分子生物学の視点から考える新型コロナウイルスの感染機構

非常に興味深い議論を見かけましたので、通して読みたくてまとめました。
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

@KentaroOnizuka @polly2yan @parasite2006 どうもです。錯綜した理解の整理に有用なコメント、深謝です。

2020-04-25 13:37:58
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno @polly2yan @parasite2006 いや、ウィルスなんて、知能もへったくれもないし、そもそも生物でもないので、行った先で増殖できればどんどんして、宿主がどうなるかを考えてもいないのです。ただ、宿主としては増殖されると困るのです。COVID-19はMERSやSARSほど肺の奥にはいかない代わりに感染力は強い、ですね。

2020-04-25 13:42:51
智のGPS "The GPS of the Wisdom" @xzruLnOPQuxlse6

@KentaroOnizuka @polly2yan @parasite2006 @y_mizuno 以下にも深く納得! 『呼吸器系ウイルス感染症で下部気道(肺)でのみ増殖するウイルスは重篤な肺炎を起こし致死率は高いが、排出されにくいので伝播力は比較的弱い。他方、主に上部気道(気管、咽頭・喉頭)で増殖するウイルスは伝播力は強く、容易に拡散し、アウトブレイクを起こすが症状は軽い。』

2020-04-25 16:15:43
智のGPS "The GPS of the Wisdom" @xzruLnOPQuxlse6

@KentaroOnizuka @polly2yan @parasite2006 @y_mizuno それから吉川泰弘氏のHPの以下も知らなかった。 『種を超えやすいウイルスとしては大型のウイルスである事、ゲノムが不安定である事、ウイルス独自の複製酵素を持っている事、ゲノムが分節している事(複製中にゲノムが分かれ遺伝子が再集合するものを含む)、自然宿主がヒトに近いものの5つ。』

2020-04-25 16:26:00

第3部

鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

なんとなくわかったかも。 人感染ベータコロナウィルス属5種類 1)HCoV OC43 重篤化は知られていない風邪コロナウィルス。 2)HCoV HKU1 ときどき重篤化する風邪コロナウィルス 3)SARS-CoV-2 かなり重篤化するCOVID-19ウィルス 4)SARS-CoV SARS ウィルス 5)MERS-CoV MERS ウィルス twitter.com/kentaroonizuka…

2020-04-24 15:09:33
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@y_mizuno 由来というのは、ウィルスゲノム上で、重症化が少ない、HKU1含むHCoVと、過激な致死率のMERSやSARS、そしてCOVID-19はどこが違うかです。その違いが判明すれば、その部分を抑制するような薬ができるはずなんですけどね。

2020-04-24 11:40:42
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

1)から5)の順番で、「鼻、口や上気道感染」から「肺感染」へ、となっていて、肺感染するほど重症化もしやすい。ということは、ウィルスの性質として、エアロゾルや空気感染しやすいものほど、肺に入りやすく、重篤化しやすいことになる。SARSやMERSは空気感染するし、COVID-19はエアロゾル感染。

2020-04-24 15:15:47
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

そうすると、ウィルスのエアロゾル化や空気感染化がそのまま重症化リスクになっているとしたら、 ずばり! 「ウィルスの表面の疎水性!」 ではないか? ウィルス表面のタンパク質(コロナ特有のスパイクタンパク質)が疎水的ならこれを含む飛沫が乾燥しやすく、微小の乾燥浮遊物になりやすい。

2020-04-24 15:19:52

(↑「スパイクタンパク質」とはコロナウイルスの3種類の表面タンパク質の一つで、細胞への感染の際細胞表面の受容体タンパク質と結合します。第2部でご紹介した「コロナウイルスによる新興感染症を学ぶ」
https://www.ayyoshi.com/コロナウイルス感染症/
にあるように、今回の新型を含めてヒトや動物に感染する各種コロナウイルスの遺伝子配列がすでに決定され、その比較に基づく系統分類が行われていますから、それぞれのウイルスのスパイクタンパク質のアミノ酸配列や疎水性アミノ酸の割合を遺伝情報に基づいて割り出し比較することはやれば十分できる状況です

鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

さらにいえば、スパイクタンパク質同士が弱い疎水結合なんぞすると、ウィルス複数が乾燥してクラスターを作り、これはかなり小さく、軽く、飛びやすい。これがMERSやSARSの空気感染ではないか。COVID-19はそれほどではないので、HKU1よりは多少疎水的で、エアロゾル化しやすいとかだろう。

2020-04-24 15:30:28
かごかごのとり @kagokagonotori

@KentaroOnizuka ウイルスにおける 『乾燥』『湿度』と【不活化】の関係性は どのようにみられてますか? 『時間』については付着する場所によって いろいろ論文が出てるみたいですが…

2020-04-24 15:49:03
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@kagokagonotori コロナウィルスは脂質二重膜のエンベロープをもつウィルスなんで、脂質二重膜自体は安定化のために、周囲に水分子まとっているはずですが、インフルエンザウィルスと比べて、スパイクタンパク質の密度と大きさが全然違うので、スパイクタンパク質が脂質二重膜を安定化していれば、たぶん、、、、

2020-04-24 15:52:45
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@kagokagonotori 水分が少なくても、乾燥化しても、ウィルスは失活しにくいでしょうね。で、新たに立てたスレッドのように、ウィルスの乾燥化の度合いが、ウィルスの疎水性の度合いで、それが肺炎重症化とからみそうだと思うわけですよ。そのあたりは元分子生物学研究者としての感覚です。 twitter.com/kentaroonizuka… twitter.com/KentaroOnizuka…

