実質的な財政ファイナンスとしての現代通貨制度、および中央銀行の権能と役割

現代通貨制度の実質的な財政ファイナンス構造を確認し、また中央銀行の経緯と権能の本質についても考察しました。
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浅草のダンナ_謎ラベル @MaxRyu

@motidukinoyoru これは極端な例ですが。 理性的な経済政策を行えると言う意味では、「政府の経済政策権を奪う或いは裁量比重を日銀に移動させる事」だって視野に入りますよね? ポピュリズムによって選ばれた議員による経済政策を許さないって意味で。 (あくまで例え) twitter.com/MaxRyu/status/…

2019-11-03 12:49:56
浅草のダンナ_謎ラベル @MaxRyu

@motidukinoyoru 間接民主制の為、政策が彼らによって施されるのは1側面で正しい。 しかし民主主義とは本質的に国民の誤りをも認める為、ポピュリズム政権を生む可能性も高い(国民レベルの問題) 故に、権限を政府・中銀で折半するのが、本来的な中銀の存在意義で、これこそ国民が安心できる制度だと思いますがね。

2019-11-03 12:55:45
浅草のダンナ_謎ラベル @MaxRyu

@motidukinoyoru この辺り「民主主義は『国民は愚かである』『しかしその愚かさを飲み込み専制よりはマシな制度』である」との前提に立った場合に、経済を「全て民主主義に任せてよいのか?」と言う、「民主主義の課題」だと思いますけどね。 twitter.com/MaxRyu/status/…

2019-11-03 13:36:27
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 議論を進める前にまず、「中央銀行の目的」について整理します。 これは実は一筋縄ではいかない問題で、少なくとも「政府の暴走的経済政策を抑制する」などといった単純化は不適切と考えます。 長くなりますが、以下に論じます。

2019-11-03 23:06:09
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 釈迦に説法かと思いますが、現代に通ずる中央銀行システムの萌芽が生じたのは、第2次百年戦争に呼応して設立されたイングランド銀行です。 これは明らかに政府の銀行、財政的戦費調達の機構として確立したものでした。

2019-11-03 23:06:32
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 中央銀行の財政的側面(政府の銀行としての中央銀行の機能)は、このイングランド銀行黎明期より始まり、今の中央銀行にも一貫しています。 ただ、注意すべきなのは、中央銀行誕生によって初めて政府に通貨発行機能が生まれた””というわけではない””ということです。

2019-11-03 23:07:08
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu よく知られているように、中央銀行以前から、政府はソブリンマネーといって、金属鋳造貨幣を作ることができました。 これもよく知られていることですが、こうした政府コインの価値は、必ずしもコインの金属価値とは一致しませんでした。(この意味で、いわゆる金属主義は実証的に棄却される)

2019-11-03 23:07:50
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu というのも、政府コイン(ソブリンマネー)の価値は、発行者の信用力(特に発行者の”受領”=徴税の実態)に依存しており、発行者=政府の信用が確立すればするほど、コインの材質価値とは無関係になっていくからです。(裏を返せば、発行者の信用力等に疑問符がつけば素材価値への収斂が生じますが)

2019-11-03 23:09:15
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu こうして、政府は材質とは本質的に無関係の通貨発行機能を中央銀行以前に既に得ていたのですが、金属を用いるという経路依存的な慣習により、ある種の自縄自縛に陥っていたのが、第2次百年戦争時のイギリスだったわけです。

2019-11-03 23:09:35
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 本来、財政的余地は、本質的には人員や食料といった戦略資源に制約されるものであるにも関わらず、決済手段として用いる通貨の素材の枯渇という、非本質的な制約に直面していました。

2019-11-03 23:09:46
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu これは紙幣経済で例えると、印刷機が壊れたから財政支出ができなくなるみたいな話で、それが馬鹿げた自縄自縛であることは現代的価値観を持つ我々からは明らかと思われますが、実際に当時は大問題になり、中央銀行の”発明”によってようやく解決されたわけです。

