関西日本語ミニ講座

愛宮由姫呼（関西日本語たん） @Kansai_jpn_tan

☆未然形☆ いささか古風な言い回しですが... 0.濃かろう 1.うまかろう 2.もみなかろう（不味かろう） 3.面白かろう これらのアクセントは、連用形の強勢形に似ています。 0. HHH-L 1. HHHH-L 2. HHHHH-L 3.HHHHHH-L 「ば」以外、ぜんぶHなので簡単ですね（笑）

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☆おいしい☆ 「おいしい」の発音は、例外中の例外です。 でも、そんなに難しくはないのでご安心ください^^ ・おいしかろう →LLLLH-L ・おいしかった →LLHLL-L ・おいしく →LLHL ・おいしい →LLHL ・おいしければ →LLHLL-L 最初の２音が他と違うだけですね😃

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☆まとめ問題☆ 関西のアクセントで読んでみましょう。 (1)おもろい落語家や (2)これ、ものすごうおいしいで！ (3)地球は青かった ヒント： 落語家LLLH やL これHH でL 地球LLH 今日のレッスンはここまでです。 ～次回予告～ 動詞の基礎と、助動詞「へん」ついて解説します^^ (計8ツイート)

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【ミニ講座・レッスン④～動詞の基礎～】 動詞のアクセントは大きく分けて２種類あります。 ・HH、HHH、HHHH、HHHHH（焼く、膨らむ　など） ・LH、LLH、LLLH、LLLLH（勝つ、ひっかく　など） とりあえず、例の辞書に沿うて 前者を「近畿型」、後者を「九州型」 と呼び分けることにします。

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☆否定形☆ 関西日本語には、２種類の否定形があります。 ・膨らまん ・膨らまへん "ん"はもちろん共通語"ぬ"の変形です。 "へん"は関西独自の助動詞で、"ん"よりも話し言葉チックな感じですね。こちらは、ちょっと特殊なアクセントで発音されます。"へん"については、後ほどくわしく...

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☆膨らまん☆ "ん"を付けても、全体のアクセントの形は変化しません。 ・　膨らむHHHH→　膨らまんHHHHH ・ひっかくLLLH→ひっかかんLLLLH 音の数が変わっても、大まかな形は変わってませんね。 （※膨らまんHHHLL、ひっかかんLLHLLというのもあります。これについては"へん"と一緒に説明します）

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☆膨らませる・膨らまれる☆ "ん"に限らず、 「未然形＋助動詞」 の場合、全体のアクセントの形は基本形のままです。 例 ・膨らませるHHHHHH ・膨らまれるHHHHHH ・ひっかかせるLLLLLH ・ひっかかれるLLLLLH （せんど言うように、"へん"だけちょっと違います）

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☆膨らまへん☆ "ん"と"へん"を比較してみましょう。 〈近畿型〉 ・膨らま-　ん→HHHH- H ・膨らま-へん→HHHL-LL 〈九州型〉 ・ひっかか-　ん→LLLL- H ・ひっかか-へん→LLHL-LL

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近畿型は、最後の三音がLLLに 九州型は、後ろから四番目(二音の動詞は三番目)がHに ...と頭で覚えるより、練習して体得した方が早いかも😅 ちなみに、"膨らまへん"のアクセントで"膨らまん"ということもできるんです。 例 ・膨らまん→HHHL-L ・ひっかかん→LLHL-L

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☆出えへん☆ 「出るLH」「寝るHH」などの場合を考えてみましょう。 ・でH＋へんLL にして、後ろから四番目をHに... 四番目がありませんよね（^^; 未然形が1音になってしまう場合は、伸ばしてHLにします。 ・出えへんHL-LL ・寝えへんHL-LL レッスン②の声調に、ちょっと似てますね。

