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著者が強く願うのは、引用のテクストを急がずゆっくり読んでほしいということである。ことごとしい議論より、匂いも手触りもある小説のテクストそのものを読むよろこびこそ大切である。物語論は、豊かで刺激に満ちたテクストについて語る、道具の一つにすぎない。 (菅原克也『小説のしくみ』4)
2022-05-03 16:12:15異なる物語同士の比較対照や共通性の認識が可能となるよう、一般化、抽象化の度合いを高めつつ物語内容を記述しようとする立場があるが、そうした態度は小説のテクストを読む場の関心からはやや遠ざかるように思われる。 (菅原克也『小説のしくみ』24) まさに。
2022-05-05 12:27:31日本語で書かれたテクストの場合、ひらがな、カタカナ、漢字の量的比率、あるいはルビのあるなしなど、テクストの外見的特徴、外見的印象が読書経験に及ぼす力は大きい。 (菅原克也『小説のしくみ』31)
2022-05-05 12:30:15テクストを読むにあたり、テクスト自身から期待される読みの方向を見いだすこと。それは、テクストに内在するいかなる思考様態、いかなる価値観に同調を求められているかを(あくまでテクストの内側において)見きわめることである。 (菅原克也『小説のしくみ』61)
2022-05-05 12:32:31階位を異にする二つの語りを担うのは、外枠の物語の語り手(語り手1)である物語世界外で語る物語世界に属する語り手と、埋め込まれた物語の語り手(語り手2)である物語世界内で語る物語に属する語り手である。 (菅原克也『小説のしくみ』120) 理解はできるんやけど、記述がややこしいな……
2022-05-06 12:39:02これが枠物語と認められるのは、外枠の物語世界に、語り手の語りを受けとめる聞き手が存在するからである。逆に言えば、枠物語の構造を成立させるのは、外枠の物語世界に存在する、埋め込まれた物語の聞き手である、ということになる。 (菅原克也『小説のしくみ』126)
2022-05-06 12:52:26小説の作中人物にあっては、言葉によって語られない経験・意識が物語世界に存在するということはない。言葉で表現されないかぎり、作中人物の「心の中」は存在しない。 (菅原克也『小説のしくみ』193)
2022-05-10 15:26:51作中人物の発話は、ほかの作中人物の耳に入り、ある受けとめられ方をすることで機能を果たす。一方で、作中人物が独り言を(声に出して)言ったとしても、それがほかの作中人物の耳に届かないかぎり、発話としての機能を果たすことはない。 (菅原克也『小説のしくみ』273)
2022-05-15 21:15:35