お玉さんの読書マラソン企画「本格力を高めよう サンシャイン」(4)

オールタイムのミステリベスト本『東西ミステリーベスト100』(2012年度版)国内編と海外編双方の同順位作品を、ミステリ読みの鉄人 お玉さんが比較検証。感想を述べつつ「どっちが好きか!」判定する対決企画です。第4部は最終パートとなる5ブロック(第26位〜第30位 第36位〜第40位 第41位〜第45位 第46位〜第50位 第71位〜第75位)のうち第26位〜第30位および第41位〜第45位、第36位〜第40位の対決となります。 第1部はこちら→ https://togetter.com/li/1723552 第2部はこちら→ https://togetter.com/li/1750586 第3部はこちら→ https://togetter.com/li/1810946
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お玉と毒でんぱ @ottama709

「東西ミステリーベスト100」(1985年度版)東西戦 ◎第9位 連城三紀彦『戻り川心中』(昭和55年)vs S・S・ヴァン・ダイン『僧正殺人事件』(1929年) 勝者『戻り川心中』 →

2022-12-05 02:18:07
お玉と毒でんぱ @ottama709

はい。『戻り川心中』を短編作品として捉えるのではなく、「花葬シリーズ」全編という認識で回答してます。 唖然驚愕のトリッキィさと格調高さや品の良さが同居した短編ミステリの理想形の一つ。 正直、シリーズの顔とも云えるあの「戻り川心中」が、シリーズ内では一番最弱な存在なのだから恐ろしい

2022-12-05 02:19:29
お玉と毒でんぱ @ottama709

ヴァン・ダインの長編で複数回再読してるのは『僧正殺人事件』ぐらいなの。 犯罪の芯の部分はシンプルなんだけど、その核心に辿り着かせないために(作者が)用意した過剰なまでの装飾要素の数々は、真相が頭に入っているからこそ惑わされる。 ミステリと狂人。その相性の良さも今作から教わったよ

2022-12-05 02:19:56
お玉と毒でんぱ @ottama709

「東西ミステリーベスト100」(1985年度版)東西戦 ◎第8位 鮎川哲也『黒いトランク』(昭和31年)vs アガサ・クリスティー『アクロイド殺し』(1926年) 勝者『アクロイド殺し』 →

2022-12-05 02:20:15
お玉と毒でんぱ @ottama709

『黒いトランク』 被害者の関連人物を調査されると確実に容疑者認定される人物が、神がかったアリバイトリックを仕掛けて誤魔化そうとするおはなし。 そんな犯人の思惑を凡人じみた執着力と超人じみた推理力で名探偵が解きほぐしていくおはなし。 あと少しだけメロウ。 あの駅からの後退、大好き♫

2022-12-05 02:20:31
お玉と毒でんぱ @ottama709

ネタバレされる前に読みたいミステリ。 内容を忘れて読み返したいミステリ。 そんな惚けた意見を見るたびムムッとなる。 何度も言ってるが、『アクロイド殺し』の真価が発揮するのは二読目以降。あのネタを成立させるため細部まで統制されたミステリ制御力には感嘆の一言。再読のたび、新発見がある

2022-12-05 02:21:10
お玉と毒でんぱ @ottama709

「東西ミステリーベスト100」(1985年度版)東西戦 ◎第7位 横溝正史『本陣殺人事件』(昭和21年)vs F・W・クロフツ『樽』(1920年) 勝者『樽』 →

2022-12-05 02:21:28
お玉と毒でんぱ @ottama709

終戦によりそれまで書くことが出来なかった探偵小説を気兼ねなく発表出来るようになった喜び。 そんな感情を結晶化させた作品というのが、私の『本陣殺人事件』に抱いている認識。 個人的にはそこまでの評価はしてない作品なんだけど、複雑な想いが直に伝わる作品が存在してる事実は、心強い

2022-12-05 02:23:00
お玉と毒でんぱ @ottama709

作品構成上での穴は結構ある。 けど、『樽』はたるくない。 序盤があまりにノリノリすぎてるための、調査パートに入ってからの停滞が酷く感じる。 けど、『樽』はたるくない。 俺個人がアリバイ崩しモノが好きなだけで、目が曇ってるだけなのかもしれない。 けど、『樽』はたるくない。

2022-12-05 02:23:14
お玉と毒でんぱ @ottama709

「東西ミステリーベスト100」(1985年度版)東西戦 ◎第6位 夢野久作『ドグラ・マグラ』(昭和10年)vs ギャビン・ライアル『深夜プラス1』(1965年) 勝者『深夜プラス1』 →

2022-12-05 02:23:32
お玉と毒でんぱ @ottama709

この世にはさっぱり意味が分からないのに、面白楽しく読めて、あまつさえ共感さえ感じる小説があります。 その一つが『ドグラ・マグラ』 昔読んだとき何となくキャッチ出来たと思えたけど、近々で再読したときは頭での理解は無理だと感じた。だけど、高揚して読めたのは近年のほう。次の再読が楽しみ

2022-12-05 02:23:51
お玉と毒でんぱ @ottama709

ハチャメチャな小説が好きだ。 けど、筋が一本通っている小説も好きだ。 複雑な内容じゃなく、冷静に振り返ると陳腐なお話かもしれない。けど、10年単位くらいで読み返し、読み返すたび心の男汁発生器官を触発するのが『深夜プラス1』。殺し屋ナンバーワン? 良き良き。スーパーマシン? 有り有り。

