尾上先生の勉強風景 (26) 『家族ペット』『家畜の文化』

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尾上正人 @9w9w9w92

「雌の成猫が協同する場合、そこには血統的なつながり(家系)が関与しており、これが猫社会の構築要素となる。…雌猫は自分たちの家計のなかでは頻繁に交流するが、家系の異なる猫同士の交流はずっと少ない」142-3頁

2019-06-09 09:13:38
尾上正人 @9w9w9w92

「Beecher(1991)の報告によれば、群居性の鳥では親ー子の認識が十分に発達しているが、非群居性の鳥ではそうした認識が欠けているか、弱いという。…おそらく、比較的長年に渡るライオンの群居生活のなかで、血縁関係にある動物をうまく認識するための淘汰がなされてきたものと思われる」150頁

2019-06-10 05:13:51
尾上正人 @9w9w9w92

「近年の分子生物学的研究からは、猫免疫不全ウイルスがイエネコに病原性をもたらすようになったのは、ごく最近であるということが示唆されている…家畜化によって猫の社会行動が変わり、生育密度の高い群居生活を営むようになったために、伝染率が高まった」155頁

2019-06-10 05:27:42
尾上正人 @9w9w9w92

「猫は歴史的に長い時代を人とともに生活してきたとはいえ、今でもなお野生の状態に戻る能力を備えている。猫は家畜動物として特殊な身分を大いに享受している動物といえる。猫はほとんど人の手によって選抜がなされてこなかったし、多くの場合その行動にも完全な自由が与えられている」168頁

2019-06-10 05:48:06
尾上正人 @9w9w9w92

「おそらく狩猟行動そのものは生得的欲求であり、食物への欲求とは別に、猫はその欲求を満足させようと努力しているわけである」175頁

2019-06-10 06:13:37
尾上正人 @9w9w9w92

「平均値では雄の行動圏は雌に比べて3倍も大きい。エネルギーの消費からみると、この増加度は雌の体重の4倍以上に相当…雄が雌の1.5倍以上体重がある…ということはめったにないことを考えると…食糧が雄の行動圏大きさの、少なくとも直接の決定要因ではない…雄は雌に近付くために最大限の努力」177

2019-06-10 12:05:07
尾上正人 @9w9w9w92

「ライオンはこのような[ネコ科一般の]パターンから著しく逸脱した真に社会的な動物であり、血縁関係にある雌どうしが群れをつくって生活している。…イエネコはかなり融通性があり、単独生活もできれば群居生活もおくることができる動物であるが…食物の分布状況と相関があると思われる」180頁

2019-06-10 12:31:15
尾上正人 @9w9w9w92

「ライオンの場合には、よそ者の雌ライオンはプライドをつくっている雌ライオンによって追い払われるが、雄ライオンは追い払われることはない。さらにいえば、雄ライオンのほうが雄猫に比べてもっと雌ライオンの群れに寄生しやすい」185頁

2019-06-10 12:45:02
尾上正人 @9w9w9w92

「繁殖期以外の時期では、雄にしても雌にしても食糧がもっとも重要な資源となり、雌雄ともに同じ様な空間パターンが推測できる。繁殖期では、雌にとっては食糧が相変らずもっとも重要な資源であり…繁殖雄にとってもっとも重要な資源は受容可能な雌」186頁

2019-06-10 12:51:58
尾上正人 @9w9w9w92

「集団の大きさにともなって直接対決の度合いが減少してくる…あからさまに攻撃し合うことがなく、優位性と交配成功率との相関が保たれる理由としては、競争のほとんどが精子のレベルで起こるのか、あるいはその状況がひどく人為的で…それに適応するための時間が猫には十分になかった」194頁

2019-06-10 13:24:55
尾上正人 @9w9w9w92

「発情期の4〜5日目では、雌の後尾は(24時間で15〜20回と)頻回に認められる」194頁

2019-06-10 13:27:32
尾上正人 @9w9w9w92

「猫の基本的な交尾行動は家畜化によってそれほど変化してはおらず、単に人の干渉によってつくられた新しい環境に適応する際に猫が表現型の可塑性を示しているにすぎないものと思われる」195頁

2019-06-10 13:30:48
尾上正人 @9w9w9w92

「(豊富で予測可能な食糧源による)高い生育密度と集団での採食が可能となる食糧源の刷新速度という点で[ライオンとイエネコは]一致する。なぜ、ライオンとイエネコが[ネコ科の中では例外的に]群れをつくって生活するかという理由は、いうなればさほど異なるものではないように思われる」197頁

