ドスケベうさぎメスケモとすけべする小説 最終回

ヨコシマくん @QUIZcat

アイリーが自分の胸に俺を抱きしめる。巨乳の感触が心地良い。 「信じてる、ダイスケなら大丈夫」 そんな奇跡が起きたらいいな。俺は、全部考えることを放棄してアイリーの胸に溺れた。 ーーーー

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あれよあれよと言う間に年末。コミケ当日になった。コミケには初めて参加するが、凄まじい人数に圧倒された。 俺は、アニメ『迷宮少女★ラビりんスゥ』にでてくるザコキャラモグラ怪人の格好をしている。と言っても、色を塗った工事現場用ヘルメットに茶色い服を着てオーバーオールを着込んだだけだ。

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このザコキャラ、意外な人気があり、似たようなコスプレをしてる人はちょこちょこいる。売っている18禁同人誌でも、主人公のスゥを輪姦するモブ竿役として描かれている。 ブースで売り子をしているのは、ラビノイド親善委員会のラビノイド達だ。

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コスプレがよく似合っている。お客さんからも声をかけられている。 「コスプレ似合ってるよ、可愛いね。ねぇこのあと予定空いてる？　オフパコしない？」 「ごめんなさい〜オフパコの予定はもう埋まってるんです〜」 コミケコスプレイヤーとオフパコって夢があるよね……。俺には関係ない話だ。

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ちょっとあたりを散策しながら気になる同人誌を数冊買ってみる。 あとはメイド喫茶ラビットハウスのブースにも行かねばなるまい。 ラビットハウスのブースは長蛇の列だった。大人気である。メイドさん達が笑顔で本を売っている。楽しそうだ。耳を澄ませてみると、

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「はいどうぞ♡来てくれたんだね〜！」 「うん。コミケ楽しい？」 「うん！　地球のイベント面白いね！」 こんな地球を、愛してくれるなら俺は嬉しいよ。 「あとでダイスケのブースにも行くね」 「うん、仲間に挨拶していってよ」 「私も今度ラビりんスゥのコスプレしたいな〜」

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「……どちらかというとアリアドネじゃない？」 アリアドネも巨乳キャラである。こちらも同人誌界隈で人気が高い。俺はスゥとアリアドネの百合の本も買った。百合、いいよね。 離れた場所でちらっとラビットハウス写真集を開いてみると、え、エロい！

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ラビノイドのメイドさんたちが惜しげもなくパンツや胸の谷間を晒している。さすがに乳首が出たり局部の露出はないけど、だいぶセクシーだ。アイリーも……いかん、前かがみになってしまう。 俺は本をそっと閉じた。

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売っているのはエロ本だけじゃない。趣味に全振りした誰得な本から、真面目な考察をまとめた本もある。様々な観点からラビノイドと地球人の共存を考えた本も売られていた。俺なんかよりよっぽど真剣に考えている。

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周りを見ればラビノイドの一般参加者もいる。日本人だけじゃなく外国人もいる。人種なんて関係ない、みんなが集まって一つのイベントを成立させている。 これが、コミケか。 これが、地球の未来の姿であってほしい。俺は心からそう願った。

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「おい、そこのモグラ」 「……ん？」 モグラは多分俺しかいない。振り向くと、帽子にサングラス、そして真っ赤な服を着たラビノイドがいた。 おばあちゃんだ。ちょっと驚いた。そういえばラビノイドは若いメスしか見たことがない。

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アイリーが「地球に来るのは健康に問題がなく異星の環境に耐える体力がある若い子」と言っていた。しかし目の前のラビノイドは明らかに老齢だ。だが、まとう雰囲気は若々しく力強い。背筋も伸びている。一瞬老齢だとわからなかったくらいだ。

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「お前よ、お前」 「なにか御用ですか」 「荷物持ちとはぐれたのよ」 おばあちゃんラビノイドはプンスカとしている。腰に手を当てて怒る姿は子供みたいだ。 「しばらくお前が荷物持ちになりなさいな」 「なんで！？」 「たまたま近くにいて、人が良さそうで、断らなさそうだったからよ」

