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pascal_syan
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「わっ……!」 無事だった方のチームメイトが、チャージャーが放ったインクに足を取られてしまった。照準が彼の方へ向く……! チャージャーがトリガーを放すのと、オクトーが傘を開くのが、同時に重なった。狙い澄ました一撃が、傘によって遮られてしまった。 「やるじゃんか」 ぽつりと呟く。
2019-09-08 17:35:39![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
だが、傘の耐久性にも限度がある。フルチャージの火力はかなり高い。傘の回復には時間がかかる。今のうちにあと何撃か加えれば、傘が破れるだろう。 「もらった!」 「……!」 カーボンローラーが、オクトーの前に突如躍り出た。高速の振りをお見舞い。堅牢な傘が破られてしまった!
2019-09-08 17:38:58![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
すかさずもう一撃お見舞いし 「てやっっっるぁぁぁっ!?」 足元に衝撃。突如、視界が横倒しになる。足払いをされて倒れた、ということを理解する前に、脇腹に銃口が突きつけられた。 「ぎゃっ……!」 カーボンローラー、撃沈。
2019-09-08 18:00:51![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「うわ、なんじゃありゃ…」 突如披露されたオクトーの体術に驚きながらも、次の手を繰り出そうとする。 傘の復活までには時間がかかる。今がチャンスだ! だが。 オクトーの両手には、巨大な装置が握られている。彼はそれを、力一杯放り投げた。 チャージャーのいる高台には届かず、麓で砕け散る。
2019-09-08 18:10:50![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
装置の中から、霧状のインクが立ち込める。霧は天井すれすれのところで、雲を形成し、自インクの色の雨を降らせはじめた。雨雲はゆっくりと敵陣の高台のほうへ進んでいく。 「くそっ……」 長い間浴び続ければ、こちらがやられてしまう。チャージャーはやむ無く退いていった。
2019-09-08 18:13:49![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
スペシャルウェポン「アメフラシ」。自インクの雨を降らせることで、敵の行動を制限させることができる。遥か上空から降る雨は、高台にいる敵を退かせるのにうってつけだ。インクの雨を浴びてしまった敵に追い討ちをかける、といった使い方もできる。
2019-09-08 18:16:07![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
チャージャーは退いたが、最初に倒したボールド7と赤ザップが前線に帰ってきた。塗り状況は五分五分。だが、彼らの塗り能力は高い。処理しておくのが吉だ。 「よくもさっきはやりやがったな!」 「……出向く手間が省けた」 その声色は、呆れ半分。
2019-09-08 18:19:34![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「傘が無い!いけるよ、ねーちゃん!」 珍しく弟がやる気だ。 「よっしゃあ!ケツ穴にインクぶちこんでやるぜ!!!」 姉はもっともっとやる気だ。 お得意の雷神ステップ。やるだろうと分かっているとはいえ、やはり翻弄されてしまうオクトー。 「速い……!」
2019-09-08 18:25:15![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
射撃は当たるが、クリーンヒットせず。あっという間に距離を詰められてしまう。 「地獄に落ちな!」 ほぼゼロ距離、ボールドにとってそれは、神の領域。このまま一気に…… 響く金属音。 逸れる照準、逸れる弾丸。 弾丸の行く先は、プロペラ装置。
2019-09-08 18:28:10![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
プロペラ装置が回り、その周囲の足場が浮上した。オクトーは二人の敵を置いたまま、上昇。 「はあ!?」 傘の柄で銃口を薙ぎ払い、照準をずらした。それだけのこと。だが、常識外の行動。あっけにとられる背中に、新たな銃口が向けられる。 「同ジ失敗、ヨクナイ。学習ナノネ!」
2019-09-08 18:35:30![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ねーちゃん、後ろ!」 流石に弟は学習したようだが、何かする前に撃沈。 「あんたも後ろに気をつけな!」 さらに、ヨーコの背後。いつの間にか帰ってきていたカーボンローラー、 「忠告、アリガトデース!」 その背後に回り込むようにスライドして、返り討ち。
2019-09-08 18:38:48![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
二人の仇を討ちに行ってもいいが、今ヨーコに襲いかかれば、背後からオクトーがやってくるだろう。その頃には、オクトーの傘も戻っているかも。となれば不利だ。ならば…… 「カモン!」 味方チャージャーからのシグナル。そうだ、彼女は前線より少し後ろにいる。
2019-09-08 18:41:51![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「あばよ!」 スーパージャンプでチャージャーの元へ退却。 「ナイス、ありがとよ!」 「どいたま~」 適当に返事をしながら、装置を構える。ウォーターカッターを模したそれは、スペシャルウェポン「ハイパープレッサー」だ!
