シルバーロード~銀の流れから見た歴史

銀の歴史は、また鉛の歴史でもありました。
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リンク GIGAZINE 大昔に世界中の男性が大量死していた理由が遺伝子の研究で明らかにされる 約5000年前~約7000年前の間にアジア、ヨーロッパ、アフリカに住む男性の大半が死亡している時代があり、17人の女性に対し、1人の男性しかいなかったことがわかっています。「なぜ、このような状況に陥ってしまったのか?」という疑問に多くの研究者を悩ませることになりましたが、スタンフォード大学で遺伝学の教授を務めるマルクス・フェルドマン氏らの研究で理由が明らかにされました。 312 users 1249
村山茂樹 @Clunio

承前 Y染色体のボトルネックイベント後に拡散したのが青銅器技術であるなら、紀元前1200年のカタストロフの後に拡散したのが鉄器技術である。最近の学説だと、どうもこのカタストロフは青銅器時代盛期の極度に発達したもたれあいサプライチェーンの将棋倒し現象だったらしい。

2023-06-24 19:21:57
リンク Wikipedia 前1200年のカタストロフ 前1200年のカタストロフ(ぜん1200ねんのカタストロフ)とは、地中海東部を席巻した大規模な社会変動のこと。この社会変動の後、当時、ヒッタイトのみが所有していた鉄器の生産技術が地中海東部の各地や西アジアに広がることにより青銅器時代は終焉を迎え鉄器時代が始まった。 そしてその原因は諸説あるが、この社会変動の発生により、分裂と経済衰退が東地中海を襲い、各地において新たな時代を生み出した。 紀元前1200年ごろ、環東地中海を席巻する大規模な社会変動が発生した。現在、「前1200年のカタストロフ(破局とも)」と 31 users 131
村山茂樹 @Clunio

@rajids_KH 例の「紀元前1200年のカタストロフ」、東京国立博物館の小野塚拓三さんのギャラリートークで教えていただいたんですが、青銅器時代的な(市場経済を欠く)サプライチェーンの密接なもたれあいが頂点に達した時に、局所の破局が将棋倒しに全体に波及したと考えられているそうです。

2023-09-18 15:22:46
村山茂樹 @Clunio

承前 この紀元前1200年のカタストロフ、青銅器時代の世界システムの終焉に伴って、カナン=フェニキア人の第一段階の地中海展開が起こり、商業植民都市としてガデス、ウティカ、リクソスなどが建設されます。

2023-11-23 15:32:56
村山茂樹 @Clunio

承前 そもそも、鉄器時代のフェニキア人は青銅器時代のカナン人であり、フェニキア人というのはギリシア人からの他称です。

2023-11-23 15:27:15
村山茂樹 @Clunio

承前 紀元前1200年のカタストロフに伴う大規模な民族移動によってイスラエル人などの移住がカナン人の都市国家の農地を圧迫した事が彼らが本格的に海上交易に生命線を切り開く転機となったようです。

2023-11-23 15:27:26
村山茂樹 @Clunio

承前 紀元前1200年のカタストロフの後に登場するのが利潤ベースの商業であり、市場経済であったらしい。この商業環境下でサプライ側の多極化が起こり、それにともなってアフロ・ユーラシア世界全体に拡散した技術のひとつがどうやら鉄器技術だったらしい。

2023-06-24 19:23:45
村山茂樹 @Clunio

承前 我々が知っている経済行為の形態というのは意外と歴史が浅く、利潤ベースの商業が登場したのは紀元前1200年のカタストロフの後、鉄器時代が到来してかららしい。それを背景に経済の最先端地域であるメソポタミアで市場経済が誕生したのがアッシリア統治下の紀元前9世紀後半ぐらいだったようだ。

2023-07-12 00:28:11
村山茂樹 @Clunio

承前 そうすると、シュメル時代などの青銅器時代の貴金属をなかだちとした商取引と、市場経済が確立してからの決済手段としての銀のあり方と、どこに大きな相違があるのか、これは経済史的な大きな課題だと思います。

2023-05-29 12:21:50
ゆきまさかずよし @Kyukimasa

青銅器時代のブリトン人は金を通貨にしなかった haaretz.com/archaeology/MA… 金属利用が始まった時代、チェーンみたいな装身具の太さ・長さはある程度共通してる。重量あたりの価値で取引されてた(標準化された通貨のはじまり)。 英諸島の金細工品のサイズ分析、どうやらそんな使い方はしてなかったらしい

2022-03-13 08:07:39
ゆきまさかずよし @Kyukimasa

欧州での青銅加工品は重量単位がかなり揃ってるのだそうだ。その地域がヨーロッパの交易ネットワークに入ってた証拠にもなる twitter.com/Kyukimasa/stat…

2022-03-13 08:14:12
ゆきまさかずよし @Kyukimasa

5000年前の国際標準化と欧州通貨統合の始まり dw.com/en/archaeologi… 腕輪・リブ・斧の刃と呼ばれる青銅製の出土品。欧州各地で発見されていて、その70%が平均195gでだいたい同じ重さ。交易の際の金属重量の標準化が進んでいた(=通貨)

2021-01-23 10:54:28
ゆきまさかずよし @Kyukimasa

お金の起源、先史時代中央ヨーロッパにおける通貨標準化 eurekalert.org/pub_releases/2… オランダLeiden University考古学部(Plos発表)。以前から出土していたもののデータに『ヴェーバー‐フェヒナーの法則』(人間の感覚がどの程度なら差を判別できる/できないか)を導入したのがポイントらしい

