- uchida_kawasaki
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国連人権委員会の「国連特別報告者の報告は個人の見解」といった意見があるが、それは、普通に「個人の見解」ととるなら適切ではない。
2020-09-23 14:30:38国連特別報告者は、国連人権委員会に指名される独立専門家で専門的なテーマや地域に関して国連人権委員会に報告と助言を行う。特別報告者制度は国連の人権保証制度の中で「中核的な位置付け」にあると国連人権委員会が述べている。一般向けの説明はここ(英語)。ohchr.org/EN/HRBodies/SP…
2020-09-23 14:30:58この説明の第一文は"The special procedures ... are independent human rights experts"で、「special procedures(特別手続き)」は「independent human rights experts(独立の人権専門家)」であると述べている。"are"で「手続き」と「専門家」が繋がれるのが紛らわしいが特殊な用語法。
2020-09-23 14:31:28ではこの「特別手続き」と国連特別報告者との関係は何かというと、「特別手続き」の中心は国連特別報告者で、他に、専門家のワーキンググループなどが「特別手続き」を構成する。
2020-09-23 14:32:08そして、第二文前半で、この「特別手続き」が国連人権機構の中で中核的要素("central element")であると明言している("The system of Special Procedures is a central element of the United Nations human rights machinery")。 ohchr.org/EN/HRBodies/SP…
2020-09-23 14:35:26その「特別手続き」と国連特別報告者との関係は、上の改めて示したリンク先文書の第三段落第一文に明記されていて、「特別手続き」は、個人かワーキンググループかで、そのうち個人のが特別報告者。
2020-09-23 14:36:01というわけで国連特別報告者は国連人権委員会の活動の中核的要素の一つと位置付けられていることがわかります。「独立」なのは専門性と中立性と効率などを保つため。
2020-09-23 14:36:45それについても同文書の第三段落に書かれている。"The independent status of the mandate-holders is crucial for them to be able to fulfill their functions in all impartiality."
2020-09-23 14:37:28独立なのは、単に「個人の見解」ということではなく、不偏不党/公明正大に任務を果たすために必須の条件だから、ということ。つまり国連人権委員会がその機能を果たすために独立であることが必須ということ。
2020-09-23 14:38:59この見解そのものには法的拘束力はない。とはいえ、特別報告者が見解を出す前提となる条約や法はもちろん拘束力がある。そして見解はその根拠法の解釈について指針を与える。
2020-09-23 14:42:06報告者ではなく部会については、以下からの一連のツイートで説明したことがある。 twitter.com/AsadoriQ/statu…
2020-09-23 14:43:55山城被告の長期勾留は「恣意的」 国連部会、見解を政府に通知:国際:中日新聞(CHUNICHI Web) chunichi.co.jp/s/article/2019…
2019-01-14 09:52:01特別報告者の勧告を「個人の見解」とするのも「国連の見解」とするのも間違っているが、どちらかの選択なら「国連の見解」の方がまあ不適切性は小さいだろう(本来いずれも避けるべきで避けられない必然性は何もない)。
2020-09-23 14:53:08繰り返しになるが特別報告者も作業部会も*国連の*特別報告者と作業部会であって各国が批准した条約等に依拠して専門的勧告を行いそれは準拠枠となるのであるから「個人の見解」という言葉でそれを指すのはまったく適切でない。
2020-09-23 15:22:15