三国志こばなし集2024年1月号(上)現パロ編

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曹操「やれやれ大晦日から正月の記憶がない」 夏侯惇「とんだ新年の始まりだ…」 夏侯淵「どこの酒仕入れてきたんですか？」 曹「徐邈と仲の良い生物教師の秘酒という話だったが…」 荀彧「…身体が動かん」 郭嘉「年末から肝臓が二十四時間フル稼働してます…」 典韋「死ぬかと思った…」 許緒「…」

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曹仁「…よもや某まで前後不覚になるとは」 曹純「満寵さんは平然と出勤していきましたよ…」 淵「いけねえ！俺は駅伝の指揮をとり行かねえと！」 惇「間に合うか妙才！」 淵「間に合わせる！」 操「何の酒なのだこれは…」 郭「この浮いてる泡、目玉じゃありませんよね？」 荀「何言ってんだ奉孝！」

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操「さすがは神行太保」 荀「今年の山の神は霹靂火という渾名だそうで」 惇「今の先導係は妙才ではないか!?」 郭「間に合ったんですね！」 仁「…蛇行してますな」 純「妙才さんらしくない…」 操「脇で並走してる男は何者だ？」 典「皆んなでひと風呂浴びて気合い入れるぞ！」 許「今年もよろしくな」

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曹操…脇を並走して完走した男は虞翻というのか… 夏侯惇…晦日の大宴会を催したのだが、二日まで誰も動けぬでな。 夏侯淵…大慌てで駅伝の先導役に間に合ったが、アルコール検問があったら一発アウトだった。 荀彧…身体の中で化け物が暴れてるようだった… 郭嘉…絶対この泡、泡じゃないですって…

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曹仁…満寵ほどの男でようやくほろ酔いだったとは… 曹純…今日はジョギングで身体をならそう… 典韋…銭湯でひと風呂浴びて気合い十分。 許緒…消防団の決起集会に滑り込みセーフ。

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作者…体調管理を派手にしくじって、晦日ネタと正月ネタを書きそびれる大失態。 誠に申し訳ございませんでした。 今年は上旬を現パロ、下旬を三国時代編に切り替えてやっていくつもりです。 昨年からのご愛好誠にありがとうございます。 今年も三国志こばなしを何卒よろしくお願いします。

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辛憲英「年末の于禁さん見た！」 蔡琰「あれこそ超一流のお芝居でお笑いだったと思いました！」 王元姫「…そうね」 辛「あんたもまた出る側になったりして！」 王「うん…」 蔡「どうしました？」 王「…この前見に行った舞台を思い出したの」 辛「于禁さんの？」 王「そうよ」 蔡「どのような？」

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王「…もの凄く、お腹が空いたの」 辛「え？」 王「観終わった後で、心と身体と、命そのものが生きたがるような、お芝居だった」 蔡「まだやってますか？」 王「もうすぐ千秋楽だったんじゃないかな…」 辛「それは観に行かないと！」 蔡「是非！」 王「観る時は、別々に座ろうね」 蔡「分かりました」

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于禁「…」 昌豨「…」 張遼「遅参しました」 臧覇「久しいな昌豨」 昌「ご無沙汰です、奴寇殿」 臧「痛快なまでの復活劇だったな、于禁よ」 張「参りました」 于「あの仲間たちが、いてくれたおかげです」 昌「それは？」 于「縁があれば会えるさ」 張「…」 臧「千秋楽の前祝いと行こうじゃないか」

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王元姫…あんなに哀しく泣ける人だったから、あんな風に皆んなを笑わせる事ができたのかな。 辛憲英…上っ面だけ知ったフリしてる用じゃダメだよね。 蔡琰…彼女の詩作や音楽から漂う哀しみは幼少期の原体験によるらしい。

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于禁…年末特番後、あちこちで引っ張りだこになったが、節目の舞台をキチンと締めくくってから引き受ける約束。 昌豨…于禁と仲違いした過去を水に流したかったが、知らぬ間にできていた自身との大きな差が受け入れ難い。 臧覇…昌豨とは古い付き合い。 張遼…千秋楽は皆んなで観に行かないと…

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鄭泉「いらっしゃい！」 劉曄「どうも」 鄭「お一人さんかい？」 劉「…子敬はいないか」 鄭「ん？あんた徐邈先生の同僚だったかな？」 劉「申し訳ない。賢人を一杯」 鄭「…はいよ。待ってな」 劉(あてが外れたな) 鄭「お待ちどう」 劉「どうも」 ？「鄭泉さん。二人頼むよ」 鄭「おや！あんたは！」

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蔣済「ここが酔いどれ桃源郷さ」 胡質「いかにも君好みの内装だな」 鄭「やあ酔いどれ蔣済先生！」 蔣「まだ素面だよ〜」 胡「おや？劉曄先生？」 劉「…胡質先生」 蔣「あんたが角打ちとは珍しいじゃないか」 劉「私は一杯で帰りますので」 胡「たまには同期三人で飲まないか？」 蔣「な？劉曄先生」

