「いかに放射能が人間の体を食いつぶすか」原爆から77年でがんを発症、先月亡くなった被爆者・李鐘根さんが、最後に小川キャスターに話したこと。

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／ 「いかに放射能が人間の体を食いつぶすか」原爆から77年でがんを発症、先月亡くなった被爆者・李鐘根さんが、最後に小川キャスターに話したこと。 ＼ newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121… 7月、連日の猛暑がひと段落したその日、李鐘根さんは娘さんの押す車いすに乗ってやってきた。 #newsdig #tbsnewsdig

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柔らかな笑顔。しかし、ここには「本当は余り来たくない」と言う。そこは77年前、李さんがまだ16歳だったとき、大変な光景を目の当たりにした場所。広島市を流れる猿猴川にかかる、荒神橋のたもとだった。 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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小川キャスター： 1945年8月6日、8時15分に、そこで何を見たのか。 李さん： 「ここで、何か向こうの家に閃光…閃光という言葉も分からなかったけれども、木造の家々があの朝、黄色く、オレンジ色に変わったんですね。瞬間的に」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121… pic.twitter.com/VatsRPR8mh

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李さん： 「で、向こうの家がふわっと浮いたようにも見えましたので、これはただごとじゃないと思って、ここですぐ耳と鼻と目を閉じて伏せるんですね」。 小川： 「うつぶせになって？」 李さん： 「はい。弁当箱をそこに置いて伏せたんです」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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李さん： 「目を開けてみると、今度は真っ暗。闇夜ですね。明るくなるのをずっと待っていたのですが、約5分以上かかったと思います。だんだん明るくなってきたので立ち上がるんですけど、立ち上がったら前の家は全部倒れていました。」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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李さん： 「その瓦礫の下に私の弁当があったんですが、ここからだいたい30メートルくらい飛んでいました」 爆心地から1．8キロ。鉄道員だった李さんを出勤途中に襲った原子爆弾。爆風で30メートル飛ばされた弁当箱を探し出し、拾って歩き出したと言う。 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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顔や首は真っ赤に腫れあがっていたが、自分ではそれも見えず、大変なやけどを負っていることにはしばらく気付かなかった。 人に「真っ赤だ、それはやけどだ」と指摘されて顔に触り、刺すような痛みを感じてはじめて、やけどに気付いたという。 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121… pic.twitter.com/1S8NJld3Cw

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李さん： 「職場の機関区に走り込みました。そしたら友達、同級生たちがいて『いやあお前生きておったか』と声をかけてくれて『真っ赤になっているじゃないか、それやけどだよ。油をつけてやれよ』と言って、オイルを出して全部に塗ってくれるんですよ。もう痛くて痛くて」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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余りの痛みに、しばらく泣いていたという李さん。泣きながら、30メートル飛ばされた、母が作ってくれた弁当を食べた。おいしくなかったという。 そして両親や兄弟のことが心配になり、自宅に向かって歩きはじめた。 すると、広島の町は… newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121… pic.twitter.com/7Z4o2HIltt

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李さん： 「私が見たのは焼けただれた人が…言葉には言い表せない…皮が全部むけちゃっているんです。 爪で皮がとまっている。ぶら下がったまま。なんで外さないのかなと思ったけれど、そういう気力がないんですね。広島大学では塀が倒れて、そこに馬が一匹死んでいました」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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李さん： 「その馬の目玉が飛び出したのが真っ赤になって。それを見た時にびっくりして、後から分かるんですが風圧ですね。それで体が圧縮されて目玉が飛び出て真っ赤になって」 助けを求める声、水を求める声が、あちこちから･･･。 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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李さん： 「もうそれはすごい勢いで、『助けてくれ、この下に子どもがいるんだ』と言って、もう何べんも『助けてくれ』という声を聞いたんですけども、瓦礫の下にいる人の手を、私は一人も引っ張ることができなかったんです」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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小川： 「それはどうして?」 李さん： 「早くその現場を離れようとすると同時に、そういうときは助けなきゃいけないという気持ちがわかなきゃいけないのに全然その気持ちがわかないんですね」 小川： 「ご自身のことで必死で?」 李さん： 「逃げようとするのに一生懸命で」newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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自宅まで、16キロの道のりを歩いたそうだ。 母親とようやく再会できたときのことを話し始めると、李さんは、声を詰まらせた。 李さん： 「『生きていたか』と私を抱きしめてわいわい泣くんですけども、韓国語で『アイゴー』という言葉があるんですね」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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李さん： 「喜怒哀楽を表すときにいろいろ使うんですが、そういうときの『アイゴー』というのが、ものすごく胸にしみるんですね。その時を考えると…すみません…この歳になってもあの言葉が、まだ頭に残って…」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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李さん： 「もう悲壮なあの言葉で私を抱きしめて泣くんですけど、私も一緒につられてよく泣きました」 その後、李さんは4か月ほとんど家にこもりきりに。 やけどにはウジがわき、原爆の放射線による下痢や嘔吐にも襲われた。 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121… pic.twitter.com/p4u6zWhzyN

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李さん： 「寝ようとしても痛くて眠れないんですよ。朝になって私の顔を見ながら母が『このまま生きてもどうしよもないじゃないか。人間じゃないよ』と。『チュゴ』という韓国語の言葉があるんですが、『早く楽に死ねよ、楽になれよ』と。 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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李さん： 「『チュゴ』という言葉が私のこの胸にどきっと刺さるような状態でしたけども、本当に死ねという意味じゃなくて『苦しいだろう、出来れば早く楽になれよ』という、母の気持ちだったと思うんですよね」 pic.twitter.com/PhxussaeDF

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李さんを襲う原爆による急性障害。 李さん： 「必ず下痢嘔吐があるんです。その当時、髪が抜けると死ぬと言われていたんですね。そういう風評があった。実際に亡くなった方もいた。4か月くらい後に職場に復帰するんですけども、同期生なんかが『あれ原爆で、うつるぞ』と。 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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「ピカがうつる」。そんな根拠のない噂がたち、差別されたと言う。 多くの被爆者が被曝7～8年後をピークに白血病を発症。その頻度は、被爆していない人の約20倍だった。 今も、原爆症と認定された人だけでおよそ7000人が、がんなどと闘っている。 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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原爆症を60年以上研究する第一人者、広島大学の鎌田七男名誉教授は次のように指摘。 「20年30年たって、ある時には肺がんが出てきたり、一人の身体に2つも3つもがんが出てくるという状況が稀ではありません。生涯にわたっていくつものがんを発症する」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121… pic.twitter.com/rWOkbacnKW

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16歳で被爆し、その後長く被爆体験を語ってこなかった李さんだが、80歳を過ぎてから語りはじめた。 小川： 「何のために伝えていこうと思っていらっしゃるのですか?」 李さん： 「核の恐ろしさということです。二度とこういうものを使ってはならないということを伝えたい」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121… pic.twitter.com/a2RMfGMW0M

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李さん： 「今からだんだん大きくなっていく子供たちにも、普段は何も考えないけれども、原子爆弾という言葉が出てきたときに、『あの時じいさんこんなことを言っていたよね』と、思い出してくれればうれしいです」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…

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被爆から77年たった今年2月、盲腸がんと診断。放射能による原爆症と認定されたという。 李さん： 「最終的にガンですと。放射能によるガン。77年たってもこうして出るということは、いかに放射能が人間の体を食いつぶすかという。だからその事実を、なんとか元気なうちに」 newsdig.tbs.co.jp/articles/-/121…