- rouillewrite
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「─────…"ステルプレーナ・チエーロ"」 pic.twitter.com/A32eV5tbUz
2022-06-05 22:37:47「……満点の、星空って、意味。 ………君の目、夜空みたいに、キラキラしてるだろ?……ピッタリだと、思ったんだ。 …………ステルプレーナ。……だめ、か……?」
2022-06-05 22:39:55これひとつで、そういう意味の言葉。 名前だけならまだしも、ファミリーネームも含めたそれなんて、とイーライは自嘲気味に笑って問いかける。
2022-06-05 22:40:37その時、ぐっと涙を呑んで動いた彼女の左目の眼帯が取れた。 先程乱暴に涙を拭ったせいで耳にかけていた紐が取れたのだろうか。 怪我をした時からずっと隠れていたそれが、顕になる。
2022-06-05 22:41:18「…………っ。 ……いいえ……すごく……素敵です…イーライ……」 pic.twitter.com/rl0LK3Av3m
2022-06-05 22:42:11「……よかっ、……た……。……ステル、プレーナ……、………最期まで、ろくでなしで、どうしようも、ない俺のせいで……沢山泣かせて、ごめんな……」
2022-06-05 22:43:23もう、その涙を拭うだけの体力もない。 あぁ、目が霞む。 ステンドグラスの光に照らされた君が、見えなくなる。 掠れる声で、少女の名前を呼んだ。
2022-06-05 22:44:01「…………なぁ、ステルプレー、な、」 「……………はい、はい。 ここにいます。……私は……“ステルプレーナ”は、ここにいます……」
2022-06-05 22:44:31「…………君に、……出会えてよかっ、た……。………………沢山、もっと、いっしょにいたかっ、た……。虹とか、星、とか、いろんなこと、君に教えてあげたかった、………っ!ゴホッ、……ッ……ぅ、あ……」
2022-06-05 22:44:58喉も限界だと悲鳴をあげていた。 肺からなのか、喉からなのか、ヒュー……ヒュー……と弱々しい音が聞こえてくる。 もうダメだと思った。
2022-06-05 22:45:42それでも、エリーゼ───ステルプレーナの泣き声が引き戻してくる。 ずっと微笑んで、彼の言葉に耳を傾けていた少女は……ずっと、ずっと年相応の少女だった。 子供のように、泣いて叫んで。
2022-06-05 22:46:16「……………… っ、だったら……だったら………!! ───生きてくださいよ!!こんなところで死ぬくらいなら!!まだ!あなたに教えて欲しいことも!!あなたに伝えたいことも沢山あるのに!! いかないで……おいてかないでよぉ!!」
2022-06-05 22:46:45死にたく、ない。 この子を置いていきたくない。 初めて生きたいと、あの子の為じゃない、俺の人生を生きたいと思えた。 嫌だ、頼むよ神様。 この子だけは連れていかないでくれ。 大嫌いな神様。
2022-06-05 22:48:11この子は知るべきなんだ。 誰かを、自分を、愛するという事はどういうことなのか。 それを、教えて、知って、触れて、いつか、それを誰かにあげられるような子に、なって欲しいと、
2022-06-05 22:48:57