多世界解釈における確率導出はボルンの規則を前提としており循環論法だが、どうすればよいだろうか?

多世界解釈による確率導出は、ボルンの規則を前提としており循環論法とみなされている。このツイートでは多世界解釈で確率を導出するアイデアを提示する。
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x_seek @x_seek0

通常の三次元空間上の位置を変数x,y,zで表現し、輪ゴム上の位置を変数wで表現しよう。すると粒子の位置は座標(w,x,y,z)で表現できる。 ここで大きく発想を飛躍させ、古典的な粒子が空間(x,y,z)で運動するのと同じ様に、古典的な粒子が空間(w,x,y,z)でも運動すると考えてみよう。

2020-08-30 15:33:27
x_seek @x_seek0

量子力学では、空間(x,y,z)を運動する古典粒子を量子化し、波動関数ψ(x,y,z)を得た。 それと同様に、空間(w,x,y,z)を運動する古典粒子を量子化し、新たな波動関数Ψ(w,x,y,z)を得よう。

2020-08-30 15:39:36
x_seek @x_seek0

空間(w,x,y,z)を運動する古典粒子を量子化するなんて聞いたことがないと立腹される方がいるかも知れない。 しかし、これは場の量子論における第二量子化の手続きに類似している。

2020-08-30 15:43:49
x_seek @x_seek0

量子力学における量子化の方法には、次の三種類がある。 ①ハイゼンベルクの量子化(行列力学) ②シュレーディンガーの量子化(波動力学) ③ファインマンの量子化(経路積分) 一般に場の量子論では、場の高さを①で第二量子化する。しかし原理的には②③での第二量子化も可能である。

2020-08-30 16:10:01
x_seek @x_seek0

場の量子論で、場の高さφ(x,y,z)を②で第二量子化する場合、場の高さを引数とする新しい場Φ(φ,x,y,z)が得られる。 これは、空間(w,x,y,z)を運動する古典粒子を量子化し、新たな波動関数Ψ(w,x,y,z)を得る手続きと類似している。

2020-08-30 16:22:23
x_seek @x_seek0

そのため、量子力学の枠組みを少し逸脱しているが、ご容赦願いたい。 また「空間(w,x,y,z)を運動する古典粒子」という考え方もかなり奇妙だが、「自発的対称性の破れ」でメキシカン・ハット型ポテンシャルの底を転がるボールと同じ考え方のため、ご容赦願いたい。 ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA…

2020-08-31 20:06:27
x_seek @x_seek0

さてここで用語の整理をしよう。 通常の三次元空間(x,y,z)を第一空間、円周状の空間(w)を第二空間と呼ぶことにする。 そして、第一空間(x,y,z)と第二空間(w)を合わせた空間を、二階層分の空間という意味で「二層空間(w,x,y,z)」と呼ぶことにする。

2020-08-31 20:11:43
x_seek @x_seek0

第一空間を運動する粒子を第一粒子と呼び、 二層空間を運動する粒子を第二粒子と呼ぶ。 第一粒子を量子化して第一波動関数とし、 第二粒子を量子化して第二波動関数とする。

2020-08-31 20:21:27
x_seek @x_seek0

ここで、第二空間(w)が小さな円周で、ポテンシャルがないケースを考える。 すると第二粒子の波動関数は円周全体に均等に広がる。そのため「第二粒子がその円周上に存在する世界の数」は、その円周の長さに比例することになる。

2020-08-31 20:34:25
x_seek @x_seek0

「世界の数が円周の長さに比例する」ということは、 「世界の数が波動関数の高さに比例する」ことになる。 こうして、大変遠回りとなったが、目的の命題が成り立つ仕組みを説明できた。

2020-08-31 20:39:07
x_seek @x_seek0

しかしながら、『「世界の数が第一波動関数の高さに比例する」仕組みを説明するために「二層空間の第二波動関数」を必要とするのでは、説明が閉じないのではないか?』という批判があるだろう。

