「ゲーデル問題」問題にみるサイエンスコミュニケーターの資質とその在り方

ゲーデル問題問題ってネーミングセンス悪いよね 頭悪く見えるから誰かもっといい名前につけかえてよ
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くるる @kururu_goedel

いや、むしろ今後はゲーデル的うんたらという言葉を見たら積極的にそう解釈する。

2010-05-03 20:34:16
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

先日,TLを賑わせていた「ゲーデル問題」についてのTogetterまとめ「ゲーデルと思想まわりの用語について」を読む http://bit.ly/8ZQsdv とても長い「まとめ」なので, @tricken がまとめを要約中.

2010-05-04 07:09:13
僭越研究者 @thinkeroid

おなじみの数学者は先だって「数学ガールもいいんだけど岩波のゲーデル素晴らしい。(註:この辺で既に数学ガールどうでもよくなってる)特に解説は一つの論文に匹敵するぐらいの力の入りよう」だと言っていた。

2010-05-04 07:12:36
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

端的な理解としては,「ゲーデルの不完全性定理などの数学用語を,思想コミュニティが比喩として利用する際の不正確性=用語の運用法」と「ゲーデルを冠する用語を用いて,思想コミュニティが何を考えたいのか=(運用の問題を別として)何を指しているか」の2点について議論されていた

2010-05-04 07:17:07
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

例えば「DNA・遺伝子・進化」などの生物学用語は思想コミュニティのみならず一般社会でも利用され(例:ソニーの遺伝子,イチローの進化),当然これらの利用法は比喩としても確実に間違っている.

2010-05-04 07:24:06
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

しかし,どこまで用語を厳密に利用すべきか,用語が名指そうとしているのは何か,誤用も含めて本来とは違う場で利用される流れにどういう意味があるのか,それに対して科学者・非科学者はどう向き合うべきか. @t_hayashi さんのつぶやきから考えることは多い.

2010-05-04 07:28:15
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

ある数学・科学用語を別の場面で利用する場合(ほとんどの場合,本来その用語が持つ厳密さほどには厳密に利用されない),どこまでの使い方を許容し,どこからは拒絶するべきなのか.明らかに良い/ダメな場合は分かるだろうが,今の自分には線引きの基準がない(ケースバイケース)

2010-05-04 07:35:13
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

(以下、僕の見解)以上にみてきたように、この「『ゲーデル問題』問題」とTL上で約めて言われる論争は、「元の術語の厳密な解釈とその適用を前提とするコミュニティ」と、「その術語の意味が(ある面において)無視されるコミュニティ」との間の緊張関係として見るべき。

2010-05-04 07:38:36
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

@tricken ちなみにtrickenさんは,今回の事例に関していえばどちらのコミュニティ側に立ちますか?もちろん完全にどちらかではなく,中間ではあると思うのですが.

2010-05-04 07:41:01
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

たとえば「精神分析」という語用などもそうなのだけれども、psychoanalysisというtermは、元の定義と使用を超えて色んな文脈に使われてきた。その意味の変遷について、フロイトの定義を言ってもしょうがない。(社会科学の「言説分析」は、こういう伝播・変遷を見る時に使います)。

2010-05-04 07:41:04
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

@popeetheclown 究極的には林さんの側ですよ。だって僕も、最近出た批評に対する「社会学用語のずさんな引用」は、表では書けないくらいdisり倒しましたからね。

2010-05-04 07:42:17
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

今回のゲーデルの場合は、彼の業績が厳密な公理系に沿った論(というか「証明」)であるだけに、自然言語での思考に移植しようとするだけで「別の系(system)にむりやり乗せてしまう、ということになってしまう。つまり「ゲーデル的」と言うだけで、数学独自の系を無視することは避けられない。

2010-05-04 07:46:36
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

@tricken なるほど.生物学用語の場合,ずさんな利用・解釈が誤解を生み出すだけでなく,誤解が研究自体への謂れなき圧力へと変わってくる部分を危惧しています.

