扇状地に土砂が堆積する理由:田代博先生らとのやりとり
扇状地に土砂が堆積する理由は河川の勾配の減少ではないという指摘
扇状地の成因として「川が山から低地に出ると勾配が緩くなるので土砂が堆積する」という説明がしばしばなされる。しかし実際の扇状地とその上流の河川の勾配は、ほぼ同一か前者の方が急な傾向がある。谷が狭い山間では洪水の水深が大きいが、開けた山麓では水が横に広がって浅くなることが堆積の主因。
2014-05-21 18:05:43高校の地理の教科書や国土地理院のホームページで勾配の減少が理由とされているという田代先生のレス
@ogugeo T書院のBは「流れが遅くなるため運搬力が・・・」(勾配には触れていません)。N書店Bは「傾斜が急にゆるくなるため」と従来型の表現ですね。国土地理院のwatchizu.gsi.go.jp/riyou/katuyou/… も従来型ですね。
2014-05-21 19:21:51@fujiyamao 情報多謝です。これはまずいですね。1933年の地理学評論の論文で、地形図の計測に基づき、扇状地で勾配が緩くなる傾向はなく、むしろ急になる場合があると指摘されています。jstage.jst.go.jp/article/grj192… 今計測し直しても結果は同様になります。
2014-05-21 19:46:07話が三角州に発展
@hajimebs 三角州は海(もしくは湖)の作用が強く関与して形成される地形なので、扇状地とは異質です。また、三角州のすぐ上流にある地形は、沖積平野や扇状地といった川幅を制約しないものなので、扇状地の場合のような川幅が急変する効果はほとんどないと考えて問題ありません。
2014-05-21 21:29:52話が長野県諏訪市の事例に発展
@ogugeo これは眼から鱗でずっと気になっていますが、角間新田〜清水・元町あたりの地形はどうしても、勾配を見てもそうなっているとは思えないんですが、扇状地部分に脇からも数本の川が流れ込んできて堆積いるからでしょうか?
2014-06-05 20:02:16@kuroinuz 扇状地と言えるのは最下部の清水町のあたりだけですね。真澄の酒蔵があるあたりが末端で、湧水あるいは浅い地下水を使って酒造が始まったのだと思います。角間新田のあたりは確かに山間にしては谷が広いですが、土砂が多量にたまっている状況ではないと地形からは判断されます。
2014-06-06 21:58:29@ogugeo なるほどです。その後、大和の千本木川付近、土田君の家のそばを見てみましたが、こちらは、言われた通りで川筋と扇状地がほぼ同じ勾配でした。
2014-06-07 00:00:06田代先生が地形データとソフトのカシミールを使い、国土地理院が取り上げた典型的な扇状地の地形断面を作成
@ogugeo カシミールで京戸川の断面図を作ってみました。ちょっとびっくり。勾配は均一ですね。百瀬川でも同様です。先入観は怖い!カシミールはすごい! M大のカシミール実習の課題の候補にします(^_^)。 pic.twitter.com/lLOEMK6NYG
2014-05-21 21:09:31国土地理院に修正を要請、対応開始(実際にすぐに修正がなされました)
@fujiyamao 確認ありがとうございます。説得力の高い作業と図ですね。 @geo80k さん、@_hfu_ さん、watchizu.gsi.go.jp/riyou/katuyou/… にある勾配に基づく地理院の説明は、書き換えないとまずいです(これの上につながっているやりとりもご覧下さい)。
2014-05-21 21:33:53@ogugeo @fujiyamao @_hfu_ たまたまやりとりを拝見していましたので、ああこれはこちらにも波及するなぁと思っていたところでした。明日、関係者に確認させます。
2014-05-21 21:43:23