春の心はのどけからまし~刀剣乱舞 特命調査慶長熊本予告ムービーから(クリア後:シナリオ中の和歌について追記あり)

予告ムービー中の和歌「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし』について、意訳など。古今集と伊勢物語から。また、クリア後にシナリオ中の和歌について外部サイトで訳注を加えています。
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2020-04-24 19:00:04
逆名🐟️💦 @funa6634

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし (古今集/春上/53/在原業平ーなぎさの院にてさくらを見てよめる) 『世の中に桜というものがまったくなかったなら、春の心は(咲いたり散ったりと心を乱されることもなく)のどかであろうに。』

2020-04-24 19:19:32
逆名🐟️💦 @funa6634

古今和歌集(元永本) より 「なきさの院にて桜花をミ(み)  天(て) 業平  よのなかにたえてさくらのなかりせ  は春のこゝろはのとけからまし」 画像:e国宝 emuseum.jp/detail/100171/… pic.twitter.com/HDDUVXNDfC

2020-04-24 19:53:14
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逆名🐟️💦 @funa6634

なにかしてないと なにかに没頭してないと

2020-04-24 19:56:31
逆名🐟️💦 @funa6634

伊勢物語八十二段のほうを拾ってくる…。

2020-04-24 20:00:09
逆名🐟️💦 @funa6634

【伊勢物語八十二段】 むかし、惟喬の親王と申す親王おはしましけり。山崎のあなたに、水無瀬といふ所に宮ありけり。年ごとの桜の花ざかりには、その宮へなむおはしましける。その時右馬頭なりける人を常に率ておはしましけり。時世へて久しくなりにぬれば、その人の名忘れにけり。 →

2020-04-24 20:04:01
逆名🐟️💦 @funa6634

狩は懇にもせで酒をのみ飲みつゝ、やまと歌にかゝれりけり。いま狩する交野の渚の家、その院の桜いとおもしろし。その木のもとにおりゐて、枝を折りてかざしにさして、かみ、なか、しも、みな歌よみけり。馬頭なりける人のよめる。   世の中に絶えて桜のなかりせば    春の心はのどけからまし

2020-04-24 20:04:02
逆名🐟️💦 @funa6634

となむよみたる。また、人の歌、   散ればこそいとゞ桜はめでたけれ    うき世になにか久しかるべき とて、その木の下はたちてかへるに、日暮になりぬ。御供なる人、酒をもたせて、野より出できたり。この酒を飲みてむとて、よき所を求め行くに、天の河といふ所にいたりぬ。 →

2020-04-24 20:04:31
逆名🐟️💦 @funa6634

親王に馬頭おほみきまゐる。親王ののたまひける、「交野を狩りて、天の河のほとりにいたる題にて、歌よみて杯はさせ」とのたまうければ、かの馬頭よみて奉りける。   狩り暮らしたなばたつめに宿からむ    天の河原に我は来にけり 親王歌をかへすがへす誦じ給うて返しえし給はず。

2020-04-24 20:05:07
逆名🐟️💦 @funa6634

紀有常御供に仕うまつれり。それがかへし、   一年にひとたび来ます君まてば    宿かす人もあらじとぞ思ふ かへりて宮に入らせ給ひぬ。夜ふくるまで酒飲み物語して、あるじの親王、ゑひて入り給ひなむとす。十一日の月もかくれなむとすれば、かの馬頭のよめる。

2020-04-24 20:05:07
逆名🐟️💦 @funa6634

→   あかなくにまだきも月のかくるゝか    山の端にげて入れずもあらなむ 親王にかはり奉りて、紀有常、   おしなべて峯もたひらになりななむ    山の端なくは月もいらじを (第八十二段了)

2020-04-24 20:05:57
リンク teppou13.fc2web.com 伊勢物語(原文) 第 八十二 段
逆名🐟️💦 @funa6634

伊勢物語は、平安初期の歌人在原業平に仮託して描かれる歌物語で、この八十二段では右馬頭がおそらく業平であろうと思われます。業平は歌才はあれど放縦な人物でしたが、親しく交わっていた惟高親王(小野宮)が政争に巻き込まれ不遇であったことも、政治から距離を置いた一因であったいう説もあります。

