群馬県の神社装飾彫刻 ～ 県内横断 宮彫めぐり ～

一魁斎 正敏＠浮世絵スキー＆狼の護符マニア @ikkaisai

先週の土曜日に群馬県の東から西に横断して彫り物ガッツリ系の神社さんを堪能してきました。まず１箇所目は館林市 富士原町の富士嶽神社さん。本殿は完全ガード型の覆屋内で格子窓＆ガラスへの映り込みはありますが、窓から彫り物までが近いので、そこまで鑑賞しづらくはありません。 pic.twitter.com/YOs1Bxeqgv

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胴羽目は七福神と唐子。なお、背面には窓が無いため（近年の改修時に閉塞）側面からギリギリの角度で彫り物があるのが確認できますが、恐らく三面で七福神の揃いになっているものと思われます。また、妻飾りには力神を配していますがガラスへの映り込みもあり、角度的には目視はしづらいと思われます。 pic.twitter.com/rUfxugMC8L

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２箇所目は邑楽郡 板倉町の雷電神社さん。各地の同名社の総本社に当たります。社殿は拝殿・幣殿・本殿が一体型の権現造。拝殿の装飾は割合に控えめで本殿も豪華ながら淡白な印象の彩色。ご覧のように完全露出型で高めの位置の胴羽目も格子部分から目視できるので鑑賞に関しては特に問題はありません。 pic.twitter.com/jtXNjIMu2q

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向かって左側面の胴羽目は左に玉巵弾琴（太真王夫人）、扉を挟んだ右側に素盞嗚命の八岐大蛇退治。腰羽目の彫り物は上段に唐子遊び（花車曳き・獅子舞）、下段に水犀を配しています。 pic.twitter.com/GPSMcHAkFu

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背面の胴羽目は二面で三韓征伐で龍宮から干珠・満珠を献上される神功皇后と武内宿禰。腰羽目の唐子遊びは漁りと「子捕ろ子捕ろ」（複数人からそれぞれ一人が鬼と親になり、他の子供が親の後ろに列を作り、鬼が最後の子を捕まえようとするのを親は両手を広げて防ぎ、捕まった時はその子が鬼になる遊び） pic.twitter.com/F3GTruAylX

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右側面の胴羽目は右側が牛若丸と鞍馬山の僧正坊。左側に海神の宮から鰐（鮫）に乗り地上へと戻る彦火火出見命（火遠理命）とそれを見送る豊玉姫。腰羽目の唐子遊びは闘犬と凧揚げ。残念ながらこちら側は全体的に彩色の剥落が目立ちます。 pic.twitter.com/WX8zWi14TK

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なお、同社には本殿の背後に奥宮がありますが、無彩色の彫り物が施されており、向拝部の水引虹梁には簫を吹くことが巧みな仙人・簫史と、彼に簫を学ぶ内に鳳凰の声を真似て出せるようになり、吹くと鳳凰が飛来するようになったという弄玉の彫り物。また、左側面には養老の滝の孝子が配されています。 pic.twitter.com/7Cm4AqDlxy

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群馬県 邑楽郡 板倉町 雷電神社・本殿背面 ＃神社 ＃彫刻 pic.twitter.com/UDFbXbnSAm

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３箇所目は桐生市 天神町の桐生天満宮さん。実は通算で３回目の参拝なのですが、前の２回の時は そこまで宮彫に熱心でなく、あまり撮影をしていなかったので、今回は高所の撮影が可能な装備で臨みます。こちらも本殿は完全露出型で、瑞垣の格子から胴羽目までは目視可能で問題なく鑑賞ができます。 pic.twitter.com/AD3jYGXJBB

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彩色は殆ど剥落しているものの壮麗な本殿。胴羽目は二十四孝ですが人物よりも背景の植物に重点を置いた表現となっています。また、腰羽目部分の唐子遊びや持ち送りや腰組、幣殿部分の花頭窓や上部の彫り物なども見逃せませんが、どれを取っても細密な作風で竣工当時は実に壮観であったと思われます。 pic.twitter.com/d2jQidAjXZ

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また、同社には境内社として機神神社と神明宮・直日神社がありますが前者は社殿内の宮殿の全体に、後者は向拝部分に彫り物が施されています。なお、機神神社は側面・背面に格子付きのガラス窓があり、胴羽目の彫刻を目視できますが、警報装置が作動する可能性があるため密着しての撮影は控えました。 pic.twitter.com/sPxtZpPK2o

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群馬県・桐生天満宮 色褪せて尚、壮麗。 ＃神社 ＃彫刻 pic.twitter.com/PDSiEYIjFn

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当日最後の４箇所目は安中市 安中地区の熊野神社さん。拝殿は向拝部分と長押上に絢爛な彩色が施された彫り物がありますが、色合いは光沢のある真新しい風合いで、Googleマップに掲載されている５年前の投稿写真を見ると彩色が殆ど剥落しており、その後に新た塗り直されたことが分かります。 pic.twitter.com/g3YNnhmu8n

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こちらも前二社と同じく本殿は完全露出型。瑞垣の格子の幅もそれなりにあるので鑑賞は特に問題ありませんが、彫り物に関しては社殿の縁より上に集中しており、瑞垣の前に直立した時の目線の位置からは かなり見上げる形になります。 pic.twitter.com/aH8rwBY5Sp

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胴羽目は背面に鶴、左右に鳳凰と孔雀を配しています。なお、脇障子は片面が欠損していますが現存部には牡丹に唐獅子が嵌め込まれていました。また、背面上部にも彫り物はありますが、浅彫りで目視しづらいので細部の鑑賞が必要であれば双眼鏡を使用すると良いかもしれません。【終】 pic.twitter.com/F7sIxfLIt9

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月曜日は先週に廻りきれなかった群馬県内の彫り物ガッツリ系の神社さんへ。１箇所目は渋川市 川島地区の甲波宿彌（かわすくね）神社さん。上野国十二社の四宮で延喜式内論社でもある古社です。拝殿の装飾は向拝部と脇障子が主で、特に海老虹梁は龍の透かし彫り、手挟には葡萄と栗鼠を配しています。 pic.twitter.com/xBPls9tmvg

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本殿は完全露出型。瑞垣の格子の高さが程良いため、隙間部分からは正面から覗いた場合であれば胴羽目部分まで十分に目視ができます。また、本殿のすぐ背後が末社の石祠を祀っている高台で、そこから背面部を望むこともできるため、鑑賞条件としては非常に理想的です。 pic.twitter.com/v1PEoffHP4

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胴羽目は左右両面が神功皇后の三韓征伐関連で、左側面が占いのために鮎釣りをする神功皇后、右側面が龍神の使いから干珠・満珠を受け取る武内宿禰。背面は海幸彦・山幸彦の神話の内、竜宮から地上へと戻る彦火火出見命（火遠理命）と、それを見送る海神と豊玉姫となっています。 pic.twitter.com/8doHxlZ4k3

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社殿の下部は簡素で腰羽目に水犀を配しています。なお、市内の行幸田地区にも同じく式内論社の同名社があり、やはり拝殿・本殿ともに多くの彫り物が施されていますが、こちらの方は胴羽目と脇障子には彫刻部分に保護措置で鉄格子と目の細かい金網が直に掛けられているため、今回は参拝を見送りました。 pic.twitter.com/QcTB7mNWkN

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群馬県 渋川市 川島：甲波宿彌神社 拝殿・手挟装飾：葡萄に栗鼠 ＃神社 ＃彫刻 pic.twitter.com/3KDf8XSemJ

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