群馬県の神社装飾彫刻 ~ 県内横断 宮彫めぐり ~
八坂神社(高崎市・足門町)
2箇所目は高崎市 足門町の八坂神社さん。明治の神仏分離までは牛頭天王社でした。本殿には鉄骨の上屋が建てられており、下部は鉄柵、上部は鳥除けのネットで覆われていますが柵の高さが2m近くあり、また、隙間の幅がかなり広めに取られているので快適に鑑賞ができます。 pic.twitter.com/Pf6OUHl5eK
2023-03-02 08:55:23胴羽目は順に、麒麟に乗って漢の武帝の前に現れた仙女である上元夫人、旱魃の際に鉄鉢から龍を出して雨を降らせたという仙人の陳楠、鳳凰とセットが定番の仙人である梅福か蕭史のどちらか。背面に比べて左右の彫り物は風化が目立つ点が惜しまれます。なお、脇障子は左右ともに猩々でした。 pic.twitter.com/ZSnVNh6p4X
2023-03-02 09:10:43社殿下部は上部に比べて力を抜いた感じの作風ですが、彫刻を担当した彫師が別の人物なのかもしれません。いずれにしましても、社殿全体で見れば劣化はありますが十分に見応えのある彫り物でした。 pic.twitter.com/6uxJSs6IST
2023-03-02 09:32:12新町 諏訪神社(高崎市・あら町)
3箇所目は高崎駅から程近い、新町 諏訪神社さん。小社ながらも土蔵のような外観が目を引きます。なお、内部に木造の社殿が納められていますが、格子戸のすぐ奥に扉があり、左右に唐子遊びや三条小鍛冶などの彫り物が施されていますが、説明板にも記されている江戸期の火災による焼損が確認できます。 pic.twitter.com/RaOeSkI8Ex
2023-03-02 18:47:08そして、社殿に施された漆喰による立体的な装飾も実に見事で、特に鳥居に巻き付く一対の龍や、軒下部分の飛龍(応龍)も含め、破損しやすいであろうと思われる素材ではありますが細部を含め全体的に保存状態も良く、これからも地域の方々の手で末長く護られることを願うばかりです。 pic.twitter.com/cnnYYpb0er
2023-03-02 19:00:56宮子神社(伊勢崎市・宮子町)
4箇所目は伊勢崎市 宮子町の宮子神社さん。本殿は覆屋内にありますが、高さ2mあたりまでが格子、それより上部は三方に窓の付いた壁で囲まれています。しかしながら縁下には装飾は無く、また、胴羽目の位置もかなり高い場所にあるため格子の上部の隙間から見上げる形でしか鑑賞できないのが辛いです。 pic.twitter.com/m3LrIsJxes
2023-03-02 22:10:52とりあえず、胴羽目の彫り物に関しては持参した脚立を使用して窓ガラスにスマホを密着させる形でどうにか撮影しましたが、それでも高さが少々足りず、また、ガラスへの映り込みもあるために普通に鑑賞するのは困難でした。※胴羽目は左右が群仙図、背面が牡丹に唐獅子。脇障子は琴高仙人と黄安仙人 pic.twitter.com/2LanrIyEAL
2023-03-02 22:34:40田中諏訪神社(伊勢崎市・田中町)
5箇所目は伊勢崎市 田中町の田中諏訪神社さん。本殿は完全露出型で周囲の柵との距離も近く、社殿もあまり大型では無いため鑑賞に関しては問題となる点は特にありません。なお、本殿と拝殿が一体型になっていますが、屋根などの接合部の状態から幣殿部分は創建より後年に追加されたものと思われます。 pic.twitter.com/XrvYrvdczf
2023-03-03 18:03:48胴羽目は全て鳥で、順に鷲、鷹、鶴。腰羽目は鴛鴦。脇障子は左側が虎で、右側が猿と思われる動物が配されていますが全体的に大ぶりな作風です。とりあえず、本殿に関しては雨ざらしということもあって かなり痛みが激しいので、願わくば何らかの措置を講じて欲しいところです。 pic.twitter.com/Hn14tvPKU5
2023-03-03 18:33:30戸谷塚 諏訪神社(伊勢崎市・戸谷塚町)
当日最後の6箇所目は伊勢崎市 戸谷塚町の戸谷塚諏訪神社さん。本殿は上屋に瑞垣といった仕様ですが、瑞垣の屋根が中途半端な高さで、胴羽目の下部に掛かるぐらいで内側に迫り出しており、かなり屈んで下から見上げるようにしないと胴羽目は見えませんが、鑑賞難度そのものは特に高くはありません。 pic.twitter.com/Gh4pOoV5zX
2023-03-03 22:42:09当社から1.6Kmほど離れた八斗島稲荷神社さんの本殿を簡略化したような造りと感じる本殿。胴羽目は順に韓信の股潜り、殷軍の武将・方相の襲撃から周の武王を護る金龍、李白観瀑。脇障子は左右とも鷲が配されています。 pic.twitter.com/diXGuH0thx
2023-03-03 23:00:14腰羽目は猩々。三面を使って酒甕に走り寄り、大盃をあおり、そして酔い潰れて寝てしまうという一連の場面を表現しています。また、浜床の下には俗に「化け鯉」と称する、滝を登った鯉が龍へと変じる途中の姿を配しています。そして、当日はここで体力が尽きたので帰宅の途へと就いたのでした…【終】 pic.twitter.com/Q8v8kCFlgF
2023-03-04 06:35:36参考書籍はこちらです。