2020-04-24 15:55:13
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@ShinShinohara 毒性は、コロナウィルスのそれぞれの致死率と感染部位を考えれば、明らかです。 上気道のみ感染なら風邪、気管支くらいにくるとやや重症なHKU1など。最も肺の奥に感染するMERS-CoVは致死率最高です。 気管支近傍にマリモをつくるSARS-CoV-2はHKU1とSARS-CoVの間。 つまり、

2020-04-26 10:11:26
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@ShinShinohara 単純にウィルスの表面の疎水性ですよ。表面スパイクタンパク質の疎水性が高いとウィルスは乾燥しやすく、小さいエアロゾルや乾燥した核だけになり、空気感染し、肺の奥に達して重篤な肺炎になる。親水的なら飛沫は乾燥しにくいから飛沫は大きく、上気道にしか到達しないから、肺炎にはならない。

2020-04-26 10:15:59
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@ShinShinohara SARS-CoV-2は微妙に肺の気管支からちょっと先に至るのでマリモになり、そのあたりは血管が肺胞ほどないので、血管には入り込みにくいから免疫系が刺激されず、獲得免疫ができない。 上気道感染は会話やくしゃみで感染力は強い。MERSは肺の奥で感染だから感染力は弱いです。

2020-04-26 10:21:06
shinshinohara @ShinShinohara

@KentaroOnizuka だとすると、殻タンパク質をコードする遺伝子配列から、疎水性アミノ酸の表面への露出度を推定し、その部分が親水性のアミノ酸に変異するようなら、毒性は低くなるかも、ですね。別の疎水性アミノ酸に置き換わるだけなら毒性が変わらないかも。

2020-04-26 12:51:40
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@ShinShinohara 毒性は低くなるけど、別物なので、免疫は効かないですね。 たぶん、HCoV HKU1はそれです。2005年段階では、SARS-CoVなみに怖い新型コロナウィルスと言われてました。実際はすでに世界に蔓延してましたが。毎年、冬には世界的に蔓延していて、時に重篤化します。

2020-04-26 12:58:26

第4部
(発端のスレッドを1件だけ再録しています)

鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

なんとなくわかったかも。 人感染ベータコロナウィルス属5種類 1)HCoV OC43 重篤化は知られていない風邪コロナウィルス。 2)HCoV HKU1 ときどき重篤化する風邪コロナウィルス 3)SARS-CoV-2 かなり重篤化するCOVID-19ウィルス 4)SARS-CoV SARS ウィルス 5)MERS-CoV MERS ウィルス twitter.com/kentaroonizuka…

2020-04-24 15:09:33
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

呼吸器の浅いところに感染するほど感染力が強く、重症化率や致死率は低い、一方、呼吸器の奥(気管支や肺)に感染するほど、感染力は弱く、重症化率や致死率は高い。 twitter.com/kentaroonizuka… twitter.com/KentaroOnizuka…

2020-04-25 13:13:33
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@polly2yan @parasite2006 @y_mizuno 非常にわかりやすいですね。 ヒト感染のβコロナウィルスは、感染力から考えると、 HCoV OC43> HCoV HKU1> SARS-CoV-2> SARS-CoV> MERS-CoV の順番。上気道に感染しやすい順番。 一方この順番は、致死率の低い順番です。さらに致死率は肺の奥に到達するほど高い。

2020-04-25 12:39:13
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

@polly2yan @parasite2006 @y_mizuno 非常にわかりやすいですね。 ヒト感染のβコロナウィルスは、感染力から考えると、 HCoV OC43> HCoV HKU1> SARS-CoV-2> SARS-CoV> MERS-CoV の順番。上気道に感染しやすい順番。 一方この順番は、致死率の低い順番です。さらに致死率は肺の奥に到達するほど高い。

2020-04-25 12:39:13
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

どうやら、COVID-19は、感染力が強い呼吸器の浅いところ、鼻腔、口腔、上気道に感染するだけでなく、気管支の奥の肺まで感染してマリモを作るということで、、強い感染力と高い重症化率とやや高い致死率をもつ、という点で厄介。で、上気道感染から気管支奥のマリモ感染は呼吸気道感染だということ。

2020-04-25 13:18:27
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

つまり、上気道に感染してそこでつくられる飛沫やエアロゾルを、自分の肺の奥まで入れてしまうことで肺に感染がひろがるということ。そこで血中やリンパなどの体液中をウィルスが移動するわけではないので、免疫系が働きにくい。重篤化で初めてIgM, IgGができるが、遅いというわけ。

2020-04-25 13:20:18
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

ついでにいえば、喫煙者(私は禁煙二日目だけど)が感染しにくいという話は、ここでの話と整合する。 喫煙者は気管支あたりでべっとりタールがついているから、そのあたりにコロナウィルスのエアロゾル粒子がくると、タール(疎水性)が邪魔してウィルスの細胞感染が起こりにくい。

2020-04-25 13:25:50
鬼塚健太郎 @KentaroOnizuka

COVID-19の感染力は、症状が出始める直前から、直後がもっとも強いというのもよくわかる。 ウィルス感染が、声帯や鼻腔で起こると、その部分でウィルスが増殖し、くしゃみや声帯の振動で飛沫やエアロゾルになる。ちょうどそのころ、喉の痛みや嗅覚障害、若干の発熱などが起こる。

2020-04-25 13:31:48
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