鏡の国の王子さま(仮)・現在進行形共同作品(非公式)古い順1

鏡の向こう側にうっかり足を踏み入れたギニュー特戦隊&ザーボン。 彼らが見て、出会ったものとは? 紗羅香とザーボン王子が共に綴り、互いの世界を『鏡』を介して共有する小説。 実況ツイート式でお届けします。 続きを読む
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@Z0211_2

気持ちが落ち着いたジースは、ふとあることに気付く。「そういや、変だよな~・・・俺、かなりのスピードでここまで来たんだぜ?城にいるはずのギニューさんが来られるわけないじゃん?そんでもって、服も変じゃね?肩パットイカツいしさぁ・・・」 #sarass

2011-08-22 00:32:02
@Z0211_2

ジースは我を忘れ、まじまじとギニューを観察しまくる。ちょうどギニューの顔を覗き込んだ時だ。「パチッ」突然ギニューの目蓋が開かれた。「ん~???」ぶつかり合う目線に一瞬のことで何が起きているのか分かっていなかったジース。「わ!わああ!!」 #sarass

2011-08-22 01:00:52
@Z0211_2

叫ぶと同時に後ずさりするジース。恐る恐る近付き、ギニューに声を掛ける。「あ、あのぉ~・・・ギニューさん??な、何してんすか・・・?こんなところで・・・」 #sarass

2011-08-22 01:02:42
@Z0211_2

その頃、王子の怒りを買った(とばっちりとも言う)リクームとバータは庭園の倉庫に向かって歩いていた。二人は「なんだよ、王子のやつ!俺たちが何したってんだよぉ!」「完全にとばっちりじゃねえの?」などと文句をぶつけ合いながら、倉庫に到着した。 #sarass

2011-08-22 09:12:08
@Z0211_2

バータは倉庫入り口手前のガーデニング道具の入っている箱から剪定ばさみを取り出した。「確かにバラの棘は痛えからな。仕方ねえから手入れしてくるか。」そう言うと、 ウエストバッグを腰に着けると倉庫から出て行った。 #sarass

2011-08-22 09:31:37
@Z0211_2

倉庫の奥の方に入っていたリクームは、ホースを肩に掛け、デッキブラシとバケツを持って出て来た。扉に鍵を掛けながら、「確かに苔なんかない方が綺麗だもんな。仕方ねえから掃除してくるか。」そう独り言を言うと、倉庫を後にした。 #sarass

2011-08-22 09:36:35
@Z0211_2

池に着いたリクームは持って来た道具を地面に置いた。汚れている箇所を確認しようと、池を覗き込むと、泳いでいる魚が目に入った。そして、「あ!魚がいたんだったな!網持って来るの忘れちゃったぜ!」と肝心なことを思い出したリクームは急いで倉庫に網を取りに戻った。 #sarass

2011-08-22 09:55:31
@Z0211_2

倉庫から網を持って、池にもう一度やって来たリクームは着ているつなぎの袖と裾を捲った。「さーて、始めるか!お魚ちゃんたち、覚悟しなよ~!」そう張り切ると、網で魚を掬い始めた。かなり大きい池に泳ぐ200匹近い魚たちをあっという間に全て掬い上げ、バケツに移した。 #sarass

2011-08-22 12:19:11
@Z0211_2

「はーぁ。張り切ったらちょっと疲れちゃったなぁ~!」リクームは池の水を抜く前に少し休憩を取ることにした。池の目の前にある大きなベンチに寝転ぶとすぐにイビキをかき始めたのだった。日差しは暖かく、絶好の昼寝日和だ。そんな穏やかなお昼寝タイムをリクームは楽しんでいた。 #sarass

2011-08-22 12:28:27
@saraka4237

「…ったく。なんでオレたちが掃除をしなきゃならねぇんだよ!」 ジースは文句を言いながら、パタパタとハタキを掛けていた。 モップを使って床を磨いていたバータは、 「うるせぇな~!いちいち文句を言うなよ。オレだって嫌だぜ!」 ジースを睨み付けて言った。 #sarass

2011-08-22 12:48:59
@saraka4237

二人はザーボンの部屋を掃除していた。 もちろん、初めは自室の掃除をしていた。 そこへザーボンが通りかかり、ついでとばかりに頼んでいったのだ。 自分たちの部屋掃除すら嫌なのに、何故、こんなヤツの頼みを聞くことになったのか。 #sarass

2011-08-22 12:49:29
@saraka4237

それは……『私の部屋の掃除をしてくれたら…最高に美味しい菓子をやろう』 この言葉に誘惑され、二人はふてくされながらもザーボンの依頼をこなしていた。 #sarass

