小学校の算数では倍数の導入時にゼロを含めていない。高校数学以後ではゼロを含めるのに、あえて異なる定義にするメリット/デメリットは?

いろいろ学びがあったので、まとめてみました。
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takehikom @takehikom

@aoki_taichi @flute23432 昭和33年の小学校学習指導要領の算数 nier.go.jp/guideline/s33e… に「倍数,約数の指導は,分数の計算に必要な程度にとどめること。」というのが入っています。倍数・約数が先で約分・通分が後なのと、「5分の3に等しい分数」の件は、啓林館の算数教科書を参照しています

2019-11-19 22:43:36
Taichi AOKI @aoki_taichi

@takehikom @flute23432 なるほど、通分の導入の準備として「ある分数の分子と分母のそれぞれについて、同じ数をかけた倍数に置き換えても、もとの分数と等しい」という説明をしたいがために、倍数にゼロを含まないのですね。 ("同じ数"の直前に"ゼロ以外の"を追記すればいいだけとも思いますが、)たしかに一理ありますね。

2019-11-19 23:51:44
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi 現在の中学教科書は、正負の数の章から始まります。教科書には、倍数・約数の概念は頻繁に現れますが、とくにそれらを取り上げた章はありません。倍数・約数の定義は小学校のままだと考えられます。

2019-11-19 22:49:14
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi 「a.最小公倍数の説明がややこしくなるから?」 通常言われるのが、この理由です。もちろん、最小公倍数を「公倍数のうちゼロを除いて最小のもの」と定義すればいい、という反論があります。倍数と最小公倍数のどちらかで、除外のただし書きが必要になります。

2019-11-19 22:49:21
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi 「b.ある数nの倍数にとって、nは約数である」って言えなくなるから? 小学校では、約数と倍数は5年の教科書の同じ章に出てきますが、約数と倍数を互いに他によって定義する、高校教科書・大学整数論やユークリッド『幾何学原論』に見られる方式をとっていません

2019-11-19 22:49:29
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi 倍数はかけ算で、約数はわり算で定義されています。倍数は自然数(正の整数)の自然数倍です。約数はある自然数を割りきることができる自然数です。ですので、倍数にゼロを含めることで、約数の定義に問題が生ずることはありません。

2019-11-19 22:49:36
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi 「c.nの倍数なのに、nより小さくなるのが児童に混乱を招く?」 ユークリッドでは、倍数はその数の2倍から始まり、それ自身の数を含んでいなかった、と思われます。そうだとすると、たとえば、2の最初の倍数は4です。というのも、倍数はもとの数より大きい、と言われているからです。

2019-11-19 22:49:46
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi しかし、過去現在の算数教科書では、ある数の倍数は1倍のその数そのものから始まりますので、倍数はもとの数より必ず大きいというわけではありません。0.5を掛けると半分になること、ゼロをかけてもゼロ、ゼロにかけてもゼロになることは、5年で倍数を学ぶ前に、学習済みです。

2019-11-19 22:49:54
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi これらの点を見る限り、たしかに、ゼロを含めても、混乱を招かないと思います。デメリットはあまりないと言えます。

2019-11-19 22:50:59
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi 小学校で、倍数にゼロを含まないのは、やはり、偶数・奇数、倍数・約数、素数といった概念を扱う数論は、ゼロも負の数も知らなかった古代ギリシア時代に発達したから、その伝統を継承しているという面が大きいと思います。

2019-11-19 22:51:07
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi Wikipediaの「倍数」の項を見ると、負の数に倍数を拡張しても、あまり意味がないようなことが書いてあります。小学校で、倍数にゼロや負の数を含めることのメリットとは何でしょうか。

2019-11-19 22:51:15
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi 小学校では負の数はやりません。小学生にも、零下20度とか、地下3階、小遣いの前借り、人生ゲームの借金、などの概念は、お馴染みだと思います。でも、負の数を引くこと、負の数に負の数を掛けるといったことが、難しいのだと思います。

2019-11-19 22:51:25
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi 小学校では、整数・小数のかけ算・わり算の筆算や、あまりの出し方や小数点の処理を、かなり時間をかけてやっているようです。一部の子はできないまま卒業します。

2019-11-19 22:51:33
kistenkasten723 @flute23432

@aoki_taichi プログラミングも英語も始まっています。負の数の四則演算をやっている時間的余裕は、かりに小学生が負の数の演算を理解できるとしても、教員にも児童にもないのではないでしょうか。もし導入すれば、正の整数・小数の筆算ができない、計算能力がない児童の割合が増大します。

2019-11-19 22:53:12
Taichi AOKI @aoki_taichi

@flute23432 丁寧なご説明、ありがとうございます。 まず、負数の概念が中学になってから導入されるのでしたら、それはそれでよいと思いますし、そうであれば、小学校では倍数に負数を含まないでおくのは賛成です。

2019-11-20 00:11:49
Taichi AOKI @aoki_taichi

@flute23432 (仮に「6の倍数を書け」という設問に「-12」と回答した児童がいたらどう採点するかは議論の余地あるかもですが、それは、採点はいかにあるべきかという、関連する別の話題なのでおいといて、)倍数の導入時にゼロを含めないことの妥当性に絞ってお話したいです。

2019-11-20 00:16:10
Taichi AOKI @aoki_taichi

@flute23432 倍数にゼロを含めるメリットは、 ①「倍数」の定義からゼロを除外する注意書きがなくなり、スッキリして学習が容易になる。(ただし、最小公倍数の定義は犠牲になる) ②早熟な児童がゼロを倍数に含めて減点指導される悲劇の防止 ③小学校ルールを忘れた大人の混乱を防止 twitter.com/flute23432/sta…

2019-11-20 00:27:45
Taichi AOKI @aoki_taichi

@flute23432 ④最初からゼロを含めておけば、高校になってから倍数の定義が拡張される度合いが弱まるので高校生の混乱が抑制できる。(どうせ負数にはここで拡張するので、あまり抑制にはならないかもですが……) の4点が思いつきます。

2019-11-20 00:31:40
Taichi AOKI @aoki_taichi

@flute23432 黒木さんの受け売りですが、2の倍数と偶数を同じものと言えるのも、スッキリしていてメリットだと思います。 twitter.com/genkuroki/stat…

2019-11-20 01:35:14
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

#超算数 【偶数と2の倍数が違う説】は日本の算数教育のスタンダード。 算数の教科書に偶数は0を含むが2の倍数は0を含まないことを意味する説明があるので、実質的に偶数と2の倍数が違うとほぼ全ての小学生が教わっている。狂っている! 資料はこのスレッドの上の方にある。 twitter.com/68ruketa/statu…

2019-03-20 22:47:58