西洋古代では,大地が球形であることがほぼ常識となっていたのに古代中国では平面説が有力だったのは何故か? -「ギリシャ人・中国人で南北の到達点の緯度が凄く違うからでは?」

中国と西洋古代の大地の形状の認識の違いは,彼らの住んでいた地理的環境の差かもしれない。 同じ方法でデータを取っても、仮説が違えば解釈が変わる。 しらんけど_(:3 」∠ )_
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古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

「地球のサイズ」…エラトステネスが求めた値は一般人にも知られていたのか? これは全く不明ですが,地図の縮尺を理解できていたことと大地が球形であることが広く知られていたことからある程度興味のある人にはその大きさは知られていたのかもしれません.⬇こちらもどうぞ twitter.com/kodaigirisyano…

2023-02-21 22:51:22
古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

古代の知識人は早くから大地が球であることを認めていましたが,では一般人はどうか? アウグストゥス帝の硬貨では,彼の誕生星座とされる山羊が球を掴んでいます.この球は地球を表わしていると解釈されていますので,貨幣を使う当時の一般人にも大地が球であることが知られていたことになるようです. pic.twitter.com/oghfhDbg74

2022-10-29 12:00:01
古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

古代の知識人は早くから大地が球であることを認めていましたが,では一般人はどうか? アウグストゥス帝の硬貨では,彼の誕生星座とされる山羊が球を掴んでいます.この球は地球を表わしていると解釈されていますので,貨幣を使う当時の一般人にも大地が球であることが知られていたことになるようです. pic.twitter.com/oghfhDbg74

2022-10-29 12:00:01
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前3世紀にシエネで夏至の正午に影が無くなることを利用して地球の大きさを測定したエラトステネスの方法は有名ですが,7世紀に李淳風も同じ事を更に南でやっていますがハノイで影が南に生じるのを知っても大地が球とは考えませんでした. 影の長さの緯度差は大地が球である証拠にはならなかったみたい. pic.twitter.com/Xj9ZGZzQ7u

2022-05-19 12:00:01
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古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

以前,ギリシャ人は大地を球形と考えたが中国人はそうは考えなかったという話をしましたが,今読んでいるネッツ『新ギリシャ数学史』にもその話題が出てきます.ネッツさんは8世紀中国の天文学者 一行に言及するのですが,一行は大地が球形であるという仮定をせず,子午線の長さを測定したようです. pic.twitter.com/SLpjHSqZ7w

2022-09-10 12:14:48
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古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

その観測地点は北緯50度から17度まで.北緯50度というのはイギリス最南端です(なおギリシャ人は前4世紀にイギリス最北端を越えています). この50度というのは結構重要で,緯度による昼夜の長さの変化は50度までは線形ですが,それを超えると急激に変化するのですpic.twitter.com/b9NBkBHP7d

2022-09-10 12:15:46
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古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

この昼夜の長さの急激な変化を,大地が球形であること以外で説明するのは(たぶん)難しいと思うので,大地が球形であるという発想が定着するのに東西差があった理由の一つとして「昼夜の長さの変化の把握が容易であったかどうか?」というのはやはり重要なのだろうなと思うに至りました.

2022-09-10 12:16:34
古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

歴史家ポリュビオス(Ⅸ.14)が指揮官は天文学と幾何学を学ぶ必要があると言っているのですが,その理由を昼夜の長さの変化を知ることができるからとするのも興味深いですね.

2022-09-10 12:34:47
古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

なお,ネッツさんは「ローマ帝国は唐がやったような国家事業としての大地の計測をなぜやらなかったのか?」という疑問も提唱しており,この比較文明にもヘレニズムの数学史を検討するヒントがあるとお考えのようです.本当に面白いことを考えますよね☺️

2022-09-10 12:47:27
まとめ 子どものシルクロードのイメージって、だいぶあやふやだったな…『歴史を学んで理解した陸のシルクロード』が面白い オアシス都市からオアシス都市を移動する…ってコト?  _(:3 」∠ )_ オアシス諸国は遊牧勢力に臣従し、共存関係にあったが、李世民さんがどっちも殴った 33146 pv 145 62 users 1
古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

坤輿万国全図(1602年)によって,ようやく中国の知識人は大地が球体であることを認めた,という記述が藪内清の本にあるのですが,出典がないのですよねぇ.さすがに,もう少し前に球体説を支持する人が現れてもよさそうものですが.資料収集の頃合いかなぁ... pic.twitter.com/voqAZQc6wx

2022-06-02 19:51:17
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古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

「大地を球と考えたギリシャ人は凄い!」という評価はギリシャ贔屓の私でも頷けません.この点では古代中国の思想に魅了を感じます.エラトステネスが地球の大きさを測った有名な方法は数学的には天の高さを測るのと同値.古代中国の宇宙観を知る事ができる必読の原稿です↓ historyofscience.jp/wp-content/upl… pic.twitter.com/6C87aeLWNX

2021-12-27 12:00:01
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リンク Wikipedia 蓋天説 蓋天説(がいてんせつ)とは古代中国天文学における宇宙構造論の一つである。渾天説・宣夜説とともに古代中国を代表する天観である。 蓋天説には大きく2通りの考え方があり、天は円く広げられた傘のようであり、地は方形の碁盤のようであるとされ、後に、天はドーム状(蓋笠)で、地はひっくり返した皿(覆槃)の形をしているとした。天は石臼を挽くように北極を中心に左回転しており、太陽や月は右へ向かっているが、天の回転に引っぱられて左回転する。蓋天説はグノーモーン(髀)による日影の観察に基づいたもので、周髀説(しゅうひせつ)とい 18
QmQ @gejiqmq

@kodaigirisyano 面白い比較ですよね。地球の曲率半径と、有限を仮定した太陽までの距離が、ほぼ相当する。 蓋天説は、素朴な説だとかつては思っていましたが、山などの凹凸を無視して、天と地を完全に平行な平面だとして幾何を適用しているので、かなり踏み込んでますよね

2021-12-27 17:18:06
hoshi2011 @Exphysicist

@kodaigirisyano 蓋天説には素朴な魅力がありますね。ですが、中国天文学に関して私がいつも感ずるとことは、中国では地が平面だということへの強固なこだわりが何世紀も続き、一二世紀『朱子語類』の中で初めて天球と地球の概念が現れたことです。西洋ではあと400年もするとコペルニクス説が登場するのに。

2021-12-28 10:37:34
まやや&充実 @mayaya_jujitsu

メモ:蓋天説と渾天説の話 - 日本科学史学会(pdf) historyofscience.jp/wp-content/upl…

2020-06-15 01:01:11
Daijiro GOTO @jozejiro

これは知りませんでした。面白いですね。 同じ方法でデータを取っても、仮説が違えば解釈が変わる。そんな事例としても興味深いです。 twitter.com/kodaigirisyano…

2022-05-14 19:51:50