尾上先生の勉強風景 (26) 『家族ペット』『家畜の文化』

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尾上正人 @9w9w9w92

「栄養状態の悪い母猫から生まれた子猫には、行動や発育においてさまざまな異常があらわれることが、いくつかの研究からわかってきた。…たとえ栄養の回復をはかっても、このような発達遅延や学習能力の欠損ならびに情緒性異常のなかには…次世代まで継続するものも認められた」32-3 エピジェネかの?

2019-06-06 10:07:54
尾上正人 @9w9w9w92

「子猫は約3週齢までは…泌乳していない雌猫にも吸いつく行動を示す。これは吸乳の開始にとっても維持にとっても、乳汁という報酬が必要でないことを物語っている。…子猫が吸いついた時に乳が出る出ないにもかかわらず、哺乳行動そのものが報酬行為であることは間違いない」33-4頁

2019-06-06 10:16:44
尾上正人 @9w9w9w92

「ラットと一緒に育てられた子猫は…成猫になってもけっして同じ種類(系統)のラットを殺すことはなかった。…初期の段階でラットを自分の社会的な仲間と見なしてきた子猫では、ラットに対する社会的愛着関係が形成され、後のラットに対する捕食行動は抑制される」34-5頁

2019-06-06 10:31:18
尾上正人 @9w9w9w92

「自分の母親のすることをしっかり見つめていた子猫のほうが、知らない雌猫を観察していた子猫よりも早く行動を覚えたという。これは "模範" になる猫が観察する猫にとって親密度が高いほど社会的学習が促進されることを示唆している」35頁 親密圏の社会学!(笑)

2019-06-06 10:37:48
尾上正人 @9w9w9w92

「通常の条件づけの手順を使って、ある行動を学習させた猫よりも、他の猫のやる行動を見させた猫のほうが、早くその行動を習得できるということが体系的(系統的)な実験から証明されている」35頁

2019-06-06 10:44:59
尾上正人 @9w9w9w92

「社会的遊び行動の測定尺度と物を対象に行う遊び行動の測定尺度との間には全般的に相関性が認められず、それぞれ発達過程も異なることから、これら二つのタイプの遊び行動は、それぞれ別個に体系付けられたものであり、また別個に制御されていると考えられる」37 社会的知性と生態学的知性の違い的な

2019-06-06 11:03:00
尾上正人 @9w9w9w92

「捕食行動の発達の基礎要因として、遊び行動が必ずしも必要というわけではない…"社会的に隔離して視覚的な経験の機会を与えずに独り遊びだけさせて育てた猫"…においても、11週齢の時点で、動く偽物の獲物を与えると正常な捕食反応を示したという」37頁

2019-06-06 11:06:45
尾上正人 @9w9w9w92

「"equifinality"…まったく異なる発達過程であっても、結果的には同じ技能が獲得される…最終的にほとんどの猫は有能な捕食者になる。…初期にみられた捕食技能の個体差は、成猫になるまでには消失する」38頁 ヒトにおいて共有環境の影響が成人すると消失していくのに似てるかも

2019-06-06 11:29:09
尾上正人 @9w9w9w92

「多くの場合雌猫は他の雌猫と小さな群れをつくって…子猫たちは同じ巣穴で育てられ、ごちゃ混ぜになって自分の産んだ子猫でなくても雌猫たちは母猫と同じように世話をすることがある。…母性行動については詳細な研究がなされてきたが…大多数が、共同して子育てをするという共同保育を見落とし」47-8

2019-06-07 09:46:33
尾上正人 @9w9w9w92

「被毛に不規則な縞模様を起こさせる対立遺伝子をもたない猫(通常は黒毛の猫)は、この対立遺伝子を持つ猫に比べて、都会のような密度の高い分布状態の環境に、よりうまくなじむことができるようだ」83頁

2019-06-07 11:33:42
尾上正人 @9w9w9w92

「雄猫ではオレンジの毛色の対立遺伝子を持つことと攻撃的性格との間には関連性がうかがわれる…被毛に縞模様をもたない猫などその他一部の突然変異は、友好性や群居傾向の高さと関連性があるという」83頁

2019-06-07 11:35:48
尾上正人 @9w9w9w92

「オレンジの対立遺伝子の頻度が、被毛に不規則な縞模様を持たない猫や斑点状の縞模様を持つ猫などのようなより最近になって生じた突然変異に比べて、少なくとも都会の環境では、かなり少ない…生息密度がきわめて高い都会の環境では、乱婚制であるがゆえに、攻撃性は雄の繁殖成功とは結びつかない83-4