2022-12-05 02:24:13
お玉と毒でんぱ @ottama709

「東西ミステリーベスト100」(1985年度版)東西戦 ◎第5位 小栗虫太郎『黒死館殺人事件』(昭和9年)vs ジャック・ビギンズ『鷲は舞い降りた』(1975年) 勝者『鷲は舞い降りた』 →

2022-12-05 02:24:37
お玉と毒でんぱ @ottama709

『黒死館殺人事件』ってアンチ探偵小説 & アンチ推理小説だと合点いくけど、アンチミステリと呼ばれると「???」となる自分。 作者の手による物語の制御、それを放棄したくなるくらい奇妙な情報を埋め尽くしてやろう。ミステリって、それくらいの意志は飲み込めるくらいの内包力があるのではでは?

2022-12-05 02:24:58
お玉と毒でんぱ @ottama709

自分の理想の冒険小説。 その一つが『鷲は舞い降りた』なんよね。 世界の構造すらフィクションが持つチカラで捻じ曲げてしまうマクロの大ボラと、一人の人間が発揮出来うる限界の限界を描ききり、その原動力たる覚悟と選択を丹念に追いかけるミクロな感情のドラマ。それらの大胆な交錯。圧倒的やん。

2022-12-05 02:25:16
お玉と毒でんぱ @ottama709

「東西ミステリーベスト100」(1985年度版)東西戦 ◎第4位 坂口安吾『不連続殺人事件』(昭和22年)vs アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』(1939年) 勝者『そして誰もいなくなった』 →

2022-12-05 02:25:29
お玉と毒でんぱ @ottama709

『不連続殺人事件』 ごめんなさい。あまり好きじゃない。 連続殺人事件にまつわるトリックじゃなく、犯人の正体にかかわる例のアレ、あの例のアレを数段上手に扱っている作家が私は大好きなのだから、『不連続殺人事件』に対しての態度はこうなるよ。 あと探偵小説の駒といえ、皆さんもっと警戒せい

2022-12-05 02:26:09
お玉と毒でんぱ @ottama709

『そして誰もいなくなった』 一時期は今作に対して否定的だった自分がいたわ、と告白する。 今は大好きな作品だけど、一周回っての好意なんだよ。 正直、メイントリック、easyじゃん。細かな記載(すごい心理描写シーンに感嘆)や異常レベルで心地良いリーダビリティに気づけたのも再読以降だよ、と

2022-12-05 02:26:29
お玉と毒でんぱ @ottama709

「東西ミステリーベスト100」(1985年度版)東西戦 ◎第3位 松本清張『点と線』(昭和32年)vs レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』(1954年) 勝者『長いお別れ』 →

2022-12-05 02:26:43
お玉と毒でんぱ @ottama709

『点と線』 アリバイトリックを読者との謎解きゲームの問題として描くのではなく、作品内での捜査陣を苦悩させるための小説上のガジェットとして使用してるんだろうね。 けど、立ちはだかる障害に対して試行錯誤する捜査員の困難ってちゃんと描けてない気がする。個人的にあまり好きじゃないミステリ

2022-12-05 02:27:40
お玉と毒でんぱ @ottama709

空白のアレは多少良きかもだけど、結局アレを使用してのアリバイ作成なので、全体評価としてはトリックはヘナチョコ。 トリックがアレでも捜査陣営や犯人側の人間味が心打つならニッコリできるんだけど、無駄に硬質なんよ『点と線』 そんなに読めてないけど『点と線』はMY松本さん評価じゃかなり下位

2022-12-05 02:27:40
お玉と毒でんぱ @ottama709

『長いお別れ』 変なミステリだ。 理屈を組み立て理解しようと思うと、トンデモ級の穴ボコがボコボコ垣間見え、複雑な気分となる。 けど、登場する男たちはダメダメな部分も含めてカッコよいわけだし、主人公に至ってはそのカッコよさが限界突破している。 それがいい。 それでいい。

2022-12-05 02:27:59
お玉と毒でんぱ @ottama709

「東西ミステリーベスト100」(1985年度版)東西戦 ◎第2位 中井英夫『虚無への供物』(昭和39年)vs ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』(1942年) 勝者『虚無への供物』 →

2022-12-05 02:28:15
お玉と毒でんぱ @ottama709

安全な立ち位置から能天気にミステリを読んでいる読者を糾弾する。 『虚無への供物』は読者に「大人になれよ」を突き付けるかのような作品ですが、僕みたいな人間には「ミステリを否定するためには、これぐらい真摯にミステリをやらなきゃあかんの Σ(゚д゚lll)」と映っちゃう作品なんですよね

2022-12-05 02:29:18
お玉と毒でんぱ @ottama709

ミステリの面白さをあの手この手で飾りたて、読者の前にときに鮮やかに、ときに陰湿に、ときに意地悪に並び立たせてからこその、あの絶叫なんですよ。ミステリは否定される。けど、ミステリなんかキライになっちゃえ、とは主張してないんじゃないかな。最後の最後でミステリへの愛も見られるんだし

2022-12-05 02:29:19
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