- mizunotori
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逆に基礎体力もないのに萌え路線を採用しなかった竹書房ゼータ文庫などはあっという間に消滅してしまうのでした。ゼータ文庫は装丁もカッコいいし印象に残る作品もあったのにもったいない事です。
2011-09-30 20:50:47とくに篠房六郎イラストでの『ドラグネットミラージュ』はあまりにも惜しかった。特に2巻の100万ドルの恋人とかは全ての要素が調和したこの世の奇跡みたいな作品だったんすけどねー。ガガガ版が悪いわけじゃないんですけど。
2011-09-30 20:54:02後発レーベルのなかで萌えコメに特に力を注ぎ、それによって大きく勢力を伸張させたのがMF文庫Jです。MFはオタを狙い撃っただけでなく、ハリーポッターに影響を受けた異世界学園ハーレムラブコメ戦記『ゼロの使い魔』やオチもの萌えコメの変形である『ぷいぷい』や『かのこん』などにおいて、
2011-09-30 21:03:35積極的に読者層の若返り、低年齢化を図りました。電撃はどうしても対象年齢高めの、ハードで小難しい方向に話が引っ張られがちなところはありました。
2011-09-30 21:05:06とはいえそこは電撃、萌えラノベ史上にも重要な作品を残しており、ひとつは異能などの超常の要素を排したライトノベルの中で最初の大ヒットになった超弩級ラブコメ『とらドラ!』、
2011-09-30 21:10:25もうひとつは、初期MFのあえての薄口とは対照的に、一段階踏み込んで工夫を加えた脳溶け系の早すぎた傑作『撲殺天使ドクロちゃん』。スレイヤーズやブラックロッドが既存のFTに踏み込んだ工夫を加えたのと同様に、萌えコメを工夫してみたのがドクロちゃんなのではないかーと思います。
2011-09-30 21:15:07萌えブームに晒されたライトノベルはそれまで以上に美少女を前面に打ち出す方向にシフトします。富士見ミステリー文庫は積極的に若い作家達に青春ミステリーを書かせて、それゆえ地雷原と化す一方でその後の直木賞作家の桜庭一樹や鬼才・中村九郎らに活躍の場を与えていた名物レーベルでしたが、
2011-09-30 21:23:04『涼宮ハルヒの憂鬱』はアニメ化以前からYAとしてもSFとしても気が効いていて、、日常描写は楽しく、主人公の語りにも味があるとしてなかなか高く評価されていた作品でしたが、
2011-09-30 21:28:42稀に見る大ヒットとなったアニメ化においては、(美少女との)日常が大きくクローズアップされ、YA文学としてのラノベから、ジャンル横断キャラクターコンテンツの一部としてのラノベへの変化を象徴する作品となりました。
2011-09-30 21:34:18FT・萌えの二つの巨大ブームを代表するスレイヤーズとハルヒ、そしてその狭間の多様化の時期を代表するブギーポップは、ラノベ史上の重要作品トップ3であると思います。
2011-09-30 21:37:39その他萌えブームの影響としてはコバルト文庫の『マリア様がみてる』の大ヒットがありますよね。マリみては少女小説の古典である吉屋信子から丘の上のミッキーやクララ白書へと続いた女子高ものの語りなおしですが、男性主人公排除の流れと百合ブームの先駆けになりました。
2011-09-30 21:43:03ただしマリみて的なものは、当時の少女小説の中ではないわけではないけど比較的珍しいものでした。たぶんYA系の人材が電撃とかに流れたせいだと思いますが、少女小説レーベルは少年向けレーベルでのYAブーム期に逆にYAと分化し、エンタメFT、ハーレクイン系FTに傾斜していきました。
2011-09-30 21:52:39また、00年代を通じて書店でのBL棚の拡大が進んだようにも思いますが輪をかけて詳しくないのでわかりません。富士見二丁目交響楽団はトラウマです。
2011-09-30 21:54:53少年向けラノベレーベルにおいても、萌えシフトによってYA的なものは周辺化していきました。まずYA文学のYAが取れるとただの文学になる法則に従い、YAブーム気に活躍していた作家たちがラノベレーベルを飛び出し、直木賞・本屋大賞受賞者などがぞこぞこ生まれました。
2011-09-30 21:58:48