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尾上正人先生の、自然淘汰、遺伝子の冗長性と進化

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尾上正人 @9w9w9w92

「普通の体細胞から抽出した全RNA量の85%が rRNAである」96-7頁

2019-08-05 15:00:28
尾上正人 @9w9w9w92

「変温動物から恒温動物への進化は、rRNA遺伝子の重複度の増加を伴ったのだろうか。恐らく、物質代謝速度が早くなるのに伴い、細胞内でより多くのリボゾームが必要となったであろう」97頁

2019-08-05 15:04:04
尾上正人 @9w9w9w92

「集団のほんの特定の成員だけを利しているヘテロ接合の有利性は、関与している2つの対立遺伝子が2つの別個の遺伝子座としてゲノムにとりこまれるならば、新種の特徴として固定されうる」105頁

2019-08-05 15:43:41
尾上正人 @9w9w9w92

「ゲノムが多くの酵素のそれぞれに重複した遺伝子グループをもっていることによってのみ、同じ遺伝物質をもっている細胞が異なった体細胞タイプに分化しうるのである」111頁 これは正しいのか? 現在では「選択的スプライシング」で説明されるのでは…

2019-08-05 18:38:12
尾上正人 @9w9w9w92

「脊椎動物では、機能的に多様化している重複遺伝子の多くの例があるが、ほとんどの重複は太古に起こったと考えられ、かなり離れた類縁関係しかない種においてさえも、同じ度合の遺伝子重複と、この重複した遺伝子の同じような分別的な利用とがみられる」112頁

2019-08-05 18:43:22
尾上正人 @9w9w9w92

「自然淘汰は、冗長な座を無視し、その上、遺伝子内組換えにも助長されて、自由に禁制突然変異を次から次へと蓄積していくようになる。その結果として、このように禁制突然変異を蓄積した冗長な遺伝子によってつくられるポリペプチド鎖は、」116頁→

2019-08-05 18:48:03
尾上正人 @9w9w9w92

(承前)「もとの遺伝子がもっていた機能とまったく異なる機能を遂に獲得することになるであろう。このような方途で、以前には存在しなかった機能をもつ新しい遺伝子が次から次へと進化途上で出現してきたに違いない」116頁

2019-08-05 18:51:58
尾上正人 @9w9w9w92

(承前)「古い遺伝子の冗長な重複コピーからの新遺伝子の誕生は、遺伝子重複が進化途上で演じた最も重要な役割である」116頁

2019-08-05 18:52:30
尾上正人 @9w9w9w92

「収斂進化は遺伝子重複に関しても生じたに違いない。多様化した生物が、先祖型として働きうる相同遺伝子座をもつ限り、重複によって同じ基本的特性をもつ新しい遺伝子座が独立に作りだされるのである」119頁 収斂進化のかなり拡大解釈のような気が…

2019-08-06 10:14:01
尾上正人 @9w9w9w92

「筋肉のアクチンの遺伝子は微小管タンパク質の冗長な重複遺伝子コピーから生じたものと考えられる。…アクチンの遺伝子は、活性部域に変化を生ずる禁制突然変異の集積によって、微小管タンパク質のサブユニットの遺伝子の重複したものから生じたものであることに疑いはなかろう」120-1頁

2019-08-06 10:24:45
尾上正人 @9w9w9w92

「フレームシフト突然変異から出発すれば、その重複遺伝子は、もとの遺伝子がもっていた機能とはまったく異なる新しい機能を獲得する可能性がある。…もとの遺伝子と欠失や挿入の起こった重複コピーから由来した新しい遺伝子の間の共通の祖先を明らかにすることは容易なことではない」129頁

2019-08-06 11:15:36
尾上正人 @9w9w9w92

「受精卵は、ゲノムの一部だけが活性化されて、発生を開始するというのが事実なのである。…胚分化は休止状態にある遺伝子を選択的に賦活化する過程であって、活性化状態にある遺伝子を抑制する過程でないことはきわめて明白になっている」132頁

2019-08-06 14:34:35
尾上正人 @9w9w9w92

「真核性生物の遺伝調節機構は賦活化型の正の制御を使用しなければならないと考えられる。…原核性生物は非特異的なレプレッサー(ヒストン)を用いていないので…遺伝調節機構は抑制型の負の制御…を原則として使用している」132頁

