【国語教育】光村図書小5教材・朽木祥『たずねびと』をめぐって
広島平和公園にかつて住んでいた方から、昔の町の様子、子ども時代のことなどの証言を聞く活動をしています。映画「この世界の片隅に」を応援しています。
光村図書の新教材である朽木祥「たずねびと」の主人公は、被爆地ではない隣県(おそらく岡山か山口)に住む現代の子供である。このように時間的・空間的に戦争から乖離した主人公の存在は、学習者の同化する読みを喚起し、現代における戦争児童文学教材の一つのあり方を示しているように感じる。
2021-02-01 15:14:34【たずねびと 第1時】 今日は初読の感想を書くのみ。 と、言っても初読段階で変容を考えるのはいつもやるので、それも書いています。 6割の子がノート1ページを書いていた。 成長してる。
2021-08-27 21:03:48【たずねびと 第2時】 綾が出会ったものなどを取り出す。 子どもから「つまんない授業だった」と言われた。そうですよね。そう思った。 今日のを布石に、明日、リベンジする! *写真はイメージをもつのに必要でした。 pic.twitter.com/CNqjxJV63N
2021-08-31 17:48:14【たずねびと 第3時】 前時の振り返りにあった「ポスターの名前がただの名前ではないように変わった」を取り上げスタート。 ただの名前でなくなったとはどういうことかを話し合う。 1枚目のクラス:発言出ず… 2枚目のクラス:場所を確認して同展開。追悼祈念館で見た顔とつなげる考えが出てくる。 pic.twitter.com/03i0Gdq4dl
2021-09-01 17:47:50「たずねびと」の教材分析表が完成しました。 #国語 #光村図書 #5年生 #たずねびと pic.twitter.com/smMbSZ8P03
2021-09-01 19:43:405年国語「たずねびと」 物語の最後、主人公の綾の目に映っているのは何だろう?考えられるものを全て挙げよ。 あるいは、 物語を通して、綾が手に入れた「力」は何か?出来るだけ短く、一言でまとめよ。 みたいな発問がしたい。 見えないモノを見ようとする綾。 うーん、天体観測。
2021-09-01 20:31:55RT、朽木祥「たずねびと」は小学校5年の教材。楠木綾という主人公の少女が原爆供養塔の名簿の中に「楠木アヤ」という同い年の少女の名前を見つけ、それをきっかけに原爆の跡を訪ねていく、というストーリー。 なかなか難しいところがある戦争教材。教育実習でこの物語を担当する人、頑張ってほしい。
2021-09-02 03:13:15授業とはたぶん関係ない話だけれど、「たずねびと」は固有名=固有性をめぐる葛藤の物語として読めると思う。固有名とは交換不可能な「この自分」を示す徴(しるし)だが、それは記号である故に、同姓同名の人間が存在すること、すなわち交換可能性を免れない。
2021-09-02 03:14:43楠木綾は、「楠木アヤ」という名前を原爆供養塔の名簿の中に見つけてしまったために、「自分はたまたま今ここに生きているが、運命が少し違えば自分は彼女だったのかもしれない」という偶有性/交換可能性の揺らぎを感じている。
2021-09-02 03:16:40自己の存在が偶然にすぎないという事実は、「それでもやはり自分は『この自分』なのだ」という交換不可能性=自己への認識と、「自分は別の彼/彼女だったのかもしれない」という交換可能性=他者への認識の両方を生み出す。「たずねびと」の主人公の綾は、その大事な瞬間に立ち会っているように思う。
2021-09-02 03:17:22「たずねびと」で思い出すのは、この論文 doi.org/10.24525/jaqp.… 。 「過去を非当事者が語り継ぐ」という、「自分と無関係な出来事を、自分と関係づけていく」こと。 今の時代に「あの戦争」を題材にするときに重要な視点ではないかと思っています。本来はあらゆる社会事象と向き合う点で。 twitter.com/ChidaHiroyuki/…
2021-09-02 06:28:25「ヒロヒマのうた」でも名前が大事ですよね。 ミ子とヒロ子、同じ人の異なる名前。 twitter.com/minamiurya/sta…
2021-09-02 11:56:46小学校5年生国語の物語教材「たずねびと」の授業を考えてみました。 小学校5年生国語物語「たずねびと」の授業 「そんなこと」とはどんなことなのか? youtu.be/Fia59j11WGk @YouTubeより
2021-09-02 18:08:36【たずねびと 第3時】 最後の1クラス。 昨日の2クラスとは大幅に変更。 いつ「ただの名前」と思わなくなったか?を主発問にする。 結果的には、この発問の方がそれぞれの場所の綾の思いと子どもたちの解釈が出てきてよかった。 「名前があるから迎えに来てもらえる」という発言にはしびれた。 pic.twitter.com/GKCxrTCjFO
2021-09-02 18:38:40【たずねびと 第4時】 板書の構造はいつ変わったかを問うたクラスと同じ。発問が違う。このクラスは前時でただの名前でないの意味を考えたので、なえ変わったかを考えることにした。 三箇所の思いを出しながら、全てが重なるとの発言。また、供養塔のおばあさんの話で綾がアヤを受け継ぐには驚いた。 pic.twitter.com/wUlZMhoBVZ
2021-09-02 20:41:09第三世代戦争児童文学は、もう当事者自身が語りの主人公から【引退】せざるを得ない状況と取っ組み合ってる。岩田くんちのおばあちゃん然り、たずねびと然り。今を生きる小学生に語らせるしかない…それを可能にする物語のフレームを探究し続けている。
2021-09-02 20:57:33で、あやちゃんの旅は、当然汝選ばれし勇者よ!の文法です。呼びかけが向こうから来るんです。世界の向こうから窓(ポスター)が開いて。夢告が、強く呼ぶんです。もう1人のあやちゃんと出会うたびに。
2021-09-02 20:57:34難波さんが言ってたヒロシマのうたは、第一世代最後ごろ。自分が見た投下直後のヒロシマの体験を20年かけてようやく言葉にできた。血の滲むような当事者の語り。そして出会った1人の赤子。ミ子と呼ばれたサバイバーは、やがてもう一つの名前を背負う。
2021-09-02 20:57:34え?え?もしかして、朽木さん。ヒロシマのうたへのオマージュなの?これは?まじで?ミ子がひろ子になることで生き残ったストーリーと、生きれなかったあやちゃんとこれからを生きるあやちゃんの出会い。その両者を媒介するのが、1人のサバイバー(あのおばあちゃん)。
2021-09-02 21:01:17おばあちゃんになったひろ子(そしてミ子)は、子どもたちにどんな話をしてくれるのだろう?語り部として何を語るだろう。 ヒロシマのうたのサバイバーもまた、もうすぐ退場するのだ。
2021-09-02 21:01:175年国語、たずねびと 子どもとの授業を通して、「綾が身に付けたのは、一言で言うと想像力」というまとめに。 では、想像力が至らなかった頃の綾が描かれた具体的な叙述はどれだけあるか? 反対に、身に付けた想像力が発揮されているととれる叙述は? なんか宝探しみたい。
2021-09-04 11:00:38