2010-05-04 07:47:53
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

しかし、 現代思想には現代思想なりの術語同士による系があるとすれば、(結局レトリックとしては無理やりであるとしても)その思想の系の内部では内的整合性があるのではないか、と言う話でもある。これは、人工言語X(数学)と人工言語Y(現代思想)のあいだの関係を念頭に置くとよい。

2010-05-04 07:51:36
僭越研究者 @thinkeroid

@popeetheclown 「進化」だけに限って言うと、現時点では概念として成立していて比喩として成立するかどうかまで判断できるけれど、前世紀中葉まで術語と日常語は並走していたし、術語としての大きく概念が変貌していた。

2010-05-04 07:52:14
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

人工言語の系X(数学)、系Y(日本現代思想)、系Z(アカデミックな哲学)とがあるとして、人工言語系Yは、系Xや系Zにおいて(も)蓄積されている「ゲーデル」と「脱構築」とを接合して、どんな内的議論を展開したのか? それに誰か答えてくれませんか。林さんの質問はこれだと理解している。

2010-05-04 07:55:35
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

まあ、「独自に人工言語系ほにゃららを作るのであれば、先行して超厳密にやってる人工言語系のterm(音韻も記述も同じだったりするもの)に一応注意を払って、その上でなんかすごく認識利得をもたらすような仕事してるのだったら文句は言わないよ」って感じですよね。現代思想への文句って。

2010-05-04 07:58:22
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

ところが現代思想のの方々は、人工言語の内的整合性より、むしろ「人工言語を想定しないgdgdの日常言語(系など想定しようがなく、〈術語〉(technical term)という発想など通用しない!)というようなところへ、思考に風を巻き起こすようなものを送るという目的意識もあるようで。

2010-05-04 08:00:26
Hiroshi Sasaki @popeetheclown

@thinkeroid 同じことは「遺伝子」にも言えて,生物学の教科書を当たる限り,(現在の)遺伝子の定義が確立したのはここ30年程度の話だし,最近になって概念がゆらぎつつある部分(ncRNA etc)もある.生物学用語は得てして曖昧性が大きい分だけ,問題が複雑になるね

2010-05-04 08:00:37
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

つまり現代思想の担い手が、「厳密な系(system)によるアカデミックな探求」と「アカデミックに所属するとも限らない人びとによる日常言語(系は無い)によるさまざまな思索」とのあいだをmediateしたがっている限り、どうしてもこの問題は不可避じゃないの、とも思う。

2010-05-04 08:02:31
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

今までの解説で僕は、一貫して〈術語〉(=自然言語をもとにある人工言語の系を構築して、それをもとに議論を進める際に定義される語彙)と〈表象〉(=人工言語・自然言語の使用において、ある語彙に別の意味が付加され伝播していく語彙の社会的側面)の両方に注意を払ってきました。

2010-05-04 08:07:42
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

単なる自称・メディエータの欲望の可能性も高い。また、その欲望を実現するのはその読者以外にいない、という点では、はなはだ届きにくい。RT @min2fly: @tricken ふむ。mediateになっているのでしょうか?

2010-05-04 08:08:49
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

だから、〈術語〉を重要視する人も、(専門外の人とコミュニケートしていく際には)自分らの〈術語〉が〈表象〉に巻き込まれていくことを避けることはできない。一方、自分なりに思考をしている人も、先行する〈術語〉を無視して、なんでもコンテクストだ、相対的だ、で論じることはできない。

2010-05-04 08:10:49
僭越研究者 @thinkeroid

@popeetheclown 科学と科学コミュニケーションの関係に似ていないか? 抄RT @tricken: 現代思想の担い手が、「厳密な系(system)によるアカデミックな探求」と「…日常言語(系は無い)によるさまざまな思索」とのあいだをmediate

2010-05-04 08:11:30
tricken(Tw以外の居場所は固定参照) @tricken

だから結論としては、自分がどの〈術語〉の系にもっとも影響を受けているかを自己分析した上で、他者がつかっていることばの意味を、(それに付加されてきた社会的な意味も含めて)腑分けしていくしかない。その意味で、自分の専門を意識しておくこと、ある特定の術語下で訓練を受けることは重要。

2010-05-04 08:13:07