2020-04-24 20:31:33
逆名🐟️💦 @funa6634

【意訳】昔、惟高親王という方がいらっしゃった。花の盛りには、毎年水無瀨にある親王の離宮へおいでになり、右馬頭であった者(…古い話なので今は名も解らない…※業平)を常にお連れになった。狩りもそこそこに酒を飲みつつ和歌を詠んで過ごされていた。その時いらした交野の渚院に見事な桜の木があり

2020-04-24 20:53:50
逆名🐟️💦 @funa6634

その木の下で枝を折って(冠に挿す)挿頭花にしたり、上下問わず皆で和歌に興じた。右馬頭は、 『世の中に絶えて桜のなかりせば  春の心はのどけからまし』 (この世に桜というものがなければ、咲いたり散ったりに心を乱されず、心静かに過ごせたろうに) という歌を詠んだ。また他の人は、

2020-04-24 20:53:51
逆名🐟️💦 @funa6634

『散ればこそいとゞ桜はめでたけれ   うき世になにか久しかるべき』 (いやいや、惜しまれつつ散るからこそ桜は素晴らしいのです。この世にずっと続くものなどあるでしょうか) と詠んだ。 そうしてその木の下を離れて水無瀨の離宮へ帰る内に日が暮れてしまった。

2020-04-24 20:54:04
逆名🐟️💦 @funa6634

そこへお供の者が下仕えに酒を持たせて現れたので、この酒を飲もうということになり、御座所を探して天河というところへ辿り着いた。親王が右馬頭にお手ずから酒をお注ぎになり、「交野で狩りをして天河に至った、という題で詠んでから飲むように」と仰るので、右馬頭は、

2020-04-24 21:08:43
逆名🐟️💦 @funa6634

『狩り暮らしたなばたつめに宿からむ   天の河原に我は来にけり』 (狩りをして一日暮れてしまいましたから、今夜の宿は天の川の棚機津女にでも借りることにしましょう) との歌を奉った。 親王はこの歌を繰り返し唱えられたが、返歌がお出来にならず、お供の紀有常が代わりに、

2020-04-24 21:08:44
逆名🐟️💦 @funa6634

『一年にひとたび来ます君まてば  宿かす人もあらじとぞ思ふ』 (棚機津女は一年に一度訪れる彦星を待っているのですから、私たちには宿を貸さないでしょう) と返した。 そうして水無瀨の宮へ帰り、夜更けまで酒を酌み交わし歓談したあと、主の宮が御寝所へ入られようという時、

2020-04-24 21:13:30
逆名🐟️💦 @funa6634

折しも十一日の上弦の月も隠れようとしていたので、あの右馬頭が、 『あかなくにまだきも月のかくるゝか  山の端にげて入れずもあらなむ』 (まだよくよく眺めもしないのに月が隠れてしまう。山の端よ、月が沈まぬよう逃げてくれないか。※宮様を月に喩えて引き留めた歌。)

2020-04-24 21:20:42
逆名🐟️💦 @funa6634

と詠みかけ、また紀有常が親王に代わって詠んだ。 「おしなべて峯もたひらになりななむ   山の端なくは月もいらじを」 (どの峰もみな平らになってくれたらよいのですが。山の端がなければ月も沈みませんから) 【伊勢物語第八十二段 意訳了】

2020-04-24 21:26:20
逆名🐟️💦 @funa6634

要約すると『仲良し主従が花見でキャッキャする話』でした。 なお次の第八十三段では、この主従が老いたのちまだ仲良くしてる話になっています。

2020-04-24 21:30:21
逆名🐟️💦 @funa6634

業平出てこないけど惟高親王について前ちょっと調べてたので 惟高親王伝説ー小野宮と木地師と漆との縁 - Togetter togetter.com/li/1430131

2020-04-24 21:39:50