尾上先生の勉強風景 (26) 『家族ペット』『家畜の文化』

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尾上正人 @9w9w9w92

「私たちはいま ”生物多様性の保全” と ”野生動物戦争[wild life war]の勃発” という複雑で困難な時代に生きています」119頁

2019-06-14 18:38:57
尾上正人 @9w9w9w92

「幕府や藩が各地に『鷹場』や『猟場』を持っていて…庶民の狩猟を厳禁していた…農民による密猟は、小鳥を1羽獲っただけでも、ほぼ極刑…に処されました。この徹底した規則によって、江戸期の山野は野生動物の天国だったのです」121頁 山林の伐採は加速してハゲ山だらけだったらしいが

2019-06-14 18:49:38
尾上正人 @9w9w9w92

「再三の『差出命令』(『刀狩り』)にもかかわらず、驚くほど多数の鉄砲が各地の農村には隠匿されていたことが知られています…江戸期の日本は世界最大の鉄砲保有国だったとの推定があります。鉄砲は『武器』である以上に[野生動物を追い払うための]『農具』だったのです」122頁

2019-06-14 18:50:20
尾上正人 @9w9w9w92

「小学校ではウサギの飼育が現在も行われていますが、これは情操教育などではなく、副業[戦時下の毛皮調達]のための職業訓練として始まりました」134頁

2019-06-14 19:37:26
尾上正人 @9w9w9w92

「集団の遺伝的組成の変化に寄与できる実質的な個体数を『有効個体数』といいます…数万頭の牛が飼育されていても、有効個体数は、15頭とか8頭とかいわれていますよね」193頁

2019-06-15 05:44:58
尾上正人 @9w9w9w92

「世界中のブロイラーは、3つのアグリビジネス企業に系統が牛耳られているというか、遺伝的に支配されている状況です。採卵鶏も同様です。…つまり、世界中どこに行っても同じ鶏系統からの肉や卵を食べている状態です」195頁

2019-06-15 05:54:51
尾上正人 @9w9w9w92

「アニマルウェルフェアに言及する西洋では、命あるものという側面ではなく、sentient beings(痛み・苦しみ・喜びなどを感じることができる存在)という側面に注目します。そこでは、植物や昆虫は感じる存在ではないという割り切りがあり、ウェルフェアの対象から外されているのです」198頁

2019-06-15 05:58:03
尾上正人 @9w9w9w92

三浦慎悟「猫はペットであると同時に立派な野生動物の捕食者であるとの認識を私たちはきちんと持つべきだと思われます」218頁

2019-06-15 05:59:58
尾上正人 @9w9w9w92

Barker, Sandra B. and Randolph T. Barker (1988) “The Human-Canine Bond: Closer Than Family Ties?” Journal of Mental Health Counseling 10, pp.46-56.

2019-06-15 10:46:55
尾上正人 @9w9w9w92

「ヴォイス(1985)は、イヌとネコの所有者の99%がペットを家族の一員と見なし、97%が少なくとも1日に1回はペットに話しかけていることを発見した」p.46. ←出典は、”Attachment of People to Companion Animals,” Veterinary Clinics of North America 15, pp.289-95.

2019-06-15 15:21:48
尾上正人 @9w9w9w92

「本研究の目的は、投影技法を用いて、ヒトの家族成員の間の関係を、ヒトとイヌの関係と比較することであった。…家族の文脈内で、人々は彼らのイヌにより近しいであろうか、それとも先行調査が示してきたようにヒトの家族成員により近しいであろうか?」p.47.

2019-06-15 15:31:29
尾上正人 @9w9w9w92

NYの1986年「ウェストミンスター・ケンネル・クラブ・ドッグショー」に来た熱心なイヌ・オーナー29人、動物病院に来た普通のオーナー40人、イヌを飼っているオハイオ・ヴァレー大学院生26人、家にイヌがいるオハイオ・ヴァレーの小学生27人と、非常に異質な調査対象者を集めた。pp.47-8.