2019-08-06 14:43:17
尾上正人 @9w9w9w92

「JacobとMonod(1963)は、"2つの細胞が同じゲノムをもっているのに、それらが合成するタンパク質が異なっているならば、その2つの細胞は相互に分化している"と、分化を定義している」132頁 ジャコブとモノーは今や、高校教科書にも出てくる…ラクトースオペロン・トリプトファンオペロンの話で

2019-08-06 14:47:37
尾上正人 @9w9w9w92

「外モンゴルの野生のPrzewalski馬(Equus przewalskii)は66本の染色体をもっているが…すべての家畜品種は64本の染色体をもっている。2種類のα鎖を産生するようにさせた、α鎖遺伝子座の重複かtRNAの突然変異かのいずれかが、共通の先祖種がウマのこの2つの同胞種に分岐する以前に、起こっていた」144

2019-08-06 15:22:54
尾上正人 @9w9w9w92

「直列遺伝子重複の3つの機構[同一染色体の染色分体間の不等交換、減数分裂過程での相同染色体間の不等交叉、DNAの部分的な繰返し複製]のうちの少なくとも2つを利用しなければ、魚類からヒトへの進化は不可能であっただろう。しかし、これらの直列重複は災難の種を宿しているのである」149-50頁

2019-08-06 15:51:40
尾上正人 @9w9w9w92

「直列重複のまず第1の欠点は、直列重複が存在すると、さらに不等交換と不等交叉をひきおこすことになるという点である。…直列重複の第2番目の欠点は、機能的に関連した遺伝子の間で確立されている遺伝子量比の破壊である」150頁

2019-08-06 15:56:02
尾上正人 @9w9w9w92

「直列重複に関する第3番目の、そして多分非常に重大な欠点は、その遺伝子活性を制御する調節遺伝子を重複せずに、構造遺伝子だけを重複させる傾向があるということである。…直列重複が1つの調節遺伝子座の支配下にとどまる限り、重複したものが異なった機能を獲得する望みはあまりない」152頁

2019-08-06 16:00:04
尾上正人 @9w9w9w92

「個体発生過程で機能的に多様化した重複遺伝子が分別的に使用されるということは、重複した構造遺伝子のそれぞれが、個々の調節遺伝子の重複を伴う場合にのみ生じうる可能性である。…肺魚とサンショウウオ類は、遺伝子重複を達成する手段として直列的重複だけに依存するということの悲劇的結末」152

2019-08-06 16:03:57
尾上正人 @9w9w9w92

「4倍体になると、2倍体染色体組であったものが半数体セット(ゲノム)になる。…すべての遺伝子座、すなわち構造遺伝子ならびにその構造遺伝子の発現を支配する調節遺伝子のすべての重複が "一挙" に起きる…倍数性による遺伝子重複の機構は直列重複でみられるどのような短所をも示さない」154-5頁

2019-08-06 16:41:14
尾上正人 @9w9w9w92

「植物界、特に顕花植物で、倍数体進化の例がたくさんある。…倍数体進化と雌雄同株の繁殖様式とは完全に適合しうるものである」155頁

2019-08-06 16:47:20
尾上正人 @9w9w9w92

「脊椎動物だけでなく、無脊椎動物でも倍数体がまれであることは、両性生殖性が大多数の動物種の特性であることによっている。倍数性は十分に確立された染色体性性決定機構と適合しえないものである」155頁

2019-08-06 17:17:43
尾上正人 @9w9w9w92

「両棲類と魚類とでは、2つの性の染色体因子、すなわち雄異型配偶子性のXとY、および雌異型配偶子性のZとWの分化が、まだかなり始原段階にとどまっている。したがって、XとYあるいはZとWは多くの遺伝子を共有しており、YはXの代用になりうる」156 温度で性が決まったり性転換したりするのもそゆわけか

2019-08-06 17:29:36
尾上正人 @9w9w9w92

「2A[一対の常染色体]YY構成をもつ日本産のメダカ(Oryzias latipes)は正常な雄になるだけでなく、エストラジオール処理によって、2AYY個体は稔性のある雌に変わりうる。倍数体進化が現存の両棲類と魚類とでまだ可能であろうと考えるなら、これは驚くにあたらない事実であろう」156頁 おもろいなあ

2019-08-06 17:32:03
尾上正人 @9w9w9w92

「倍数性と直列重複とが有意な遺伝子重複をもたらすのに互いに補い合うものであるし、さらに倍数体進化は脊椎動物進化の初期段階でのみ可能であっただろうということから、遺伝子重複による自然の実験の大部分は魚類と両棲類の段階で成しとげられたに相違ないと推測できる」156-7頁

2019-08-06 17:34:55