2019-09-08 18:47:30![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「リーダー、もっかい突っ込んでくれます?」 「了解、援護しなッ!」 姉が、高台から飛び降りる。 「ショーコリ、ナイノネ!」 それを迎撃しようとするヨーコ。 このままでは、また姉がやられてしまうが…… 高台から、強烈なインクのビームが放たれる!
2019-09-08 18:50:08![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「クッ……!」 レーザーはヨーコを狙い、右へ左へ。思うように動けないところを、姉がさらに追い回す。 しかもこのレーザー、動きが非常に巧妙だ。ヨーコひとりだけを狙っているように見えて、オクトーも対象に入れている。姉の方に敵を寄せつけないよう、うまく操作しているのだ。
2019-09-08 18:53:59![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ハイパープレッサーの制限時間が終わった頃には、中央エリアがだいぶ塗り返されてしまった。 「あいつ、すげーな……」 姉は呟く。ナワバリバトルのランク(レベルのようなもの)が異様に低くて心配していたが、手練れだったなんて。嬉しい誤算である。
2019-09-08 19:16:46![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
弟とカーボンが前線に戻ってきた。弟は相変わらずビビリ。敵に追い回されて泣いている。カーボンのほうは、隠れることにおいては右に出るものはいないだろう。うまくサポートしてくれるはずだ。 いける、いけるぞ! だが、そう思ったときこそ、敵の思うツボなのだ!
2019-09-08 20:18:15![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「あのチャージャーを叩こう」 オクトーの提案。 「リョーカイデス!」 「下は任せてください」 他のチームメイトも賛同した。 「レッツゴー、ネ!」 プロペラ装置を回して、オクトーと共に敵陣へ。 「来るぞ!」 「はいよー」
2019-09-08 20:59:27![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
足場が浮上しきるタイミングに合わせ、フルチャージ。照準をあわせようとする。だが、ヨーコのカーリングが邪魔をする。一旦横へ避けて、照準の合わせなおし。どっちを狙うか。オクトーか、ヨーコか…… 「あたいに任せな!」 姉がヨーコのほうへ行った。ならば、自分はオクトーだ。
2019-09-08 21:05:00![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
正直、助かる。マニューバーは回避し放題だから、狙いづらい。オクトーの傘を捉えた瞬間、トリガーを離す。当たった。もう一発かませば傘を破れる……! だが、嫌な予感がした。追撃をやめる。ぱしゅ、という音がした。 なんと、傘が柄から分離して、こちらに迫ってきた!
2019-09-08 21:08:23![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
スパイガジェット以外のシェルターには、「パージ」という機能がある。傘部分を分離し、前進させる。移動する盾だ。インクを塗りながら進むので、固い盾の後ろを追うようにして突撃することができる。
2019-09-08 21:10:45![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
それに、パージ後の盾は耐久性が増す。あと一撃かませばいいとはいえ、チャージしている間に近づかれてしまう。実際、来た。だから傘は嫌いなんだ。オクトーが、姿を現した。近い! だが、その行動は読めていた。足元にスプラッシュボムを転がす。今は盾なしだ、うまいこと食らってくれれば……
2019-09-08 21:13:06![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
こん、という音がした。スプラッシュボムがあらぬ方向へ飛んでいく。傘の柄で弾いたのだ! 「うっそぉ……」 こうなりゃヤケクソだ。チャージャーは、フルチャージせずとも発射はできる。威力も射程も貧相だが、乱射して当てまくれば倒せないこともない……!
2019-09-08 21:16:20![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
オクトーの散弾をうまくかわしながら、やぶれかぶれ、射撃を少しずつ食らわせようとする。だが、相手も手練れだ。あっちもうまくかわしてしまう。それどころか、少しずつ近づいてくる……! どん、と、背中に何かが当たる。……壁だ。とうとう追い詰められたか。
2019-09-08 21:18:57![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ははっ、降参だ……やるねえ」 「お前もな」 額に銃口を突きつけて、一撃。 一方ボールド姉はというと、激しい銃撃戦。カーリングやらスライドやら、ちょこまかちょこまか動きながら、隙あらば射程差を活かして倒そうとしてくる。銃撃戦なんて言ったが、実際は耐久戦だ。
2019-09-08 21:52:43