2019-06-16 13:32:01
尾上正人 @9w9w9w92

「家族生活空間図(LSD)」の手法に基づき、家族に準えた直径5.9インチの円を真ん中に描いた紙の上に、参加者は自分や家族成員(死者は破線)やイヌを小円で記すよう指示された。「家族成員は定義されず、もし質問が出たら、参加者が家族と見なす者は何でも含めるように言われた」48-50 主観的家族論

2019-06-16 13:49:20
尾上正人 @9w9w9w92

自分と全家族成員の間の平均距離と、自分と最も近く描いた家族成員との間の距離を測り、距離を従属変数、オーナー・タイプ(熱心・普通・子ども)と関係タイプを2独立変数とするANDY A線形モデルを構成。「年齢や所有年数が増え、家族規模やイヌの数が減るほど、ヒトとイヌの関係は強まるのでは」50-1

2019-06-16 14:04:05
尾上正人 @9w9w9w92

平均距離に関するテューキーHSD検定によれば、自分とイヌの平均(8.72)と自分と平均的家族成員の平均(13.28)の間には有意な差(p<.01)があり、「イヌは平均的家族成員よりも自分に近い」p.51. これって単位は何づら? インチ? pic.twitter.com/i27OImrDU0

2019-06-16 14:13:42
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尾上正人 @9w9w9w92

「参加者の3分の1以上(38%)が、イヌを、他のいかなる家族成員よりも自分に近く置いた」p.52.

2019-06-16 14:18:11
尾上正人 @9w9w9w92

「統計的に有意な差は、自分とイヌの距離の平均について、子ども(19.7)とイヌ熱心家(5.6)の間、および子どもと普通のイヌ・オーナー(5.5)の間にも見られた」p.52.

2019-06-16 14:22:34
尾上正人 @9w9w9w92

「[ピアソンの]相関係数は、イヌの近しさといかなる層化変数[年齢・家族規模・イヌの数・今のイヌを飼っている年数]との間にも、わずかか、全く有意な結びつきがないことを示唆している」p.52.

2019-06-16 14:28:41
尾上正人 @9w9w9w92

「熱心家がなすイヌへのコミットメントの程度は、普通のイヌ・オーナーよりも、家族布置においてイヌを自分により近い場所に置くことにはなっていないことは明らかである」p.53. これは興味深い発見だな

2019-06-16 15:04:26
尾上正人 @9w9w9w92

「子どもは2つの大人集団[熱心家と通常オーナー]よりも、イヌと家族成員を自分から遠いところに置いた。これは部分的には、小学校年齢の子どもの自己中心的世界観により説明できるかもしれない…小さな子どもはペット犬への責任が少なく…ペットを親の注意・愛情のライバルと見ているのかも」p.53.

2019-06-16 15:09:34
尾上正人 @9w9w9w92

「[著者の予想に反して]イヌの所有年数の長さやオーナーの年齢は、イヌへの近しさの感情とほとんど関係がない。小さな家族規模や所有犬の少なさも、ヒトーイヌの絆の強さとほとんど関係がない」p.53.

2019-06-16 15:14:28
尾上正人 @9w9w9w92

「本研究の発見とは反対に、Psychological Todayの調査回答者はペット(イヌに限らない)を、最も近い家族成員と親戚に次ぐ、人生の3番目に重要な側面にランクづけした(Meer 1984)。これは使われたランクづけ方法により説明できるかもしれない」p.53. ←出典は、”Pet Theories,” PT, pp.60-7.

2019-06-16 15:22:28
尾上正人 @9w9w9w92

「ペットは家族のダイナミクスに、ポジティブだけでなくネガティブな影響を及ぼしているかも…ある者がイヌとの関係を通じて情緒的ニーズを満たすのは、家族関係を犠牲にしてのこととも推測される。ペット犬がある家族成員の生活の質を強化しても、なお他の成員のストレス因子になっているかも」pp53-4

2019-06-16 15:30:26
尾上正人 @9w9w9w92

「強いヒトーイヌの絆が発展すると思われる速さ…イヌの所有年数と、イヌのオーナーへの近しさとの間にはほとんど関係がなかった。ペットへの愛着(attachment)は非常に速く起きるように思われる」p.54. これが一番面白い発見だろう…愛着は共進化の歴史によって刻まれた生得的傾向なのかもしれない

2019-06-16 15:37:32
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