@PCengineerX 氏による原発やその他発電インフラのお話
脱原発と同時に唱えられている「電力の自由化」は、すでにエンロンなどで大問題になった。日本でこれやると、自由化に伴う犠牲と現在の高品質な電力供給を支えられるのかってのは全く持って不可能になる。
2011-08-02 04:18:03日本の送電網は周波数と電流の品質維持でがんばっているから安定して精密加工機械や半導体製造がきっちりと稼働している。これが不安定になるとどうなるかは四日市の東芝工場の停電ですでにわかる。仕事にならない。
2011-08-02 04:19:39何らかのトラブルで発電と送電が完全に停止してから再開するのに必要な電力量など通常送電よりも大きくかかる。ポンプを止めてからもう一度大量に水を送り出すのにすごく力が必要になるのは理解できると思う。つまり自由化においてそのあたりの保証がない。
2011-08-02 04:19:59さらに言えば、発送電分離に伴って発電と送電が別会社になるという事は、送電会社も利益を上げて、なおかつコストを回収しメンテナンスしていく必要がある。
2011-08-02 04:22:44だが、この「利益を上げる」、「メンテナンスをする」という点で現在の相互融通可能なシステムと共通性を維持していけるのかというインフラの基本的な点はあんまり議題に上らない。太陽光発電にしろとても重要な要素なんだけど無視されている。
2011-08-02 04:23:54「脱原発」でよく言われていた埋蔵電力も戯言。電源には「常用電源」、「予備電源」「緊急時電源」があり、これらひっくるめて自家発電と今言われている。しかし、売電などで可能でありなおかつ配線があるのは「常用電源」のみ。それも法令がある。http://t.co/BWIxwP1
2011-08-02 04:25:18法令にしろきちんと読み解いていくと、これは稼働時間やその限界と燃料の保管に対する安全性など、いくつもの問題点や不可能である点がきちんと出てくる。メンテナンスにおいても、稼働時間ごとに取り決めがありこれに基づいてメンテナンスされる。
2011-08-02 04:27:48大出力の切り札であるガスタービンも、稼動時間後とのメンテナンスが大事で基本的にこれはメンテ済みとの入れ替えが基本になる。つまりメーカーでばらしてメンテして整備した物と入れ替えるがメンテそのものがそこまで大変だという事でもある。
2011-08-02 04:29:50発電に伴う燃料の量に関しても実は興味深い物がある。アメリカの主力戦車、M-1A1改良型から搭載されている電力専用補助動力搭載で、一日につき主動力ガスタービンだけに頼るのに比べて600リットルの燃料節約ができている記事がある。
2011-08-02 04:30:21つまり、ビル用自家発電でガスタービン使っていたりするところは、それだけ燃料ロジスティクスで負担を背負う量の一端が出てきたと言える。ちなみに、M-1の総搭載燃料は、この改修型で1680リットル担いで走り回り350km走れるとなっている。
2011-08-02 04:30:45電子機器の増加、それの保護のための空調の増設と増強で増えた電力消費をUAAPUと呼ばれる小型ガスタービンと発電機の組み合わせでバッテリーへの電力を供給している模様。つまりガスタービンは小型でもそれだけ燃料消費する大食らいで、走り回るための主動力と発電用を分離して賄って節約している
2011-08-02 04:31:01空中給油によって燃料を補給できれば、理論上は無限に飛び続けられると思われがちだが実はこの初期の機種は機械作動油の補給が必須でその補給とメンテで時間制限があり必ず降りなければならないという制限があった。
2011-08-02 04:34:33つまり、自家発電において燃料だけがクローズアップされがちだが機械作動油、ぶっちゃけていえば潤滑油はとても大事であるし補充とその管理も必要になる。
2011-08-02 04:36:35この潤滑油が原因の事故をあげるとすれば、潤滑油の喪失によって高速回転しているベアリングや軸支え、あるいは発電機に繋がるギアボックスが焼き付きを起こすのである。これによって軸そのものが固定され凄まじい力で引き裂き爆裂事故が起きるのである。
2011-08-02 04:39:41それだけの課題を背負いつつ、家屋に屋建築物で燃料を保管する自家発電ではどうなのか?実は消防法などの制限と厳重な安全管理が要求される事になる。このHPの下の方に記載されている。http://t.co/AvzHPeG
2011-08-02 04:40:56さらに、自家発電を支える燃料の輸送においてこういった危険物取り扱い上の制約もある。ロジスティクスにおいても大変な重荷を負担する結果に繋がる。http://t.co/BbyRKO2。なお、大量の潤滑油もこういった輸送の問題がある。
2011-08-02 04:41:43これだけの制約の中で配線すらしてない自家発電まで計算に入れて供出を要求し「埋蔵電力」として運営した場合は、各種法令に対する違反と危険な行為を強要したという結果を招くわけだが、このあたりについてきちんと検討し解説された方はいるのだろうか?単純な定格出力の積み上げでは無意味なのだ。
2011-08-02 04:42:54発送電分離と自由化、アメリカとか海外を引き合いに出す場合の違い。致命的なまでの条件の違いでガスとそれを使った分散コジェネが不可能であること、スマートグリッドを使ってもほとんど意味がない現状も無視されている。
2011-08-02 04:43:21アメリカの場合、大規模天然ガスパイプラインなどで全国に燃料を供給し、火力発電を制御しより効率よく運用する余地があるのでスマートグリッドが有効である。では、日本はどうだろうか?
2011-08-02 04:43:41自国で生産のアメリカと違い、日本はそうでなく全部輸入で、しかもパイプラインでの全国の相互供給網なんて無い。地形の問題、土地の権利の問題などで障害がある。さらに言えば陸上輸送にしろ海上での小分け内海輸送にしろ、燃料の体積と重量は輸送上における効率の障害になっている。
2011-08-02 04:44:36日本の場合は、すでにスマートグリッド並みの効率に迫る勢いで制御されている点は無視できない。スマートグリッドとして展開するのであれば日本の場合は超伝導蓄電並みの高効率蓄電システムが必要になる。
2011-08-02 04:45:05超伝導送電の場合は大変厳しい現状が立ちふさがる。なにしろ、送電の配線を冷却し超伝導状態を維持するためにはちょっとしたパイプライン並みの敷設をしなくてはならないからだ。これは地形と土地の権利問題に安全も問われる。
2011-08-02 04:48:38