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☆飽きひん☆ 未然形がイ段で終わっている場合は、「へん」を「ひん」に変えることが多いです。 ・飽きるLLH→飽きひんLH-LL ・借りるHHH→借りひんHL-LL ※ただし、三重県など、"飽きへん"、"借りへん"が主流の地域もあります。

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☆あらへん☆ 関西日本語の大きな特色で、 「ある」を否定形にすることができます。 「ある」の反対なので、「無い」という意味です。 「ある」は三音の九州型やから、へんを付けると、後ろから三番目の音がHになって ・あらへんLH-LL となります。 例 ・そんなことあらへんよ ・どこにもあらへんで

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☆大阪弁の場合☆ 東京日本語に江戸弁や山の手弁などの方言があるように、 関西日本語にも、大阪弁や京都弁などの方言があります。 大阪の方言などでは、「へん」を付けると、語幹の最後の音がエ段に変わる現象が起こります。 ・膨らまへん→膨らめへん ・ひっかかへん→ひっかけへん

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☆まとめ問題☆ (1)そんなこと、よう言わんで！ (2)もう食べられへんねん。(ちょっと難問) 答え合わせはリプ欄で。 ヒント： そんなHHH ことHL ようHH 言うHH(近畿型) でL もうHH 食べるLLH(九州型) ねんLL 次回はいよいよ最終回。動詞の活用形を使いこなしましょう！ (計11ツイート)

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【ミニ講座・最終回～動詞の応用～】 学校の授業では、 「過去の"た"は連用形接続」 と習うと思います。 でも、"た"を付けるのと付けへんのとでは、アクセントが異なるんです。 そこで、ここでは ・過去形 ・連用形 を別々に見ていこうと思います。

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☆過去形☆ ・ふくらむHHHH ・ひっかくLLLH 過去形は ・ふくらんだHHHL-L ・ひっかいたLLHL-L 基本的には、 ・近畿型は語幹の最後がLになる ・九州型はHの位置が一つ前にずれる です。(例外あり) ・ふくらんでHHHL-L ・ひっかいてLLHL-L も同様です。 日本語学校では、これを "テ形" と呼びます。

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～例外２～ ・食べるLLH(一段活用・三音・九州型) ・刺すLH(五段活用・二音・九州型) これを過去形にすると、 ・食べたLH-L ・刺したLL-H となります。 (本則通りのHL-Lではないので、注意してね！)

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～語幹が一音の場合～ ・寝るHH ・見るLH 語幹が一音になってしまう場合は、とても簡単です。 ・寝たHL ・見たHL アクセント型にかかわらず、HLにすればOKです😃

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☆連用形☆ 連用形のアクセントは、基本形と同じです。 [近畿型] ・ふくらみ-たいHHHH-LL ・ふくらみ-そうやHHHH-HLL （"たい"はLL、"そうや"はHLLです。）

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～例外１～ ・もどすHHH ・はなつHHH ・まさるHHH これを過去形にすると、 ・もどしたHLL-L ・はなったHLL-L ・まさったHLL-L となります。 「三音」 かつ 「近畿型」 かつ 「サ行・タ行・ラ行の五段活用」 という三つの条件がそろうとHLL-Lになる、と覚えといてくださいね。

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[九州型] 九州型は、助動詞の影響で変化することがあります。 ・ひっかき-たいLLLH-LL ・ひっかき-そうやLLLL-HLL "そうや"を接続すると、レッスン①に出てきた 「遅上がり」 が起きて、LLLLに変化します。

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～LHの助動詞～ もっとシンプルでわかりやすいのが、 "ます"や"はる"など、LHのアクセントを持つ助動詞です。 ・ふくらみ-ます ・ひっかき-ます

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単純につなげれば ・*HHHH-LH ・*LLLH-LH ですよね。 でも、LHの助動詞を接続する場合、 「全体が、一つの動詞のようなアクセント型」 になろうとする法則があります。 なので、もっと単純に ・HHHH-HH（近畿型と同じ） ・LLLL-LH（九州型と同じ） でオーケーです。