前回 第17話
本編
【スワローズ妄想劇場】戦国絵巻・燕の城 第18話(第2期最終話)「祭りのあと」 #swamou #swallows
2011-10-29 07:15:55【戦国絵巻・燕の城】第18話「祭りのあと」・・・そして、一区切りとなる25日を迎えた。結局、決戦に敗れた南青山城の戦力では天下を取ることは叶わなかった。尾張国が上洛し、一応の決着となった。 #swamou
2011-10-29 06:36:29秋も深まり、間もなく収穫の時。各武将と住民は毎年恒例の収穫祭と称して一時の平和を楽しんでいた。そして祭りも終盤。怪我のために戦うことが叶わなくなった石井が、出家する為の儀式が行なわれていた。武将や住民が整列し彼を見送る準備をする。 #swamou
2011-10-29 06:36:57「石井殿、今まで・・・」館山が声を詰まらせる。「大袈裟なんだよ、死ぬわけでなし。」石井が恥ずかしそうに返す。しかし、その目には涙が浮かんでいた。そして、一人ずつに声をかけて行く。その場にいなかった藤本、福地を除いて。 #swamou
2011-10-29 06:37:22・・・「よーし、気づかれてないな!」安芸国の君主、野村はニヤリと笑った。若武者の前田を先頭に南青山城の領地、その奥深くへと進撃していた。南青山城下を見渡せる山の頂上に到達し、勝利を確信した。(この右手を振り下ろして突撃を命じれば一矢報いる事が出来る! #swamou
2011-10-29 06:38:03前田に疲れは見えていたが、(ここまで来れば潰れても構わない。俺の面子を潰した奴らに復讐する!)高々と右手を振り下ろした。その時、「まいどー!」という声と共にポシュンと乾いた音がした。音の方を見ると商人風情の・・藤本が細長い筒を此方に向けていた。 #swamou
2011-10-29 06:38:25その筒から放たれた物体は放物線を描き、前田の付近に落ちた。ドンッという音と共に周りのものが吹っ飛ぶ。藤本は快哉を叫ぶ。「いやあ、ガイエルはんの残してくれた『芭図架』ってのは凄いね、非力はワテでも焙烙玉を遠くに飛ばせるわ!」 #swamou
2011-10-29 06:38:49そして次々と発射し、安芸国の軍勢を混乱に陥れていく。混乱の中、軍を纏めようと野村が叫んで回る。しかし、動けば動くほど混乱に拍車が掛かるだけだった。「また、性懲りも無く。」すぐ近くの背後から福地の声がした。野村は振り返らず答える。 #swamou
2011-10-29 06:39:20「・・・しかたなかろう。これも戦国の慣わし。で、ワシを殺すのか?」福地は小刀を野村の首に当てて答える「・・正直、血を見るのは苦手でね。二度と攻め込まないと誓うなら助けよう。」野村が「・・・分かった。誓う。」と答えると福地は小刀を首から離した。 #swamou
2011-10-29 06:39:51野村は馬に拍車を掛けその場から走り出した(お前は甘いんだよ。攻めないなんて嘘に決まってるだろう。来年見てろよ。)一目散に逃げていく野村には、背中に付けられた焙烙玉の導火線が間もなく燃え尽きる事に気づくはずも無かった。 #swamou
2011-10-29 06:40:18福地は遠くで起きた一際大きな爆発音と火炎を見ながら「逃がしてやるなんて嘘に決まってるだろう?」と呟いた。・・・「隣国の武将、阿部から文が届きました。」宴席の中、上田が小川公に文を手渡した。一読し立ち上がる。 #swamou
2011-10-29 06:40:45「諸君、宴席は終了だ。これより隣国と雌雄を決する。皆、ご苦労だが、もう少しの間宜しく頼む。」各武将も立ち上がる。「応!」と叫び、それぞれやるべきことを成していく。怪我で戦いに赴けない者も、声をかけ、励ましていく #swamou
2011-10-29 06:41:46元々、この国は小さな国。無駄な人間など一人もいない。生き残る為には君主、家老、武将、住民の全ての者が「こころひとつに」立ち向かっていくしかない。その先にある未来を信じて。【戦国絵巻・燕の城】第二期・完 #swamou
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