(2020/06/29完成)日本語で学ぶアメリカ史 第一章:新世界 (教材:Joseph L. Locke and Ben Wright, eds., "The American Yawp," 2018)

教科書を変更して最初の講義です。教科書をひたすら翻訳します。 2020/06/20 第三節まで公開。 2020/06/29 完全公開。
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Mr. HB @USHist_English

・コロンブスは17隻の船と千人を超える部下を支給され、西インド諸島へと再び舞い戻った(彼は新世界に4回航海した)。まだ東インドに着いたと信じていた彼はイザベラとフェルナンドの投資に報いると約束した。だが、物質的富の流入が遅いと分かるや、

2020-06-20 14:12:07
Mr. HB @USHist_English

スペインはカリブ諸島から1オンスも逃さんとばかりにありとあらゆる富を搾り取る邪悪な行動に乗り出した。スペインはアラワク族をほぼ滅ぼした。バルトロメ・デ・ラス・カサスは1502年新世界を訪れ、後にこう書いた。「私はこの目で見た、スペイン人がその血塗られた性分を満足させるためだけ、

2020-06-20 14:12:38
Mr. HB @USHist_English

他でもないたったそれだけのために、インディアンの男女を手足や耳を切り落としたのを」奴隷化された先住民が少ない金床を掘り尽くすと、スペインは彼らを巨大化新しい地所で無理やり働かせた。この地所をエンコミエンダ(encomienda)と言う。

2020-06-20 14:13:06
Mr. HB @USHist_English

ラス・カサスはヨーロッパ人の蛮行を残酷なまでに詳しく書いた。原住民に人間性(humanity)はないとみなしたスペイン人だったが、自分達もそれを捨て去った。冷淡な暴力と人間性を削ぐような搾取がアラワク族を滅茶苦茶にした。インディアンの人口は激減した。

2020-06-20 14:13:34
Mr. HB @USHist_English

たった数世代でイスパニョーラ島の住人はいなくなり、完全に滅ぼされた。歴史家の推定では、ヨーロッパ人との接触以前のこの島には100万人に満たないか800万もいたかとされる(ラス・カサスは300万人と推定した)。それが短い間にいなくなったのだ。

2020-06-20 14:13:59
Mr. HB @USHist_English

「将来の世代の誰がこんなことを信じようか?」ラス・カサスは言う。「知ることができる目撃者として書いている私でもほとんど信じられないのだから。」

2020-06-20 14:14:21
Mr. HB @USHist_English

・ネイティブ・アメリカン人口の多様性といくつかの強力な帝国の存在にも関わらず、彼らはヨーロッパ人の到来に全く備えていなかった。生態的問題もヨーロッパ人の残酷さを増長した。旧世界の家畜動物や免疫獲得の歴史から切り離されていた彼らは、

2020-06-20 14:14:58
Mr. HB @USHist_English

アジア・ヨーロッパ・アフリカで猛威を振るった恐るべき疫病を経験しなかった。だが、この幸運は今や呪いに転じた。ヨーロッパ人やアフリカ人が何世紀にもわたる大感染を経て獲得した免疫をネイティブ・アメリカンは持っておらず、そのためヨーロッパ人が到来した時、天然痘、チフス、インフルエンザ、

2020-06-20 14:15:28
Mr. HB @USHist_English

ジフテリア、はしか、肝炎も持ち込まれ、ネイティブ・アメリカンを壊滅させることになった。戦闘や奴隷制の下で死んだ者も多かったが、感染症こそ山ほど彼らを殺した。ある学者達の推計では、総計でアメリカ両大陸の人口の90%が、ヨーロッパ人との接触から150年で死に絶えたとされている。

2020-06-20 14:15:48
Mr. HB @USHist_English

・疫病と戦争で滅茶苦茶にされたが、ネイティブ・アメリカンはいわば中洲を作り、暴力で抵抗し、植民地主義の試練に適応し、何百年にわたり新世界のあちこちで生活様式を形成し続けた。だが、ヨーロッパ人は到来し続けた。

2020-06-20 14:16:13
Mr. HB @USHist_English

IV. スペイン人の探検と征服 ・スペインの征服の知らせが広まると、富を飢えたスペイン人が土地、金、権利を求めて新世界に殺到した。新世界帝国がスペインのカリブ海を足がかりに拡大した。動機は単純だ。

2020-06-29 20:11:15
Mr. HB @USHist_English

ある兵士曰く「神と国王に仕え、あと金持ちになるために来た。」傭兵も征服に加わり、競って新世界の人間と物質的富を獲得した。

2020-06-29 20:11:16
Mr. HB @USHist_English

・スペインはエンコミエンダとして知られる法制度で労働関係を管理した。これは搾取する封建的取り決めで、これでスペインはインディアン労働者を巨大な地所に縛り付けた。この制度ではスペイン王室が個人に土地だけでなく特定の人数の先住民も与えた。