2020-08-31 20:41:34
x_seek @x_seek0

その批判は、もっともである。 実際、第一空間→第二空間→第三空間→… と入れ子の世界が続くことになる。 入れ子の空間はどんどん小さくなるので、距離に最小単位があれば、いずれ終わりが来るだろう。

2020-08-31 20:45:10
x_seek @x_seek0

そこで、入れ子の空間を無限に続けさせないため、最小距離を仮定する。 最小距離はプランク長(1.6×10^(-35)m)とする。 一回分の入れ子で大きさが10^(-9)ぐらい小さくなるとすると、4回くらいが入れ子の限度となる。

2020-08-31 20:58:38
x_seek @x_seek0

さてここで、第二粒子が、第一空間のある位置(x,y,z)にある第二空間(w)からプランク長離れた位置(x',y',z')にある第二空間(w')へ運動するケースの経路積分を考えよう。 第一粒子の経路積分は第一空間(x,y,z)で行うが、 第二粒子の経路積分は二層空間(w,x,y,z)で行う必要がある。

2020-08-31 21:05:27
x_seek @x_seek0

位置(x,y,z)の第二空間(w)に位置が3ヵ所あり、 位置(x',y',z')の第二空間(w')に位置が3ヵ所ある場合、 最小距離だけ離れているため、経路は3×3=9本となる。 pic.twitter.com/3HUMuN4JTH

2020-08-31 21:33:42
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x_seek @x_seek0

もしこの経路の本数を確率と解釈できるならば、当初の謎「なぜ確率は、世界の個数の二乗なのだろうか?」の答えを与えることができる。

2020-08-31 21:38:31
x_seek @x_seek0

この経路の本数は確率と解釈できるのだろうか? 確率とは、より正確に言えば「ある事象が発生する確率」のことである。そこで「事象とは何か」について改めて考えることとする。 (続く)

2020-08-31 22:29:23
x_seek @x_seek0

最初に、相対論の事象を確認しよう。 相対論の事象とは「汽車は七時にここに到着する」のような出来事のことである。相対論の事象は、ある時刻に、ある場所で発生する。 この「ある時刻の、ある場所」のことを世界点と呼ぶことにすると「相対論の事象は一つの世界点を必要とする」と表現できる。

2020-09-01 23:08:22
x_seek @x_seek0

次に、量子力学の事象を確認しよう。 ファインマンは、量子力学の教科書で、事象について次のように述べている。 「(量子力学の法則の説明で)『事象』という言葉を使うが、これは一般に、初条件と終条件の特定の組の事である」

2020-09-01 23:09:37
x_seek @x_seek0

「例えば『1個の電子が電子銃から飛びでて検出器に到達し、その他には何もおきない』といったものである」 つまり事象とは「粒子が出発地点から到着地点へ移動し、その他には何もおきないこと」と解釈できる。

2020-09-01 23:10:27
x_seek @x_seek0

こうして、相対論の事象は一つの世界点を必要としたが、 量子力学の事象が二つの世界点を必要とすることがわかった。 つまり「第二粒子が経路を移動すること」は一つの事象と解釈できる。

2020-09-01 23:11:33
x_seek @x_seek0

さて解きたい疑問は「この経路の本数は確率と解釈できるのだろうか?」だった。 今回、経路の本数は事象の個数と解釈できることがわかった。したがって、解きたい疑問は次のようになる。 「第二粒子が経路を運動する事象の個数は確率と解釈できるのだろうか?」

2020-09-01 23:19:23
x_seek @x_seek0

この疑問を解くには、ラプラスの確率論で確率がどのように定義されたかを思い出す必要がある。 (続く)

2020-09-01 23:20:57
x_seek @x_seek0

ラプラスの確率論では、最初に「素事象」という概念を定義する。この素事象とは、等確率で発生する「最小単位の事象」のことである。 素事象という概念を使い、確率を (素事象の数)÷(全体の素事象の数) と定義する。

2020-09-02 22:26:27
x_seek @x_seek0

つまり、確率は素事象の数に比例する。 したがって「経路を移動する事象」が素事象ならば「確率は経路の本数に比例する」と言える。

2020-09-02 22:27:21