地域おこし協力隊の受入れ・応募どちらも必見!

地域おこし協力隊や企業版ふるさと納税などの制度設計等をされ、雑誌TURNSで連載もされている西塔さんの超有益ツイートをまとめています(※随時更新中 ※更新者は本人ではありません)
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西塔大海|合作株式会社 Gassaku.Ink @SaitoM

【地域おこし協力隊の募集の見極め方】 5視点 協力隊の求人募集は毎年1月にピークを迎えます。しかも、年を追うごとに募集件数は増えていて今年は過去最高の650件。制度の活用している自治体は1178自治体ですので約半分が募集中。1000人以上の求人です。 そんな中でどんな視点で募集求人を選べばうまくいくのでしょうか?私も協力隊でしたし、300自治体以上の相談に乗ってきたので、少しだけ”応募する側の視点”で知見を共有します。 ❶給与から選ぶ これまで、一般的な協力隊の給与は月額18万円程度でした。現実的には、移住者が暮らすためには十分な稼ぎではありません。ある調査によると、協力隊の44%は何らかの副業をしており、その理由として「生活費を補うため」と半数以上が回答しています。この公的サイトならばほとんどの求人を網羅していて、かつ給与20万円以上の求人を探すことができます。 iju-join.jp/chiikiokoshi/s… 現在は協力隊募集の45%が20万円以上の募集に切り替わっており、また賞与も出る場合があります。 「より良い人材が欲しい」と本気で自治体が思っていれば、給与を上げるのは当然の成り行きですので、自治体としての本気度の表れとも読み取れます。 ❷地域から選ぶ 「あの街で暮らしてみたい」という憧れから選ぶ人もいるでしょう。お気をつけあれ! 当然ですが、全く見知らぬ土地よりも、土地勘のある地域の方が暮らし始めやすいです。また、雪が降る地域は冬場の生活の大変さがあります。その分、地域独特の食文化が残っていたり、連帯感が強かったりします!忘れてはいけないのは、都市圏からの時間的距離。3年後にフリーランスの仕事を作ったり、都市と行き来する仕事をする人は、時間的距離が大きくなりすぎると、移動のお金や腰に負担がかかります。また、観光事業に取り組む場合も時間距離はネックになります。 時間的距離のシュミレーション itmedia.co.jp/news/articles/…… ❸過去の協力隊の活躍から選ぶ 地域おこし協力隊の制度も15年がたち、1万人以上の人が任期を終えているはずです。その自治体の過去の協力隊の活躍は、検索すればすぐにわかます。3年間活躍した後その町に協力隊が定住しているというケースは、自治体や地域の受け入れ態勢が、整っているサインと言えます。逆に、協力隊が全く定着していないケースは要注意です。ミスマッチが起こっているかも。 ❹つながりから選ぶ 口コミが力を持つ時代です。ある程度以上の実績や知名度がある自治体の募集は口コミで人が集まります。SNSや信頼できる仲間に「面白そうな募集がないか」を聞いてみるのが良いと思います。もしくは、自分のふるさとや仕事で関わりのあった町の名前で、協力隊と検索すれば、募集があるかもしれません。今のおすすめの募集なども情報があるので、また今後ご紹介します ❺協力隊の活動内容から選ぶ うーん。これが正直、難しいのです。書かれてある内容が「情報発信」「商品開発」「地域活性化」「観光コンシェルジュ」など抽象的なもの、俗に”4文字熟語業務”だけである場合は、本当に要注意です。こちらが思っている業務と大幅に違う場合がほとんどです。具体的な業務内容が書いてあるものを優先的に見ていき、担当者にも応募前後で十分に確認しましょう。 抽象的な募集になる理由は、いくつか考えられますが、「募集要項なんだから適当でいいよね?と職員さんが手を抜いている」「忙しくて書く時間はないけど、商品開発=”道の駅の荷出し手伝い”と業務が決まっている」「何をさせるかは未定、来てから考えるつもり・・・」など様々。こういう自治体に採用されると苦労が多いかもしれません。 目安としはこのぐらい具体的なものを選びましょう! 漁師コーディネーター iju-join.jp/cgi-bin/recrui… SUPのある暮らし!北海道でアウトドアライフ・コーディネーター iju-join.jp/cgi-bin/recrui… #移住