2011-08-22 12:49:45
@Z0211_2

そんな暖かく穏やかに流れる時間は、「ドボーン!!!」という音であっさりと終わりを告げた。「おおい!!このリクーム様の眠りを妨げたのはどこのどいつだぁー!!!」大声を上げると共に飛び起きたリクームは音のした方へとドスドスと足を運んだ。 #sarass

2011-08-22 13:02:03
@Z0211_2

大きい音は池の方から聞こえたのだった。揺れている水面から想像すると、池の中だろう。リクームは池に向かって「おらおらー!!出てきやがれー!!水の中にいるのは知ってんだぞー!!」と叫んだ。しかし、返答はなく、何か現れる気配もなかった。 #sarass

2011-08-22 13:15:10
@saraka4237

ザーボンの部屋には、たくさんの鏡があった。 常に美しさを追い求める男には必需品のようだ。 逆に、特戦隊メンバーの部屋には鏡が無い。 あるとすれば、バスルームかロッカールームくらいだろう。 #sarass

2011-08-22 13:42:16
@saraka4237

「オレ、鏡を磨くの…実は好きなんだよな~!」 特戦隊のイケメン担当(自称)のジースは、ニコニコしながら言った。 鏡に「はぁ」と息を吹きかけ、布で擦る。 キュッ、キュッとなる音が心地いい。 #sarass

2011-08-22 13:43:27
@saraka4237

「よし!キレイになったぞ!」仕上がりを見て満足する姿は、とても悪の集団に組みする人間には見えない。 #sarass

2011-08-22 13:43:42
@Z0211_2

「ん~?気のせいだったか~?」何も変わらない状況にリクームは首を傾げながら踵を返す。自分の眠りを妨げた音のことなどもう既にすっかり忘れ、池の掃除を始めるところだった。そして、張ってある水を抜く為に、ライオンの水栓の裏側のボタンを押そうとしたその時だった。 #sarass

2011-08-22 13:46:53
@Z0211_2

池にふと目をやると、ぷかぷかと何か浮かんでいるのだ。少し前までは何もなかったのだが。「はぁ~」とため息をつき、一つ増えた仕事をリクームは仕方なく先に片付けることにした。網を手にし、そのぷかぷか浮かぶ何かに向かって投げつけた。 #sarass

2011-08-22 13:59:57
@Z0211_2

「よーしっ!」そのぷかぷか浮かぶ何かは、リクームの並外れたコントロールでうまく網に引っ掛かった。そのまま網を引っ張り上げる。引っ張り上げたそれを網から出そうと網を開いてみる。「なんだぁ~?おいおい。お前かよぉ~・・・」 #sarass

2011-08-22 14:07:29
@Z0211_2

網に引っ掛かった何かは・・・・・「グルドじゃねえかぁ・・・何してんだあ?泳ぎたくなったのかあ?」グルドであると分かったリクームは話し掛けた。しかし、気を失っているのか、返事はない。網から出したグルドの片足を持ち上げ、逆さ吊り状態で振ってみる。「グルドー?!」 #sarass

2011-08-22 14:18:21
@Z0211_2

「変わった水着着てんなー?まあいっか。そこのベンチで寝てろ。」リクームは掴んでいたグルドをベンチに向かって放り投げた。絶妙のコントロールでうまくベンチに寝かせる形に投げたリクームは満足気に池掃除を始めたのだった。 #sarass

2011-08-22 14:25:44
@saraka4237

「どうだ?綺麗になったか?」 部屋に入ったザーボンは、鏡の前で誇らしげに立っているジースに声を掛けた。 「ほら、見てみろよ!ピカピカだろ!」 ジースは自慢げな顔で鏡を指差す。 「ほう…貴様にこのような特技があったとはな。ただの菓子好きではなかったワケか」 #sarass

2011-08-22 15:05:27
@saraka4237

褒めているのか、けなしているのか、ザーボンはよく見ようと鏡に近づいた。 その時、ドアの向こうから怒鳴り声が聞こえてきた。 #sarass

2011-08-22 15:06:24
@saraka4237

「ジース!バータ!きさまら何をやっとる!」 「ズルいぞ、二人とも!オレにも美味いお菓子を食わせろ!」 「はぁ~い、ザーボンちゃん!久しぶりだな~!」 耳障りな声にザーボンは溜め息を吐きながら、「うるさい連中が増えたぞ…」と、呟いた。 #sarass

2011-08-22 15:07:05
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