30秒動画でジャズピアノと理論(@jazz_30_sec)の講座まとめ 第31~40回
【アレンジ編】【初級】お久しぶり。輝夜月のファンです。 さて、今日は 循環 と 逆循環 のお話をしたいと思います。演奏というよりは、ハーモナイズ、コード付け、アレンジの話となります。 題材はこちら! "紅楼 ~ Eastern Dream" 作曲:ZUN氏 です。 pic.twitter.com/ZviiuyfZLr
2018-01-29 22:48:36シンプルなコード進行において、楽曲は基本的にトニックで終わり、ループしていることが多いわけです。複雑なものとなると話は別なのですが。 そして、その「ループするコード進行」 つまり 循環 するコート進行は大きく2種類に分けられます。
2018-01-29 22:49:42【アレンジ編】【初級】まずは「循環」。これはトニックで始まり、ループの最後がドミナントで終わっているもの、と考えてよいかと思います。その間に入るコードは割と自由だし、最後もドミナントじゃなくて、別にサブドミとかでもいいわけです。例を1つあげますね。 pic.twitter.com/RakwY6TODc
2018-01-29 22:51:40【アレンジ編】【初級】そして、もう1つが「逆循環」(逆循)。これは、一般的にはサブドミナントではじまり、トニックが途中にあり… 割と自由ではありますが、ちょうど「循環」を半分でぶったぎって前後を入れ替えたような形になっています。 pic.twitter.com/CKUS9BOfOL
2018-01-29 22:53:35今回、マイナーキーの曲を題材にとっていますのでこのような形になっておりますが、メジャーでも同様でございます。 key:Am ですと F-G-Am-ホニャララ が逆循で、 Am-ホニャ-ララ-E7とか が循環といえましょう。
2018-01-29 22:54:28重要なのは「同じメロディに対して、流派の違う2つのコード進行がそれぞれフィットする」ことです。 コード進行を 2つの流派として捉えるのは、作業効率やハーモナイズの幅を広げるのに非常に重要であります。 リハモのときにひっくりかえしたり、手始めに変えるコード要素を決めたり。
2018-01-29 22:55:31【アレンジ編】【初級】さて、循環や逆循の長さは必ずしも一様ではありません。8小節ぐらいあるものもあれば、へんな長さのものもあります。循環で、1例紹介したいと思います。2回同じコード進行を繰り返していて、後半は途中から終了に向かって切り上げていることがわかると思います。 pic.twitter.com/jq1a1GqClU
2018-01-29 23:04:52この例ですと、やはり「トニックではじまって」「ドミナントで終わっている(8小節目)」ことで循環進行となります。それを繰り返していますが、終止のために、6小節目でドミナントに切り上げることで、エンディングに向かっていますが、これは「循環を断ち切った」と見ることもできるでしょう。
2018-01-29 23:06:02一見すると、全然別の進行に見えますが、循環か、逆循環かという流派を大別することでこれらはリハモ、分析、すべてのシーンにおいて、グッとやりやすくなります。手がかりがないと、2小節目から先、全然違うじゃんとなるのですが、流派は同じなんですね。「循環」兄弟なわけです。
2018-01-29 23:07:15【アレンジ編】【初級…?】コード進行をひとくくりで循環、逆循環ととらえると良い点は、分析と作りと両方でいきてきます。 いまとなっては「ああ、これは循環だね」とわかると思いますが、知らないと苦労しそうな進行を1つ例示します。 pic.twitter.com/rPmlGzqGeG
2018-01-29 23:15:15明らかにクセが強いのですが、それでも「ああ、これは循環だね」とわかると思います。ちゃんと、トニックで始まって、ドミナント。その手前にトニックがあるのが、少し「よろしくない」という方もおられますが、やはりこれはループしている、循環進行ではありますよね。
2018-01-29 23:16:17分類化すると、こういったコード進行を作るときに、以下のようなプロセスをたどることができるのです。「まずトニックを置こう」「最後はドミナントとしよう(サブドミでもいいんだけど)」 …と、いきなり2小節目以降は自由なんですが、
2018-01-29 23:17:23たとえば、「中継すべきコードを決める」「ベースの進行を決める」「メロディを何度にとるようなコードを素材として使う」「モードを乗り換えてみる」といった、アイデアを中盤に適用する、ということができるわけです。 つまり、これはある種の「型」なんですね。
2018-01-29 23:18:11さきほどのコード進行は以下のように作られています。 (1) まずトニックを置く (2) トニックの代理である bIIIM7 (EbM7)に続けて、メロディが7度に来るようにしつつ、メジャー感を楽しませる (3) サブドミに進行してみよう。Fm7もいいがAbM7のほうがメジャーな響き。
2018-01-29 23:19:40(4) ここまでは言っても Cm = EbMaj だったし、変化がほしいな。 Cmの同種長調である CMaj から借用してくるのはどうだろう。 ここまで C Eb Ab ときているしベースを上行にしてみよう。 A,B,C,D... Dm は飛びすぎ。Cはメロがルートになっちゃう。 Bは短9度になる。 Amにしよう。
2018-01-29 23:20:56(5) Ab-A ときたし、半音上げでやっていきたいな。 メロがG で、 Bbをベースにとる…と、 またCmに戻っちゃうか。ここはあえて Bbm にしてみるか。あえて言うなら 同主フリジアンモードから借用してきた、ということで!