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「うっ」 「この老体を労りなさい」 人を見る目は確からしい。断る理由もない。……そんなに俺は人が良さそうか？ 「まぁ、いいですけど」 「じゃあこれ持ちなさいな」 「うわ重っ」 どれだけ買ったんだ。金持ちなのかな？ 中身は…… 「BL本ばかりだ……」 このおばあちゃんラビノイド、腐女子？

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「あら、レディの荷物を覗き見るもんじゃないわよ」 「ごめんなさい」 「さあ、行くわよ。荷物持ちと合流できるまで頑張りなさい」 「はい……」 早めに合流できるといいな。

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……その後も随分本を買い込んだ。結局合流できなかったらしい。万一の場合の集合場所は駅だそうだ。コミケ会場の外まで出ることになった。 コスプレ姿で外には出られないので一応上着を着て、ヘルメットは首からぶら下げておく。

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「貴方のおかげで随分楽ができたわ」 「そりゃどうも」 こちらは重さで腕が千切れそうだ。このおばあちゃん、人を使うのに慣れている。偉い人なのかもしれない。 「あと少しだから頑張りなさい。お礼くらいはするわ」 「はい……」

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「ラビノイド侵略を許すなーっ！」 「「許すなーっ！」」 「ラビノイドは地球からでていけーっ！」 「「でていけーっ！」」 駅までの道の途中、端の方で、反ラビノイド団体が活動している。何やらビラを配っている。プラカードには「気付いて！」とか「目覚めよ！」とか書かれている。

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多分コミケに来てる人たちへのアピールだ。人の集まるところでは最近よく見かける。会場のそばでやると注意されるからここでやってるんだろう。多くの人は逃げるように避けて通っている。俺達も避けて通りたい。 だが、おばあちゃんはズカズカと近付いていく。荷物で手が塞がってるので止められない。

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「お前たち何をしているのかしら？」 「ラビノイドだ……！」 「出ていけ侵略者！」 おばあちゃんが反ラビノイド団体と向き合った。反ラビノイド団体は若干怯んだが、それでもラビノイド憎しと罵声を張り上げる。 「ラビノイドへの罵倒なら私が聞きましょう」

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「この侵略者！」 「侵略者？　貴女達はラビノイドから侵略的な攻撃をされたの？　違うでしょう。我々は何もしていないわ」 「他所の星から来たくせに偉そうな口を！」 「お前たちの国にも外国人くらいいるでしょうに、彼らと共存できてないの？　誰か来るたびにお前らは侵略だと騒ぐのかしら？」

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「お前らのせいで女性の仕事が奪われた！」 「仕事など選ばなければいくらでもある。ラビノイドが原因でなくてもいきなり会社がなくなることだってあるじゃない。その度にお前らは騒ぐのかしら？」 「ラビノイドのせいで離婚した夫婦もいる！」

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「男を取られて気に食わないの？　なら醜く顔を歪めて批判ばかりしてないで、少しは美しくなるよう努力しなさいな。お前らの魅力がラビノイドに及ばなかっただけよ」 「お、おばあちゃん、あんまり挑発したらだめだよ！」 「あらごめんなさいね、つい。本当のことだから止まらなくなっちゃって」

ヨコシマくん @QUIZcat

このおばあちゃん、強いな……！ 空気は一触即発だ。今にも袋叩きにされそうなのにおばあちゃんは一歩も引く気配がない。こんな状況でも毅然としているこの人は何者だ？

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女性の一人がプラカードを投げつけた。プラカードは軌道が逸れて何故か俺にぶつかった。 「許さない……！」 口の端から泡を飛ばして女性が憎悪の表情でおばあちゃんを睨みつけている。顔が悪鬼羅刹のそれだ。ちょっとヤバいんじゃないかこれ。