- somali_bleu
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以前にテレビでそう解説したらTwitterで「当たり前じゃん」って批判してきた人がいたけど、どっこい全然当たり前じゃないんですよ。「人間の感情の襞や人間ドラマを音楽で描く」という意図は18世紀のオペラではなかった。バロック時代のオペラなんて第一義的に「歌の妙技を聴かせる」ものですから。→
2022-05-10 11:37:59じゃモーツァルトはどうなんだ、ということになりますが、つまりモーツァルトの凄さはそこにあるわけで。いわゆるベルカントオペラだって「ベルカント」であることが中心なわけで、例えばベッリーニは感情表現に重点を置いたから現在でも(ここ大事)評価されている。→
2022-05-10 11:39:50歴史にはそこに名前が記されたごく一部の人と、記されなかった多数の無名者がいる。その一部の人だけがジャンルを代表しているわけではないというのは常識ですね。話を戻すと音楽史的に「音楽でドラマを描く」というのを意識的にやったのはヴェルディということになってます。19世紀の人。最近です。→
2022-05-10 11:42:15ただ、じゃあ18世紀以前のオペラは感情表現とかどーでもいーのかというと勿論そうではなくて、そういう視点から改めてみてみるとモーツァルトにしろ、ヘンデルにしろ、十分にドラマや感情を表現していることがわかる。そこでそのように演奏し、演出する必要が出てくるのだと思います。→
2022-05-10 11:44:10ミュージカルとオペラの話からはそれましたがw 最後にあるオペラ歌手の言葉。「例えば”何て美しい青空”というテクストが歌われるときに、青空の装置はいらない。なぜなら音楽に既にキチンとその青空が描かれているから」これこそがオペラの本質だと思います。→
2022-05-10 11:46:16個人的にはそこがミュージカルとオペラの文節点だというふうに考えているんですが(もちろん作品によるでしょうが)、ミュージカル研究者の方のご意見を伺いたいところです。以上です。
2022-05-10 11:47:36ほぼ同意です。別の言い方をすれば、人間(の内面というより、存在そのもの)を音楽で表現する工夫としてのオペラのモチーフ主義は、合衆国ミュージカルには根づかなかった(ソンダイム、バーンスタイン例外はいくらでもあるけど)。人間を描くのは地の台詞でいいよ、という思い切りがその特徴だった。 twitter.com/naokobuhne/sta…
2022-05-10 12:13:33付言すれば、合衆国ミュージカルは(オペレッタ同様)「絵解き」ならぬ「音楽解き」として地の台詞がある。音楽だけではわけがわからぬ「大衆」のために散文の台詞が説明してやる。統合ミュージカル論者がしばしば前提とするように、地の台詞による対話がまずあり音楽がその後に挿入されるのではない。
2022-05-10 12:20:11音楽(や韻文)の表現は高級だが、散文は下品というヨーロッパ文藝の伝統にのっとりオペラは人間を音楽(と韻文)で表現する。オペレッタとそれに影響を受けた合衆国ミュージカルは気取らずに「音楽でわからないことありますか、台詞で説明しますよ」と観客のところに下りてくる。でもメインは音楽。
2022-05-10 12:23:47メインは音楽だったはずなのに、合衆国ミュージカル黄金期はミラーウィルアムズはじめリアリズム台詞劇の全盛期でもあった。散文の台詞で人間を描くという偉業をミュージカルでもやろうと作り手たちは考えはじめ、実際にやってしまった。そこで認識が逆転する。ミュージカルではまず台詞を人間を描き、
2022-05-10 12:33:10その昂揚した瞬間を”transpose”し音楽/ダンスに移し替える。だからこそナンバーへの自然な移行が重要だと考えられ統合ミュージカルが正解だとされた。技藝の披露から内奥にある本質を「表現」する方向に「進化」したのはオペラもミュージカルも同様だが後者は表現手段を音楽でなく台詞に乗り換えた。
2022-05-10 12:38:21@hbnk 雑なクソリプですみませんでした。ただレチタティーヴォは音程があり、リズムがあり、拍子がありさらに日常会話とは距離のあるいわゆるオペラの発声法で発信されるため、「喋る」と「歌う」に間に断絶を感じてそこを飛び越えるのが奇妙だという見方をするとするならば、
2022-05-10 13:33:09@hbnk レチタティーヴォはその断絶の「歌う」側の行為として認識されるのでは、と思っています。ただ例えば笑っていいともにオペラ歌手は出てこないからタモリはオペラについて表明することがなかった、一般的に存在そのものが認識されてない、という方が妥当だと思いますが。
2022-05-10 13:38:48@hbnk ミュージカルは奇妙だけどオペラは奇妙ではないにではなく、オペラは視界にないという方が残念ながら妥当かと
2022-05-10 13:40:41面白いです。レチタティーヴォは歌うように話すのか、話すように歌うのか。由来は前者だけど、後者だと思ってる人が多いから「オペラではずっと歌っている」という認識が生まれる。ちなみに地の台詞にも音程があり、リズムがあり、拍子があります。記譜の有無が問題でないことは言うまでもありません。 twitter.com/zdenko23519203…
2022-05-10 13:57:00レチタティーヴォをなくす方向に行くのがオペラ、と言うのは室田さん@naokobuhne のご指摘の通り。一方でsung-through musicalsも『キャッツ』はじめいくつも例がある。 あとは『ポーギーとベス』やハマースタイン『カルメン・ジョーンズ』をどう考えるか。
2022-05-10 14:01:10