2020-06-29 20:12:13
Mr. HB @USHist_English

エンコミエンダにより地所を得た者はその労働者を酷使した。ラス・カサスがスペインの暴虐を扇動的に描いた著作(『東西インド諸島人の破壊』)を出版した後、スペイン当局は1542年にエンコミエンダを廃止、レパルティミエント(repartimiento)に転換した。

2020-06-29 20:12:44
Mr. HB @USHist_English

より穏当な制度のつもりだったが、実際にはエンコミエンダの暴虐性を多く引き継いでおり、略奪的ですらある先住民搾取はスペイン帝国が南北アメリカに拡大していく中でも継続した。

2020-06-29 20:13:03
Mr. HB @USHist_English

・スペイン新世界帝国の拡大につれ、スペイン人征服者は中央及び南アメリカで巨大な帝国と遭遇した。それらは北アメリカで見つけた何ものをも凌駕した。中央アメリカではマヤ族が巨大な寺院を建て、大規模な人口を維持し、複雑で長く保たれた文明を築いていた。

2020-06-29 20:13:57
Mr. HB @USHist_English

文字があり、数学は発展し、目玉が飛び出るほど正確な暦を持っていた。だが、滅亡こそしなかったが、ヨーロッパ人の到来より前にマヤ文明は崩壊していた。恐らく旱魃と持続不可能な農業が原因である。

2020-06-29 20:14:37
Mr. HB @USHist_English

しかし、マヤ文明の終焉は西半球に新たなる最も強大な先住民文明の台頭の幕開けを告げたに過ぎなかった。アステカ帝国である。

2020-06-29 20:15:05
Mr. HB @USHist_English

・メキシコ北部から好戦的な移住者としてやって来たアステカ族は南進してメキシコ峡谷に入り、道行く先々を征服し、新世界最大の帝国を作り上げた。スペイン人がメキシコに着いた時、彼らはテノチティトランを中心に不規則に広がる文明を見つけた。

2020-06-29 20:17:16
Mr. HB @USHist_English

現在のメキシコシティ内に入るテスココ湖のど真ん中にあった自然・人工の島々の上に建てられた、畏敬の念を抱かせる都市だ。1325年に出来たテノチティトランは世界最大の都市に引けを取らなかった。この都市の大半は人工島(chinampa)の上に建てられた。

2020-06-29 20:18:01
Mr. HB @USHist_English

この島は泥と豊かな沈殿物を湖底からさらい取り、それらを長い時間置いて土地の光景を新しくした。巨大なピラミッド型寺院(Templo Mayor)が都市中央にあった(今でもその遺跡がメキシコシティ中央にある)。到達したスペイン人は目の前の景色をほとんど信じられなかった。

2020-06-29 20:18:56
Mr. HB @USHist_English

7万もの建物があり、恐らく20万から25万人を擁し、それらは全て湖の上に建てられていて、水路と運河でつながっていた。ベルナル・ディアス・デル・カスティリョというスペイン人兵士が後年回想して曰く、「とてもたくさんの都市や村が水上に、他にも大きな街が乾地に建てられていたのを見た時、

2020-06-29 20:19:25
Mr. HB @USHist_English

我々はたいへん驚いてまるで魔術だと口にした…兵士の中にはその景色が夢ではないかどうか尋ねる者もいた…どう説明すべきか分からない。今まで見たことも聞いたことも、夢見たこともないものを目にしたのだから。」

2020-06-29 20:19:46
Mr. HB @USHist_English

(誤りがあったとため再投稿) ・テノチティトランからアステカ族はメソアメリカ中部と南部を広く支配した。定期的に貢物をして服属する部族らの非集権的ネットワークを通じた支配だった。貢物はトウモロコシ、豆、その他食物など最も基本的な品物から、ヒスイ、カカオ、金のような高級品まであった。

2020-06-29 20:22:17
Mr. HB @USHist_English

また、軍人も貢いでいた。だが、アステカ帝国の足元では動揺が進みつつあり、そこへヨーロッパの征服者が巨万の富を求めてやって来た。

2020-06-29 20:22:35
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