2019-06-07 11:39:40
尾上正人 @9w9w9w92

承前「むしろ攻撃的な雄猫は、他の雄猫を見すごすことができず、交配よりも闘争に費やす時間が長いために、実際には交配の機会を逃している…反対に、うまく交配にありついている雄猫というのは、発情中の雌猫と交配する機会を座ってじっと待っている…むき出しの肉弾戦というよりも、精子競争」84頁

2019-06-07 11:47:14
尾上正人 @9w9w9w92

(承前)「したがって、オレンジの対立遺伝子を持つ攻撃的な雄猫というのは、平均して交配の成功率が比較的低いということになるのだろう。…オレンジは古くから存在する毛色の突然変異であるにもかかわらず、その対立遺伝子の頻度の平均値が0.20(範囲0.00~0.46)」84頁 これ、めっちゃおもろいなあ

2019-06-07 11:56:15
尾上正人 @9w9w9w92

「田園地帯での猫の生息密度は都会に比べて低く、より広範囲に分散…優位な雄猫はより効率的に雌猫を独占することができ、したがって攻撃的性格は好都合となる…乱婚システムよりもむしろ、一夫多妻制…Pontier(1995)らは、田園地帯では常にオレンジの対立遺伝子頻度が多いということを示した」84頁

2019-06-07 12:01:53
尾上正人 @9w9w9w92

「染色体上で近い部位に存在…眼の色がブルーで白色の被毛を持つ猫や、さほど頻繁ではないがオレンジの眼で毛色が白色の猫は、聴覚障害を持つ場合が多い。この遺伝的な欠陥は明らかに行動に著しい影響を及ぼし、ブリーダーにとってこうした猫が "知能が低く、のろま" と見なされる原因になっている84-5

2019-06-07 12:06:56
尾上正人 @9w9w9w92

「環境の違いと個性…[ネコの]"大胆さ" とか "神経質" といった性質における違いは、社会的環境と人に触れられるといった初生期の経験の相違に直接関係があるものと思われる」85頁

2019-06-07 12:19:55
尾上正人 @9w9w9w92

「父猫の違う子猫は、その "友好性" スコアに明らかな相違が認められた。子猫は自分の父親に会ったことはなかったため、この影響には遺伝的な要因が介在しているものと思われる。…父猫から受け継がれた遺伝子は、別の経路によって間接的に行動的特性の違いを生みだしたという可能性が高い」86頁

2019-06-07 12:23:00
尾上正人 @9w9w9w92

「においによるシグナルに依存した場合、伝えたい内容をある一定の方向に発信することが難しい…という点と、においの跡は思いどおりに消すことができないため受け取る側を限定することが難しい…この二つの欠点が、においに含まれる情報の利己的利用につながる」[←ドーキンズ&クレブズ]103頁

2019-06-08 06:23:54
尾上正人 @9w9w9w92

「イエネコの場合、その多くは野生の猫種に比べて数段高い密度のなかで生活しており…家畜化の過程でにおいによるコミュニケーションに変化が加わった可能性…においを使って情報を交換するだけでなく、群れや集団に特異的なにおいをつくるためににおいを交換しあっているものと考えられる」103頁

2019-06-08 06:26:37
尾上正人 @9w9w9w92

「においの強さにも関係するこの尿中のフェリニンの量というのは、間違いなく雄猫が質の高い食物にありついていることを示すものであり、(雌に対する)交配相手として、また(雄に対しては)競争相手としての適応度を示す ”正直な” シグナルということになる」104頁 ザハヴィが引用されてる

2019-06-08 06:34:06
尾上正人 @9w9w9w92

「爪とぎ行動には前肢の爪をととのえる役目があることは間違いないが、これによって必然的に掌部にある腺(指間腺)のにおいがつくことにもなる…多くの場合同じ所を何度もひっかくため、目で見てはっきりわかるような跡が残る。これはにおいの情報に注意を向けさせるためのものと思われる」105頁

2019-06-08 06:39:46
尾上正人 @9w9w9w92

「避妊をしていない雌猫のこすりつけによるにおいの跡には、発情周期に関する情報が含まれている。これは雄猫が興味を示す度合いからもうかがえる」106頁

2019-06-08 12:55:02
尾上正人 @9w9w9w92

「イエネコには成猫になっても人に対して子猫のようなふるまい方をする能力を持つように(文化的もしくは遺伝的に)進化してきたということがうかがわれる(幼形成熟-neoteny)」129頁 ここはイヌとおんなじやね

2019-06-08 18:11:24
尾上正人 @9w9w9w92

「[ネコ科の中で]成獣の雄が群れで生活するのはチーター(Acinonyx jubatus)とライオンだけであり、雌が共同生活を営むのはライオンとイエネコだけである」137頁

2019-06-08 20:09:39
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