2024-01-13 16:53:31
西塔大海|合作株式会社 Gassaku.Ink @SaitoM

【地域おこし協力隊の発案企画がうまくいかない理由】 鼻息荒く「地域を変えてやろう」と着任した一年目の地域おこし協力隊。早速企画やプロジェクトを提案するも、全く受け入れられずショックを受ける人が多くいます。でも、基本的にうまくいかないものなのです。それは協力隊のせいではない場合もあって。言うなれば、構造上の問題です。うまくいきにくい理由は5つ。未経験の方には「え?」と思う内容ですし、経験者には「そうそう」と首がもげるくらいうなづける内容です。 理由を知っておけば対策も立てられます! 理由❶<地域の文脈> 着任してまもない協力隊は地域の事情や文脈がわかりません。これまで地域が努力してきたこと、地域住民の地域への愛憎入り混じる思い、住民同士の対立・わだかまり、暗黙の約束事を全く知りません。 そんな状態で何かを始めようとすることは、例えるならば、サッカーをしたことがない人が、サッカーの作戦を立てるようなものです。地域の人にとって当たり前を知り、理解し、できるようになるだけで、3年かかります。 理由❷<行政のルール> 行政上のルールを全く知りません。つまり、会計年度任用職員として「やっていいことと・悪いこと」の区別もつきません。地方自治法、地方公務員法(服務規定)、議会承認の必要性、予算執行上のルール、売上の扱い方などの点で、ひととおりのルールがわかるまでに、早い人で2年はかかります。 これが理解できていない協力隊が主体となってプロジェクトを立ち上げると必ずトラブルになります。そもそも、協力隊のほとんどが会計年度任用職員であることを知らない人もいます。 ❸<信頼貯金> 地域における信頼が全くありません。プロジェクトは一人では成立せず、信頼関係に基づく多くの仲間が必要です。予算をつけてなんとか人を動かせても、翌年に予算がなくなれば消滅するプロジェクトになってしまいます。 信頼をベースとした仲間や、その熱量がプロジェクトをドライブしていく状態になるまで、じっくりと醸成していく必要があるのが地域プロジェクトの特徴です(営利事業ではそうはいきませんが) ❹<プロジェクトスキル> プロジェクトをやってみたいとか、あの企画をやったらいいのにと口でいう人は多いですが、そのために必要なスキルや経験値を持っている方は、少ないのが実態です。 企画書を書いたことがない。プロジェクトマネジメントの基礎知識がない。 「まずはやってみる」という精神が成り立つのは、個人プライベートの行動に対してであって、行政では通じません。そのため、職員さんが、承認し予算をとってもプロジェクトの立ち上げに辿り着かないケースの方が多いです。 ❺<隊員の希望と地域の希望のズレ> 協力隊はその地域で生まれ育っていませんので、地域への思いが住民ほどには強くありません。また、年代も、経済的状況も、楽しいと感じることも違います。そのため、協力隊と住民が協働するプロジェクトは、立ち上げ時は勢いでなんとかなっても、次第に分裂してきます。 ではどうすればいいのか。どうプロジェクトを立ち上げればいいのか(明日に続く) #JOINフェア2024 応援!! #移住

