アフリカの農村で、コメと魚で歓迎されながら「日本ではどんなものを食べてたの?」と聞かれて困惑した人類学者の話

想像をはるかに超えた、アフリカの「食」と歴史について
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

18世紀の米国の南部諸州では、作る料理があまりに美味しくて高値で取引される黒人奴隷の料理人とかがいて、そうした料理人の影響でアフリカの料理が米国の「南部」では根付いたこともあったそうです。2019年刊行のリジー・コリンガム『大英帝国は大食らい』より。

2021-12-19 00:16:08
巫俊(ふしゅん) @fushunia

英語から日本語に翻訳されて刊行されてるから、よく分からなかったのですが、西南アフリカのコイサン系狩猟民の白内障になった老人(村の中で特別な地位があるとかの階層でも無い)も、「歴史」という言葉を普通に使ってたようです。 twitter.com/boots_fleck1/s…

2023-03-06 01:26:10
Amictica sal vitae.(新アカウント) @boots_fleck1

うーん、歴史って言葉は二通りあると思うのよね。 現実の時間や物事が推移する様を『歴史』ということ それらを記述して、何らかの文献などとして残った結果を『歴史』ということ だと思うのね。 twitter.com/knife900/statu…

2023-03-06 00:03:19
巫俊(ふしゅん) @fushunia

時系列で、3つの時代に区分されてて、「神々が遊んでる大昔」「少し前の頃」「白人が来てから」の3時代に区分されてる。文字は無く、神々の事績とかは、おじいさんが濁って白く見える白内障の目で炎を見つめてると、妄想で浮かんでくるから、それを話して聞かせてる。

2023-03-06 01:34:55
巫俊(ふしゅん) @fushunia

よく知られた歴史が、作家などの妄想だった…となることはよくありますが、南西アフリカのカラハリ砂漠のコイサン系狩猟採集民の場合、「歴史」は妄想によって「生きた」形でしか存在せず、目がほとんど見えなくなった老人の空想の中から、現実に必要な知識を得ていました。

2023-03-06 01:37:53
巫俊(ふしゅん) @fushunia

食べ物をねだってくるその老人に、西洋人の学者が何回聞いても、具体的な事件の話じゃないか?と思えることなどは、固有名詞や具体的な事実が脱落しやすく、いつのことでそれは誰か、さっぱり分からなかったそうです。話の主人公になる大昔の神の名前くらいは明確みたいですけど。

2023-03-06 01:45:24
巫俊(ふしゅん) @fushunia

そんな老人が話してたことが、薬草を探すとかするときには役に立ってて、おじいさんが亡くなったときには、政府のキャンプ地で暮らす、村の過去を知らない若い女性が「もっと聞きたかった」と言ってて、その女性は今はしない藪の中での果実探しを楽しそうにしてたそうです。

2023-03-06 01:56:43
巫俊(ふしゅん) @fushunia

学者は長いこと取材してるので、若い女性のその「昔暮らし」はピクニックのように楽しげで、それで暮らしてた頃とは空気がまるで違ったと書かれてました。

2023-03-06 02:00:13
巫俊(ふしゅん) @fushunia

妄想で現実を解釈するようなことがされてるけど、今はまだ、それが妄想だと明晰に気付かれることは無い世界(また言ってる…と興味無さげに老人を無視することはある)があった頃の「歴史」(実際の呼び名は不明)は、こんな感じだとされてて、それが長い時間をかけて変わっていったのが私たちの歴史ですね

2023-03-06 02:13:01
巫俊(ふしゅん) @fushunia

この本面白い。「人類学」で検索してリストから見つけた。タンザニアの零細商人マチンガの民族誌で、作者の「サヤカ」は博士論文が書けずにナーバスになってたが、仲間の商人から大金を要求され、その金で「サヤカのためにマチンガの定義を決める飲み会」が開催されたが、酔い潰れてケンカして終わった pic.twitter.com/BeYvVzSQDk

2021-05-30 01:35:01
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

閉会後、酔って調子に乗った「私」が文句を言うと「やっと気付いたか。実はオレたちもよくわからないんだ。だから心配するな」と言われた ↓唯一はっきり理解したこと 「商人たちはマチンガの定義を共有して無かったし、彼ら自身が考える定義に合致していない者とも仲間意識を共有することができた」

2021-05-30 01:55:24
SO-SO @SOSO68464278

@fushunia 面白そうです!その状況に置かれたら混乱するか大笑いするかどっちだろ😆

2021-05-30 10:52:04
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@Historian_nomad この人類学の本によると、そういうのをタンザニアの零細商人の間では「狡知」と呼ぶそうで、「狡知」をめぐらして価値の無いものを売り込んだり、言いくるめることのできない人間は「まともな人間」では無いそうです。 twitter.com/fushunia/statu…

2021-07-05 18:07:06
遊牧民@候選 @Historian_nomad

@fushunia まぁそのへんは信頼を重んじるモンゴル人と漢地(山西)商人との間でも対面しての親密なやり取りと裏腹に平然と羊毛に砂混ぜて目方ごまかすのが普通だったとたしか後藤冨男の研究書(だったと思う、世界史研究叢書のほうじゃないはず)でもありましたね

2021-07-05 18:09:39
巫俊(ふしゅん) @fushunia

19世紀のアフリカ探検家のスタンリーは、先住民の首長と握手するときに、手に電池を仕込んで置いて、静電気のショックを相手に与えるとか、拡大鏡を使って物を燃やして見せ、自分は太陽神から力を授かってると思わせたとか、そんなことをしてたと本に書かれてました。

2023-02-05 22:18:40
巫俊(ふしゅん) @fushunia

西アフリカのとある黒人帝国は、前代未聞の「帝国大移動」でフランス軍の攻撃に対処していたそうで、進撃してくるフランス軍を新型銃で遅滞しつつ、都を放棄して東に移動、旧型銃を使って他のアフリカ勢力を撃破し、国家を東へ、東へと移動させ続けたとか。

2019-03-13 02:46:59
巫俊(ふしゅん) @fushunia

篠﨑 正郎「「空の帝国」としてのイギリス-イギリス帝国の防衛とエア・パワー、1918-68 年-」(『エア・パワー研究』) 「2~3機の航空機は1個砲兵中隊と同等の火力支援を提供できると評価されていた」 航空機を持たない中東やアフリカの反乱軍に容赦なく襲い掛かる英空軍の旧式の航空機…

2021-07-13 03:14:09
巫俊(ふしゅん) @fushunia

戦間期の1920年代のイギリスでは、国家財政の予算不足から大英帝国を軍事的に維持するコストに悩まされていて、「空からの統治」と呼ばれる空軍を主体とした戦力を植民地に置くことで、低コストで反乱軍に対処しようとした。航空機のおかげで、イラクでは23個大隊が2個大隊まで削減された。

2021-07-13 03:18:25
巫俊(ふしゅん) @fushunia

「パレスチナでは1929年の時点ではイギリスの航空機は恐れられており、現地に航空機が1~2機現れただけで反乱勢力は即座に逃げ出す始末であった。しかし1936 年には反乱勢力は航空機に十分慣れてしまい一歩 も退かなくなった」 慣れるまでは凄い威力があり、イラクでは空軍の将校が地上軍を指揮したとか

2021-07-13 03:24:05