2019-11-03 23:10:11
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu とにかく、政府が通貨の発行者であるということは、ソブリンマネーの時代(中央銀行以前)からの継続事項で、それが中央銀行の発行証書(紙幣)へと実質的にバトンタッチしたに過ぎません。 ここで重要なのは、これにより、既存の銀行システムとソブリンマネーが紐づけられたことです。

2019-11-03 23:10:32
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 中央銀行の”発明”を通じて、ソブリンマネーと(既に発達してきていた)銀行システムが紐づけられたことで、ある意味では『派生』的に、銀行間決済の円滑化、銀行間決済における適宜の信用供与、あるいは最後の貸し手といった、現代に通ずる中央銀行の役割が可能となっていきました。

2019-11-03 23:11:00
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 注意すべきなのは、中央銀行がこうした現代に通ずる権能を得たのは、政府-中央銀行 [統合政府] というシステムが、「ソブリンマネーと銀行システムの接続」という構造を持っているからで、この意味で中央銀行は、政府(財政)と切り離すことはできないということです。

2019-11-03 23:11:46
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu さて、米連邦準備制度は、イングランド銀行とは異なり、中央銀行の派生的権能である金融(決済)安定化を期待して設立されました。 とはいえ、金融安定化という『派生』的権能が、ソブリンマネーと銀行システムの接続という本質的構造から生じていることは既に論じた通りです。

2019-11-03 23:12:10
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu このことを示唆するのが、世界同時金融危機におけるバーナンキFRBの対応でした。 バーナンキの回顧録に逐一論じられているように、危機対応に際して、陰に陽に米財務省の介入が必要とされました。 リーマンが破綻してしまったのは、米財務省の救済判断が遅れたからだとまで彼は書いている。

2019-11-03 23:12:45
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 「中央銀行が独立した通貨発行者」という通俗的理解だと、こうした世界同時金融危機におけるFRBの”機能限界”を理解するのは難しいでしょう。 この意味で、中央銀行の権能に関する通俗的な誤解は、見直されなくてはなりません。

2019-11-03 23:13:03
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 中央銀行は結局のところ、ソブリンマネーと銀行システムの接続という構造の中のごく一部を担当するに過ぎないということに注意しなくてはいけません。

2019-11-03 23:13:29
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 中央銀行が実際に出来るのは、資産の一時的な(現金)両替や、一時的な流動性の”貸与”といったところで、政府(財政)のような、潜在的に徴税権を見合いにした純負債発行による支出、救済は出来ないのです。

2019-11-03 23:13:34
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 中央銀行は、支配的な通貨発行者ではなく、せいぜい政府(財政)との共同通貨管理者といったところが実際のところでしょう。 歴史的経緯から見ても、実際の権能から見ても、中央銀行と財政を切り離すのは、不適切かつ不可能というわけです。

2019-11-03 23:13:53
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 最後に、日本銀行創立の経緯についても軽く触れておきましょう。よく知られているように、日本銀行は、日本が金本位制へとコミットするにあたって、その管理者としての機能が期待されて設立されました。

2019-11-03 23:14:10
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 金本位制のような国際決済システムの存在下では、中央銀行はいわば窓口としての機能を要求されるわけです。 とはいえ、既に確認した通り、中央銀行は政府との共同通貨管理者に過ぎません。

2019-11-03 23:14:46
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu そうした中で、中央銀行が金本位制との窓口を務めるにあたり、財政的協力は必要不可欠だったことは想像に難くありません。 このような文脈で行われたのが松方財政といわれる緊縮財政、いわゆる松方デフレであったわけです。

2019-11-03 23:14:58
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu 長々となって恐縮ですが、中央銀行が独立的な通貨・金融管理を行うといったって、せいぜい短期的手続きを『官僚的に』行えるといった程度の話であって、少なからぬ場面で政府、財政、議会へと依存せざるを得ないのが現実です。

2019-11-03 23:15:12
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@MaxRyu ただ、だからといって中央銀行が丸っきり無意味かというと、そういうわけではありません。 中央銀行は、限界がありながらも、決済安定化のための様々な業務(日銀ネット、当座貸越、補完貸付……)に取り組み、また金融危機時の即応が期待されているわけです。

2019-11-03 23:15:27