2021-01-23 11:01:41
村山茂樹 @Clunio

これか! フェニキア史の論文を読むと、利潤ベースの商業が登場したのが鉄器時代になってからで、それを背景に紀元前9世紀から紀元前8世紀になって市場経済が歴史上はじめて出現したと出てくる。利潤ベースではない商業というのがこれか! twitter.com/enlil_anzu/sta…

2023-06-05 21:46:15
シュメールの生活bot @enlil_anzu

古代メソポタミアには交易者(タムカルム)の身分の者が存在し、ハムラビ法典にもその名が記述されている タムカルムの仕事には、仲買人、代理人、競売人、保管人、銀行家、仲裁人、旅商人、奴隷取締官、徴税吏などが含まれた あくまで王の代理での交易で、商取引の利益は個人の収入では無かった

2023-06-05 20:17:14
村山茂樹 @Clunio

@amane_murakumo やはり、青銅器時代の「帝国」と鉄器時代の「帝国」の間にはかなり大きな質的差異があります。 青銅器時代の帝国は、都市国家ブロックの互恵的贈与的商業の取引とりまとめ代表みたいなシステムですが、鉄器時代の帝国になると利潤ベース商業のサプライチェーンシステムそのものの支配をやりはじめる。

2023-11-23 15:15:24
村山茂樹 @Clunio

@itobin_wh71 利潤ベースの商業が始まったのが、古代オリエント史ではだいたい紀元前1200年のカタストロフを境にした鉄器時代的社会の登場以後とされています。私はこのタイプの取引が受容された世界での交易を商取引とみなしています。それ以前は商業といっても互恵的贈与の延長線の性格が強い。

2023-09-29 14:22:57
村山茂樹 @Clunio

@amane_murakumo 私の想定している流れだと、 ①紀元前1200年のカタストロフで青銅器時代的な互恵的贈与ベースの商業のサプライチェーンが解体して利潤ベースの商業のサプライチェーンが登場。 ②利潤ベース商業を背景とした古代的共同体小国家エリートのための哲学や教義宗教が芽生える。 続く

2023-10-14 13:03:32
村山茂樹 @Clunio

@amane_murakumo 承前 ③鉄器時代的な利潤ベース商業を背景とした哲学や教義宗教が成熟してきて急激な発展をみせるのが紀元前5世紀のカール・ヤスパース唱えるところの「枢軸時代」 ⑤古代的共同体小国家の解体によって古代社会が解体に向かう3世紀以降、社会を束ねる箍として哲学や教義宗教の大衆化が一気に起きる。

2023-10-14 13:06:12
村山茂樹 @Clunio

承前 そして、鉄器時代に市場経済が誕生する、その背景となったのが、紀元前1200年のカタストロフを機に、サプライチェーンの設計そのものが根本的に変わってしまったこと、利潤ベースで活動する商人というものが登場した事、であったようなのです。

2023-05-29 12:28:08
村山茂樹 @Clunio

承前 これは非常に大きな問題で、青銅器時代の古代文明がほぼ紀元前三千年紀から紀元前二千年紀いっぱい、約二千年間続いてついぞ貨幣が登場しなかったのに、鉄器時代になるとたかだか数百年で貨幣が誕生、普及してしまうのです。

2023-05-29 12:25:28
村山茂樹 @Clunio

@rajids_KH 鉄器時代になって利潤ベースの商業と市場経済が紀元前9世紀ぐらいに確立してきて以降、サプライチェーンが動くかどうかは最重要決済手段の銀の確保と強く結びついてきます。銀の世界史ってすごく重要なんです。

2023-09-18 14:37:13
村山茂樹 @Clunio

フェニキア史とかアッシリア史とかの論文を読むと、市場経済が誕生して、銀などの貴金属が市場経済的な意味での決済手段として確立して需要が激増してくるのは鉄器時代になってからの紀元前9世紀末になってからとされています。 twitter.com/enlil_anzu/sta…

2023-05-29 12:19:01
シュメールの生活bot @enlil_anzu

シュメル時代には貨幣はまだ登場しておらず、主に銀の重さで代用していたようだ 1マナ=約500g 1ギン=8.3g 男性奴隷の値段が20ギンとしていた資料も出土している 現在の銀1g=約60円 1ギン=約500円 当時と現代の銀の産出量は異なるので、一概にこれが安いとは言えない

2023-05-29 09:00:02
村山茂樹 @Clunio

承前 利潤ベースの商業というものが世界に定着してくると、経済先進地帯のメソポタミア、つまりアッシリア帝国が建設されてきている地域で市場経済やら決済手段やらといった新しい概念が登場してくる。

2023-11-23 15:41:59
村山茂樹 @Clunio

@rajids_KH たぶん、アッシリアの帝国としての拡大も、銀決済経済圏の統合とかそういう動機があったんじゃないかと考えています。アッシリアは青銅器時代からメソポタミアの穀物生産とアナトリアの鉱物資源の交易を媒介していましたよね。帝国の背後にサプライチェーンありです。

2023-09-18 15:20:21
村山茂樹 @Clunio

@amane_murakumo あと、鉄器時代帝国化したアッシリアでは、青銅器時代に非常に長く続いた正統王統が断絶して、ティグラト・ピレセル3世から全く新しい王朝が始まり、これが2代で断絶して滅亡までのサルゴン王朝に落ち着いています。都市国家共同体原理の王朝では帝国がもたなかったんでしょう。

2023-11-23 15:21:13
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