2019-06-10 13:41:43
尾上正人 @9w9w9w92

「ネコ科動物を全体的に見ると、行動圏の大きさの雄対雌の平均比は2.0であった…繁殖期以外では、雄と雌の空間構成に顕著な相違はほとんど認められなかった」197頁

2019-06-10 13:44:41
尾上正人 @9w9w9w92

「獲物を捕らえることと殺すこと、食べてしまうことは…それぞれ独立したもの…猫の場合には肉をたらふく食べた直後でも狩猟に出かける姿が頻繁に観察されている。…猫は機会のあるごとに小型のげっ歯類を捕らえながら…少ない食糧のために頻繁に狩猟するように進化してきたという事実につながる」227

2019-06-10 17:47:13
尾上正人 @9w9w9w92

「猫の発祥の地がアフリカあるいは西アジアにあるということを信じるに足る理由として、語源的なもの…英語ではcat、フランス語ではchat、ドイツ語ではKatze、スペイン語ではgato、4世紀のラテン語ではcattus、近代アラビア語ではquttah、いずれの言葉もヌビア語でネコをあらわすKadizから派生」251-2

2019-06-10 18:31:06
尾上正人 @9w9w9w92

「猫が[Bökönyiの定義する繁殖規制を含む]本当の意味で家畜化されたのは、たかだかここ150年の間にすぎない」252頁

2019-06-10 18:39:40
尾上正人 @9w9w9w92

「猫の家畜化の過程で人はもっと積極的な役割を果たしてきたのかもしれない…ヒロキチア遺跡の発見…有史前に地中海沿岸に住んでいた人たちは、早くも6,000年前にはすでにヤマネコの子猫を捕らえて飼いならし、航海に連れ出していた可能性がある」253頁 6000年前で「有史前」?

2019-06-10 18:45:41
尾上正人 @9w9w9w92

「一般的な考えとは逆に、おとなしい野生動物をペットとして飼いならすという習慣は、農業が始まる前から古来の習慣として存在していたものと思われる。ペットを飼うという習慣は世界中の狩猟採集生活をおくる人々の間では広く認められており…」253頁

2019-06-10 18:48:13
尾上正人 @9w9w9w92

「Herodotusが現在よく知られている雄猫の子殺しを記録した最初の人であったことは確かである。…”雌猫が出産すると、もう雄猫には近付こうとせず、雄猫が交尾をしたがっても、そうはさせない。したがって雄猫は以下のような策略をはかる。雄猫は母猫から子猫を盗み去って、子猫を殺す”」257-8頁 ぉぉ

2019-06-10 19:35:46
尾上正人 @9w9w9w92

「エジプト人は他の国に猫が広まることを一般に禁止しており、猫の輸出は違法とされていた。エジプト人は特殊要員を地中海沿岸の隣接域に派遣し、海外に密輸された猫を買い戻し送還することも辞さなかった」258頁

2019-06-10 20:24:24
尾上正人 @9w9w9w92

「この時期[紀元前500年頃]、猫はまだ一般的な動物ではなく、実用目的というよりも主に珍しさゆえの飼育であった。ネズミなどによる被害があった場合には、ギリシャでもローマでも猫よりもむしろ家畜化されたスカンクやフェレットが使われていた」259頁

2019-06-10 20:29:47
尾上正人 @9w9w9w92

「猫が新しい地域で定着できたのは、船の生活に猫がうまく順応できたからだとTodd(1977)は指摘している」259頁 エマヌエルではないトッド

2019-06-10 20:33:31
尾上正人 @9w9w9w92

「多神教の神々や女神への信仰がしだいに消滅し、キリスト教が生まれ広まることによって、ヨーロッパ中で猫に対する態度が劇的に変化…多産や性的能力、母性といったもともと善行的なシンボルであったものが一変して、邪悪な悪魔、悪魔の使い、魔女や魔術師の背信的相棒…まったく正反対のものに」260

2019-06-10 20:37:33
尾上正人 @9w9w9w92

「猫に対して強い敵意を抱くというこうした考え方には、女性不信(misogyny)という強力な要素が後ろ盾となっていた」262頁

2019-06-10 20:44:42
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