埼玉県西部の神社の装飾彫刻 ~比企・入間の宮彫めぐり~

先ごろ作成した「北総地域と京成本線沿いの宮彫めぐり ~神社の装飾彫刻~」(https://togetter.com/li/1874435)以下、関東各地の神社の装飾彫刻(宮彫り)シリーズの最新版です。 なお、巡拝地域は比企郡、ならびに川越市などを含む旧・入間郡が中心で、選定基準は最寄り駅からそこそこ近い、或いは最寄バス停から近いといったアクセスの良さを重視したものが中心になります。 また、探訪に当たっては前回と同じく以下のサイトを参考にしました。 続きを読む
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

月曜日に埼玉県の狭山市と川越市の彫り物ガッツリ系神社さんに参拝。1箇所目は狭山市・入間川の狭山八幡神社さん。丁度お伺いした時に御神職の方がいらしたので許可を得て撮影。享和2年(1802)造営の本殿は露出型。周囲の歩行可能な箇所は狭いものの、瑞垣との間が近いので鑑賞はしやすいです。 pic.twitter.com/6WDbx1HVhL

2022-11-02 08:24:33
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は三面とも七福神と唐子の琴棋書画。なお、彫工は棟札に記載がある上州・勢多郡の並木源二と鏑木半二で、特に背面の彫り物は樹木の遠近表現など割合に彫りも細かく確かな腕の作ですが、時期的には19世紀になったばかりの頃の作品ということもあってか人物表現には長閑さも感じられます。 pic.twitter.com/Xa2esOPPlL

2022-11-02 08:46:34
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

腰羽目は上段に唐子遊び。持送りには水犀と波を交互に配して斜めから見た時には途切れなく連なるように見せています。また、部材ごとの地紋彫りや脇障子上の猿なども含めて見応えのある本殿でした。なお、同社には手水舎や境内社にも小規模ですが彫り物があるので、参拝時にはそちらも要チェックです。 pic.twitter.com/BPW0s8orP8

2022-11-03 07:48:46
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川越氷川神社(川越市・宮下町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

2箇所目は川越市・宮下町の川越氷川神社さん。当日は社殿周りは間断なく参拝の方々が通っており写り込み回避で全景や外観は撮影していません。本殿は庇付きの露出型で瑞垣の隙間もある程度あるため見辛くはないですが、左側には絵馬掛けが連なっており、瑞垣との隙間に入り込んでの鑑賞となります。 pic.twitter.com/6dNoeFtdKt

2022-11-02 15:28:04
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

壮麗な本殿は彫り物で覆われ、胴羽目は牛若丸と浄瑠璃姫、由比ヶ浜の放生会、須磨寺で弁慶に制札を書かせる源義経、また腰羽目にも三条小鍛冶、俵藤太の大百足退治などが配され、海老虹梁の透彫の双龍など目を見張るばかりです。何分にも如意棒を使った撮影は出来ませんでしたが、十分に眼福でした。 pic.twitter.com/0gLHIPnIwS

2022-11-02 16:07:34
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六塚稲荷神社(川越市・元町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

当日最後の3箇所目は元町の六塚稲荷神社さん。本殿は棟札によれば文政2年(1819)の造営。小規模な一間社で完全露出型、また、社殿にほぼ密着する間隔で玉垣があるものの、丈も低く鑑賞するのには全く問題ないのですが、左側の胴羽目は過去に盗難に遭っており欠損しているのが惜しまれます。 pic.twitter.com/OjrLIbkfUK

2022-11-02 17:49:27
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

右側の胴羽目は解説板には「武士と唐子」とありますが、二人の間に宝珠を載せた台があるので三韓征伐の際に竜宮から献じられた干満の珠を受け取る武内宿禰と思われます。背面は助けた亀に酒を呑ませる浦島太郎、脇障子には狐が配され、また、背面下部には眷属の狐が出入りする穴が開けられています。 pic.twitter.com/PlgOVJQ8L7

2022-11-02 17:59:49
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参考書籍はこちらです