2024-01-14 11:17:45
西塔大海|合作株式会社 Gassaku.Ink @SaitoM

【地域プロジェクトの主体はだれか問題】 (続き)地域おこし協力隊が企画・プロジェクトを発案してもうまくいかない。では、どうするか。そもそも、地域を“変えたい”という種火は、地域のなかにある。 プロジェクトを発案し、立ち上げる主体は協力隊ではない。主体は地域の小さな種火である、役場職員であり、地域住民(キーパーソン)であるべきだ。どんなに消えそうでも、見つけにくくとも。種火のオリジンはのちに重要な意味をもつ。 (過去の私も含め)協力隊のような外部人材は、地域の事情や文脈がよくわからず、地域との信頼貯金もなく、行政のルールも全くわからない。そのため、良かれと思って、的外れなプロジェクトを立ち上げたり、トラブルになる進め方をするケースが多い。いえ、ほぼ確実にそうなります。そのくらい地域プロジェクトの許容範囲=合意の重なり合いは狭いのです(少なくとも外部人材の視点からすると)。 それでも、いくつかの地域は「よそ者・若者に従ってみよう」「運命に委ねてみよう」と決心します。うまくいくこともゼロではありませんが、たいていはその親心が、地域の限りある体力・時間を奪っていくことになる。よって、地域プロジェクトの起点は原則的に、地元の人であるべきだと強く思っています。 さらに、協力隊の発案したものは、協力隊の任期が変わった時点で、なくなってしまいますが、地域や職員が”本当に必要だ”と思い定めてから始めた企画は3年では無くなりません。たまに、ある協力隊個人が個人の思いつきで始めた企画を次の協力隊に継がせようとしますが、それも少し無理があるかもしれません。 なお、間違っても「地域課題を解決してビジネスにする(協力隊が個人で)」ということを、協力隊に丸投げしてはいけません。それは私たち地域の側が責任を持ってすべきことです。挑戦者の尊厳を踏み躙らないこと。 ん?「じゃ、協力隊になっても(来てもらっても)何もならないじゃないか」って!? そうですね。バスケシュートの左手ですね。添えるだけ。 でも、プロジェクトがシュート(打ち上がる)前には、見えない膨大な利害調整・交通整理・事務・鼓舞・笑顔が必要なわけです。その一部を職員さんと一緒に担っています。さも、「添えているだけです」みたいな顔をして。 健全なる“左手の作法”という話はまた今度。

2024-01-15 19:50:53
西塔大海|合作株式会社 Gassaku.Ink @SaitoM

【地域おこし協力隊の志願者が面接を受ける前に知っておきたいこと】 ❶自治体職員は面接に不慣れ 大企業の採用面接と違い、面接試験官の経験者が職員にほとんどいません。そのため連絡や段取りが不十分だったり、質問の要領が分からず緊張しています。余裕がある方は応募者の方で、和やかな雰囲気を作ってあげましょう。質問もその場の思いつきで、他意はありません。気を楽に素直にお答えください。「その質問の意図は〇〇ですか」など逆質問すると、生意気とみる年配職員もいらっしゃいます。 ❷質問は志望動機くらい 一般的な質問しかされません。自分がアピールしたいポイントは、冒頭の質問でやんわりと頭出ししてあげてください。履歴書を事前に読んでいない人もいます。書類に書いたからと安心してはいけません。「もう少し質問したい」と思わせる冒頭のトークを入念に準備しましょう。なお、志望動機の質問には「なぜ協力隊になりたいのか」と「なぜこの自治体を選んだのか」の二つの質問が含まれています。両方に答えてあげてください。 ❸前職を辞めた理由は? 地方では今も「一つの仕事を長く続けるのが偉い」という思想がある。役所は特に転職が少数派。よって転職する人の価値観が正直、わからないんです。丁寧に説明する準備をしてください。具体的に、カタカナを使わずに、「頑なな自分の父」に転職を説明するような説明が良いでしょう。もちろん、「前の職場は〇〇ができなかった」などネガティブな転職理由はNG。「協力隊もすぐに辞めそう」と思われてしまいます。 ❹まちの印象は? 企業の採用面接で言えば、「弊社の印象は?」に相当する重要な問いです。まちの情報の下調べをしてきたか、その上で地域をどう観察したかなどが答えとして期待されています。準備した上で、素直に答えましょう。ネガティブな印象を話す場合は、リフレーミングや自分のアイディアを添えて熱意を伝えましょう。なお、面接官の担当する業務や市町村長が注力していいる事業にコメントできると、視座が高く好印象です。 ❺定住の意思は? 正直に答えてください。面接での「定住する/しない」という答えは、界隈で広がり後々まで引きずります。現時点で定住意思がない場合は、明確に答えておいた方が詰められずにすみます。定住の意思がまだ曖昧な時も「地方移住を目指した転職」なのか、「地域貢献や課題解決を目指した転職」なのか、自分の気持ちをどちらかに明確にしておいた方が良いでしょう。 ❻質問はありませんか? 面接に慣れていないため、聞かれないことも多いです。ただ、できるだけ質問を用意しておきましょう。終わりがけに自分から質問よろしいですか?と聞いても悪い印象にはなりません。特に、自分が任期中にやりたいことがある場合は、必ず、必ず、「こういうことをしたいが可能か。気をつけることは何か」聞いてください。それが募集要項に書かれていたとしても、提出書類に書いたとしても、聞いてください。必ずです。 ❼最終決裁者と担当職員は異なる 最終面接官は役所の幹部であることが多く、現場とは多くの場合、意見が違います。事前の打合せや質問で担当職員がなんと言っていたとしても、面接の中で上の人にしっかりと伝え、条件が合っているのか、自分の希望が叶う可能性があるのかを確認しましょう。実は、協力隊制度に求めることは、役場の上の管理者と、現場職員で異なることが多いのです。  そもそも、「こういう自治体の協力隊募集には応募してはいけない!」という大原則があるので、それはまた明日

