- eguchi2018
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インドではもともと自分より浄性が低いカーストに食器が使われて「穢れる」ことを恐れて葉や素焼きの食器を使い捨てることが習慣化していたが、それに加え近年は紙製・プラスチック製の使い捨て食器が非常に好まれて消費量が急増し、路上に捨てられて環境を悪化させている…浄が不浄を生む皮肉。48-50
2019-05-31 10:04:26荒俣宏「占いの源に鳥の知覚能力が関係している証拠に、ギリシア語で鳥を意味する語オルニス(ornis)は、前兆、余地の意味を併せ持ち、そこから派生したオーメン(omen)という語には、『不吉』の意味がある」55-6頁
2019-05-31 10:31:22荒俣宏「日本では家畜の去勢が好まれなかった。宦官や纏足のような人間に対する習俗も、日本人は文化としてこれを取り入れなかった。竹村公太郎…日本に馬車や牛車など動物に曳かせる乗り物が発達しなかった理由として、去勢を行わない牛馬が暴れやすかったことが原因したのではないか」57頁
2019-05-31 10:37:01荒俣宏「欧米でもかつては闘鶏がさかんに行われ、闘鶏の土俵を意味した『コックピット』という言葉は、いまでも一般的な会話に『操縦室』などの意味で登場してくる」68頁
2019-05-31 17:11:43「今西[錦司]の遊牧論においては、『オーバーアダプテーション(適応の行き過ぎ)』という表現が用いられ、遊牧民の季節移動はヒトが動物の行動に適応しすぎている状態であるとみなされた。…モンゴル遊牧民に対して、人間的というよりもむしろ動物的な生活という低い評価を与えた」93頁
2019-06-01 05:17:09「数千年にわたって居住されていた遺跡でも、イヌ骨は多くて数十頭分しか確認されていない…古代イヌイットにとって極北地帯を生きぬくのに不可欠な存在ではなかった…多く飼われるようになり、イヌイットが生活していく上で必要不可欠な存在になったのは、およそ1000年前のチューレ文化期以降」151-2
2019-06-02 15:07:45「イヌイットのイヌはワンワンと吠えず、オオカミのように遠吠えをする。…定住地でゴミがたまるようになった1960年代までは、極北地帯には野犬はいなかった」153頁
2019-06-02 15:14:47「日本人の平均寿命が70歳に達したのは女性が1960年、男性は1975年でその後20〜30年で著しく伸びた。その平均寿命の延びと同じカーブを描いているのがタンパク質…と脂肪の摂取量である。一方食塩の摂取は減少傾向…栄養改善が日本人の脳卒中死亡率を減少させ平均寿命の延長に貢献した」184頁
2019-06-02 16:13:09「沖縄は1980ー1990年代にかけて平均寿命が男女とも日本の都道府県別で第1位、したがって丁度その時期に相当する国際比較のデータからは血清コレステロール値が ”中庸の値”[180-200mg/dL]で脳卒中や心筋梗塞の死亡率が共に低い[前者は低コレステロール、後者は高コレステロール状態で発症]」187頁
2019-06-02 16:27:54「ハワイ日系人社会は世界一の長寿集団となり、1980年代に、すでに現在の日本の平均寿命に近いレベルに達していた。ハワイの日系人社会は、食生活の適度な欧米化が長寿に貢献した地域として特筆される…1世の移住者に適切な食肉やトロピカルフルーツの摂取、塩分摂取の減少などが長寿に寄与した」187
2019-06-02 16:30:45「安定的な食料供給に支えられた人口増加は、常に感受性のある若年層が追加されることを可能にしたばかりでなく、R0[1個体から平均何個体に伝播するか]が比較的大きな感染症であっても[宿主の人類を絶滅させず]人類の中で維持され続けることを可能にした」199頁
2019-06-02 16:53:42「人獣共通感染症として畏怖されているものの多くは人を終末宿主(dead end host)としており、人に伝播した後の人の間でのR0は1以下である」199頁
2019-06-02 16:56:16「人類は感染症という大きな脅威と引き替えに、食料供給源あるいは使役の供給源としての家畜を手に入れることに成功したと言える」200頁 まさに『銃・病原菌・鉄』の世界
2019-06-02 16:59:49「地球上には未だ人類がその存在を認知していない生物種が全体の77.2%にもなるという推計がある。脊椎動物に限っても、全体の10%はまだわれわれにとって未知だとされる。ウイルスは99%、細菌は99.6%が未知である」215頁
2019-06-03 01:22:55「日本の乳牛…はメスが約200万頭いるのに対し、種オスは約200頭しかいない。種オス以外の乳牛のオスはすべて肉として消費される。…肉牛の90%以上を占める黒毛和種という肉牛においても同様に人工授精による繁殖…平茂勝という黒毛和種の種オスの精液は、何と30万頭の子牛を作り出したという」225-6頁
2019-06-03 01:37:17「集約的な牛の飼い方…1980年代には、日本はデンマークと並んで、『世界で』もっとも人工授精による繁殖の普及した国となったのである。アメリカのように巨大な牧場で粗放的に数百頭の牛を飼うところでは、人工授精の普及は困難であったと考えられる」227頁
2019-06-03 01:41:46「成長ホルモンは人間の小人症の治療薬として、もともとは人間の死体の下垂体から抽出されていたが、遺伝子工学の発達により、大腸菌でつくられるようになり、たいへん安価な薬となった。大腸菌でつくった牛の成長ホルモンを泌乳している牛に注射すると実際に数十%乳量が増える」231頁
2019-06-03 01:52:40「ヘア(Hare)博士ら…ヒトの視線による社会的シグナルにイヌがどれほど正確に反応するのか…訓練のない状態でテスト…チンパンジーの正答率が60%くらいしかなかったのに対してイヌではなんと80%近い正答率が得られた。…ヒトの視線の意味を理解する能力は、チンパンジーよりもイヌのほうが高い」21頁
2019-06-03 11:25:30「オオカミがヒトに飼いならされてイヌになったのではというイヌの起源…遺伝子解析によって否定…イヌはヒトとの共同生活を始める数万年も前からオオカミとは別の種となっていて、オオカミとはちがった特徴をもっていたがためにヒトとの共同生活がはじまったのだというのが現在もっとも有力な説」23頁
2019-06-03 13:53:44「サヴォライネン…らが2002年に報告…南西アジアやヨーロッパのイヌと比較し、東アジアのイヌにはより大きな遺伝的多様性が認められ、東アジアのイヌが他の地域のイヌより古い起源をもつこと、すなわち、イヌは東アジアに起源をもち、世界に広がっていったことが示唆された」
2019-06-03 14:02:06