなぎ4のやきとり1】民生作品。前曲に続く音響系。彼の場合はやはりBeatlesを経由した60sサイケの趣である。「デーゲーム」の頃からインドと縁があるテッシーがシタールに初挑戦。その幻惑的な音像が5人しか踏み入れない聖域の存在を示している。曲名はふざけているが、民生流「50/50」だろう。 pic.twitter.com/oN2pPnj44z

2019-05-24 12:37:57
拡大
前へ 1 ・・ 3 4 次へ