- GriffonXXI
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戦いに訴えねばならない場合に、自国民からなる軍隊を持っていない指導者や国家は恥じて然るべきだと思う。なぜならそのような軍隊を持っていないという事は、自国内に兵士に使える人がいないという事ではなく、自衛のために立ち上がる気概を持たせられなかった事を示す以外の何物でもないからである。
2011-11-23 11:07:52個人でも共同体でも同じことだが、勝利を得た後や、単に勝利の幻影を見たに過ぎない折でも、しばしば尊大で横柄な言動に出るようになり、おかげで元も子もなくしてしまうことが多い。
2011-11-23 14:08:00名声に輝く指導者たちの行動を子細に観察すれば、彼らがみな運命からは機会しか受けなかったことに気付くであろう。そしてその機会も彼らには材料を与えただけであって、その材料さえも、彼らが自分の思い通りに料理したのに気付くに違いない。
2011-11-23 18:07:42それにしても、聡明な君主と評判を得ている人物に対し、あれは君主自身の器量によるものではなく、側近に人を得たからだという人が多い。それは、明らかな誤解である。なぜなら、聡明な君主でなければ助言者を活用できるわけがないからである。
2011-11-24 06:07:17運命は、何か偉大なことを為そうとするとき、運命の与える好機に気付き、それを活用する気概にあふれ、才能にも恵まれた人物を選ぶものである。反対に、破滅を呼びたいと望むときは、それに適した人物を選ぶ。
2011-11-24 21:07:39一国の国力を計る方法の一つは、その国と近隣諸国との間に、どのような関係が成り立っているのか見ることである。
2011-11-25 06:07:13民衆の気分というものは、はなはだ動揺しやすいのが特徴だ。それゆえ彼らの支持を得ることはさして困難ではないが、その支持を保ち続けることは大変に難しい。
2011-11-25 20:08:06思慮に富む武将は、配下の将兵を、やむを得ず戦わざるを得ない状態に追い込む。同時に敵に対しては、やむを得ず戦わざるを得ない状態に、なるべく追い込まないような策を講ずる。
2011-11-25 21:07:31困難な時代には、真の力量を備えた人物が活躍するが、太平の世の中では、財の豊かな者や門閥に支えられた者がわが世の春を謳歌することになる。衆に優れた大人物は、国家が太平を謳歌している時代には、得てして冷遇されるものなのだ。
2011-11-26 07:07:04中ぐらいの勝利で満足する者は、常に勝者でありつづけるだろう。反対に、圧勝することしか考えない者は、しばしば、落し穴にはまってしまうことになる。
2011-11-26 08:08:09国家にとって、また指導者個人にとっても有害なことは、絶え間ない弾圧によって、人々の心を恐怖と疑惑に落とし込むことだ。これは有害を超えて危険ですらある。なぜなら、人間とは絶望的な恐怖に襲われると、身を守るために凶暴で無分別な反撃に転ずるからだ。
2011-11-26 12:07:46悪事を犯せば必ず罰せられるということを市民たちに悟らせるには、古代ローマが実行したように、善行には必ず褒賞をもって報いることが大切だ。たとえ国家が貧しかろうと、これを怠ってはならない。報いの性質さえはっきりしていれば、それを受ける側はいかなる大きな褒賞より名誉に感じるものだ。
2011-11-26 17:07:44困難な時代には、真の力量を備えた人物が活躍するが、太平の世の中では、財の豊かな者や門閥に支えられた者がわが世の春を謳歌することになる。衆に優れた大人物は、国家が太平を謳歌している時代には、得てして冷遇されるものなのだ。
2011-11-26 20:07:53次の二つのことは、絶対に軽視せぬこと。1)忍耐と寛容をもってすれば、人間の敵意といえども溶かすことができると思ってはならない。2)報酬や援助を与えれば、敵対関係すらも好転できうると思ってはいけない。
2011-11-27 00:07:17