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劉「…まあ、たまには」 蔣「そいじゃ、聖人賢人一本ずつ頼むよ」 鄭「あいよ！」 胡「外で呑むなんて久しぶりだ」 蔣「この前、孫呉高校の魯粛先生と話が合ってね」 劉「子敬と？」 蔣「あたしは公民、魯粛さんは政経だろ？」 胡「地理の私とも少し話したんだ」 劉「そうですか」 蔣「友達かい？」

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劉曄「…」 蔣済「劉曄先生？」 劉「…あまり考えたことがありませんでした」 胡質「それは？」 劉「私は人付き合いに濃淡をつけないようにしていますので」 蔣「なんだか分かるね」 胡「同僚だろうと生徒だろうと、誰とも見事に等距離を保っていると思う」 劉「悪いですか？」 胡「なんだか君らしい」

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劉「…」 胡「教える科目が数学なのもね」 劉「数学ほど美しく普遍的な学問はありませんから」 胡「いいね」 蔣「そういえば、劉曄先生の二者面談はたいそう評判が良いそうじゃないか」 劉「サシで話さないと、お互い本音を吐き出せませんから」 蔣「怖いなあ」 劉「加減はしてます」 胡「…面白いな」

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劉「それではこの辺で」 胡「私は君ともう少し飲みたいんだが」 劉「外で呑む酒は一杯の決まりがありまして」 胡「…分かった」 蔣「また飲めるかい？」 劉「…気が向いたらで」 胡「楽しみにしてるよ」 劉「失礼。お勘定を…」 魯粛「お〜い鄭泉さん」 劉「子敬じゃないか！」 蔣(ん？) 胡(口調が？)

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魯粛「うわ！子揚か！」 劉曄「うわとはなんだ！うわとは！」 蔣済(別人だねえ) 胡質(ちょっと遠くから観察しよう) 鄭泉「あれ？勘定するんじゃなかったのかい？」 劉「気が変わった」 鄭「はあ」 魯「…とりあえず、聖人二本」 劉「私たちは賢人だろ子敬！」 魯「まあ、そうだが…」 劉「賢人も二本」

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鄭「お待ちどう」 劉「どうも！」 魯「…」 蔣(面白くなってきたねえ) 胡(私たちも聖人賢人セット二つ) 鄭(現金な先生だねえ…) 劉「じゃあ子敬、乾杯！」 魯「あ〜子揚…」 周瑜「おや？私が来る前に乾杯か、魯粛先生」 劉「貴様！」 周「おや？」 魯(また新しい店探さねえと…) 劉「…」 周「…」

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劉「…あなたが子敬と聖人を飲まれると？」 周「貴殿が魯粛先生と賢人というのもね」 劉「店主！周瑜先生に凡人を一杯！」 周「では店主。劉曄先生に俗人を一杯」 劉「…」 周「…」 魯(助けてくれ) 胡(魯粛先生が助けてほしそうな目でこちらを見てます) 蔣(勝手口は開いてるかね鄭泉さん) 鄭(任せろ)

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劉曄…同期組の酒の席もそこそこにするほどドライだが、魯粛だけは別だし周瑜に対してはもっと別。 蔣済…勝手口から胡質とフェードアウト。これ以上いたら巻き込まれちまうからね。 胡質…劉曄と蔣済と同期の地理教師。誠実で正直な常識人。この界隈にこういうタイプが少なすぎやしないか。

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魯粛…周瑜と打ち合わせがてら呑むつもりで来たのだが、とんでもない大誤算。 周瑜…なぜか魯粛を前に劉曄を相手にすると途端に子供じみてしまう。 鄭泉…あの後どうなったかって？凡人と俗人の競い合いで両者廃人になっちまったよ。

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魯粛「モコパン阿蒙先生！」 呂蒙「…好きで着てるんじゃないですから」 周瑜「おはよう。先日私を捨て置いて逃げ帰ってくれた魯粛先生」 魯「おっと周瑜先生…」 周「君の母上にいい引越し先を紹介してやろうか？」 魯「でしたらあなたの小喬殿と逢引きする不束者がおいでになるかも？」 呂(誰かな？)

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周「その時は伯符とあたり一面火の海にすることも辞さないからな？」 魯「ええもちろん。周瑜先生ともあろうお方がそのような真似をするわけが…」 ？「子敬〜！」 呂「おや？」 魯「げえっ！お婆様！」 魯粛祖母「あなた私のセーターを一度も着ないで捨て置くおつもり？」 魯「…」 周「おやおや？」

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婆「アグリーセーターはお婆ちゃんが孫に贈るダサ〜いセーターって由来があるそうですけど」 魯「まさかこの私がお婆様のセーターにそのような不義理や不束な想いを抱く事など」 婆「じゃあここで着てくださるわね？」 魯「」 呂「わ〜」 周「呂蒙先生に勝るとも劣らん」 魯「ご寛恕」 婆「だ〜め♪」