2024-01-16 11:04:11
西塔大海|合作株式会社 Gassaku.Ink @SaitoM

【避けるべき地域おこし協力隊の募集要項のチェックポイント19個】 地域おこし協力隊は移住を伴う転職ですので、転職後に「あれっ、思っていた仕事と違った」と気がついても、バイトのようにすぐには辞められません。とは言え、600件以上ある募集要項の中から”リスクの高い募集要項”を見抜くことは至難の業。そこで、「少なくともこういう募集要項は避けるべき」というスクリーニングポイントをご紹介します。協力隊の募集の公式サイトはこちらです。iju-join.jp/cgi-bin/recrui… このサイトの中で、以下のポイントに5個以上当てはまったら黄色信号、10個以上当てはまったらスルーをお勧めしたい。 ❶タイトルが「〇〇町の協力隊を募集」 ❷記事のトップ写真が美しい風景写真 ❸書き出しが”国道○号線”など地元地理情報 ❹業務に関係のない歴史や特産品の紹介が長い ❺業務内容に4文字熟語が3つ以上ある  「情報発信」「地域活性」「魅力発掘」など ❻業務が網羅的な箇条書きでメイン業務が不明 ❼担当職員の顔や熱意が書かれていない ❽市町村名や担当者名にふりがながない ❾居住予定の住宅の情報・写真がない ❿業務の”やりがい”や魅力が書かれていない ⓫人物像として「コミュニケーション力が高い人」 ⓬「SNS情報発信」が業務なのにSNSリンクがない ⓭肩書きが業務実態よりも極端に大げさ ⓮先輩協力隊の情報・リンクが全くない ⓯役場と雇用関係がない→難易度高し ⓰定住してほしいのかどうかの意思表示が曖昧 ⓱自治体が同時に複数募集をしおり、記載がコピペ ⓲3ヶ月以上同じ募集内容で募集が続いている ⓳自由提案型だが具体の課題の明示がない 最後に、そもそも仕事内容に関する情報量が少ないものは絶対に避けるべきです。 何を、どのくらい、いつまでに、誰と、どこで働くのか。協力隊はいわばジョブ型雇用です。業務の定義や記述が曖昧なものは避けたほうが良いでしょう。 目安として、タイトルと募集要項(下の枠内)との間の文章が2000文字未満のものは、まだ業務定義が不十分で、受け入れの調整ができていない可能性が高いので、着任したときに苦労されると思います。 2000字以上のものは例えばこれ iju-join.jp/cgi-bin/recrui…

2024-01-17 20:26:58