2018-01-29 23:22:14(6) そりゃもうここまできたら ベースはBしかないでしょ。 ただ、このまま 最後G7までいけるかな…B-C-Db7 という裏コードへ落ち着くのもいいな。 どうしよう(ここは好み) ちょっと Amで冒険しちゃったし、 一旦キーを提示しちゃうか。 G7onB = Bdim7 にしよう。これで Cmってなるよね。
2018-01-29 23:23:38(7) ちょっと日和っちゃったかなあ。まあ、Bdim7と来たら、ここは Cmとしてトニックですよ、やっぱりCmですよ、として さっきの Am とか Bbm とかをむしろ引き立てていこう。 (8) 最後は G7 ってことでオーソドックスに。 以上が、ハーモナイズで実際に考えたことです。
2018-01-29 23:24:29つまり、そのときの気分によって2~7あたりのコードは全部変わっちゃうわけですね。まあそれいっちゃうと身も蓋もないんですが。 ここで、途中で「つまんないから こうする」として モードを乗り換え(借用して)たりするところは参考にはなるのかなと思います。
2018-01-29 23:25:37【アレンジ編】【初級?】逆循環でもまったく同じです。さらにこっちは、発想を広げてみました。解説はのちほど。ちょっとPOSTに間があいたのはいろいろ試してたからですw 逆循版ドヤ顔コード pic.twitter.com/FNdjJjkpNh
2018-01-29 23:47:31まず、これは逆循環です。サブドミナントから始まってトニックを経由して、サブドミに戻るようなコードで終わっていて、ちゃんとループしています(2回)。ですから「逆循」です。 あと、誤植あり。 7小節目 C ではなく Cm7 ですね。すいません。
2018-01-29 23:48:41ここで紹介したいのは (1) 循環、逆循環はその長さも自由だが、ハーモニックリズム(コード進行の展開の速さ、譜割り)ももちろん自由 というのが1点。基本2拍にしていますよね。 最後だけ のんびり終わらせているのは、趣味の範疇です。自由ですよ。
2018-01-29 23:49:33(2) 循環コード進行において、メロディとの関係が許されるなら、異なるモード(基本的には同主の異なるモード。メジャーとマイナー、マイナーとドリアンなど) から和音を借用したほうが ドヤ顔ラビリティが高い こと。
2018-01-29 23:50:25この例では、 そもそも一発目が F Major コードなのが、 同主長調からの借用和音なんですね。 2小節目にしていきなり Abになっており、さっさと裏切り、意外性を与えているわけです。 逆循環ではこういったことも可能だということですね。
2018-01-29 23:51:23(3) この逆循環進行の最後 Gbは M7 だったり 7(b9) だったりしますが、これは「メロディと矛盾がないように」したためです。こういった メロディと齟齬がないようにコード(クオリティ)を多少いじることも重要です。なお、そのままぶっ飛ばしても大丈夫なことが多いです。
2018-01-29 23:52:25