cozycube さんの #掛算 に関するツイート

この方のツイートもとても参考になりました。 「計算を習い始めた子供には、まず計算の楽しさをわかってもらうのが先だろう」ということから始まり、全体を通して「子供の視点」を重視しておられる姿勢に共感を覚えます。 そして、教師の側の「子供は大人より劣っていなければならない」という思い込みのせいで、自由な知性を抑圧される子供たちの悲惨さを憂いている点も。 この「掛け算を巡る一連の騒動」の背後にある気持ち悪さ、危険性が、この方のツイートからは感じ取れます。
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@cozycube

5. いったんM世界が生まれると、それは頭の中の世界ですから、思考の許す限り急速に膨張して行きます。最初はモノにこだわっていただけだけど、抽象化も進み、ついには純粋な数学も生まれて発展して行きます。負うた子に教えられ、特に親だった物理学や経済学が数学でさらに発展します。 #掛算

2011-12-25 21:51:45
@cozycube

6. 数学、及びそれによって再発展した学問、それに限りませんが、要は全て頭の中のことです。りんごと皿に戻ると、目の前に見えていても、個数や枚数は頭の中だけにあるM世界の便利な「概念」です。でも、これをR世界に属すると少しでも感じると罠にはまります。 #掛算

2011-12-25 21:58:52
@cozycube

7. その罠を俗にピグマリオン症候群と言います。ちなみにピグマリオンとは、ギリシア神話で自分の作った女性の彫像に本気で恋してしまった人物です。ピグマリオン症候群の極端な例は、(R)世界は数が本質だと思ってしまうことがあります。古代ギリシアのある学派はそう信じていました。 #掛算

2011-12-25 22:02:29
@cozycube

8. もちろんR世界が数や数式で出来ているわけはありません。M世界の住人の物理学がいかに精密にR世界を描写して、その記述通りのことがR世界で起こっても、R世界は数でも数式でもありません。そもそも、「記述通り」という判断自体もM世界のもので、R世界の方は知らぬ存ぜぬです。 #掛算

2011-12-25 22:06:02
@cozycube

9. 算数も純粋にM世界の話です。一皿2個のりんごが6組でも、一皿3個のりんごが4組でも、4個が3皿でも、6個が2皿でも、どれでも、皿の上のりんごを1つの空箱に入れれば、中にはりんごが12個です。りんごを箱に入る前のR世界の状況は全部違います。これは厳然たる事実です。 #掛算

2011-12-25 22:11:59
@cozycube

10. では、その状況を算数的なM世界ではどうか。2×6=3×4=4×3=6×2=12となります。皿に乗ったままで数えないでも、もし全部のりんごを箱に入れたら何個かが分かる。箱の中のりんごを数えたら確実に12個。それが算数の「100%の予言能力」です。 #掛算

2011-12-25 22:16:35
@cozycube

11. しかし、12という抽象化され情報がそぎ落とされた数字は、元の計算式を知りません。12だけ示されても、計算式を書いた人以外、誰にも分かりません。あえて、まだ数に付随する単位まで踏み込みません。もっとも12個としたところで、=の前の状況、つまり式は分かりませんが。 #掛算

2011-12-25 22:23:46
@cozycube

12. ここで、3×4=12まで情報を戻してやると、「どうやら、りんご3個が4組」らしいと気づき、算数の可換(算数の親の数学が保証している)に気づいて「りんご4個が3組」かもしれない、どちらかは分からない。となります。R世界に向かって戻って言ってますが、まだM世界。 #掛算

2011-12-25 22:28:18
@cozycube

13. ここで文章で説明してもいいのですが、単位を使うことにしましょう(単位同士の計算は既知として省略)。3個/皿×4皿=12個と書いた式であれば、他の状況は分からないけど、それが、12個のりんごと対応していると知らされれば、やっと元の状況がM世界で再現可能になります。#掛算

2011-12-25 22:34:36
@cozycube

14. こうして、ようやく、元のR世界がどうだったかが分かるわけです。単位という便利なM世界の道具を使って、かつ「りんごと皿だよ」などの、やはり言葉というM世界の道具で、R世界の状況が再現できることになります。単位を使えないと、もっと冗長ですが基本的には同じです。 #掛算

2011-12-25 22:38:10
@cozycube

15. 単位を使ったのは理科的だし、添えた説明は国語的ですね。どちらもM世界。ちなみに、単位を付けても可換ですね。ちゃんと皿という単位は消えて、欲しい個が残る。手間暇かけて無駄なことをしたようではあります。箱にりんごを入れる前のR世界の状況を見れば、一目瞭然ですから。 #掛算

2011-12-25 22:41:40
@cozycube

16. まあ練習問題ですから、ありがたみは少ないんですけど。しかし、こうしてR世界から状況を抽出してM世界に写せること、そのM世界で自由な操作で、さらに欲しい情報を絞り込めること。それだけではなく、単位などの付加情報があれば、その範囲でR世界の状況を知ることができること。 #掛算

2011-12-25 22:44:57
@cozycube

17. それがM世界の強力なところです。M世界の力によって、たとえば見ることもできない大昔の宇宙の誕生の様子まで解明できそうなところまで来ています。そういう強力なM世界の入り口が、算数を含む初等教育です。M世界の強みは脳内で出来る限り自由にしたルールで何でも出来る事です。 #掛算

2011-12-25 22:48:26
@cozycube

18. しかし強力なのは自由だからで、自由過ぎて最初はM世界で戸惑います。そこでM世界を小さくしたもので練習すればいいわけです。M世界である数学の中に、小さくして見通しやすいM世界にしたのが算数ですね。いずれもっと強力なM世界への準備です。小さくしても自由は減らせません。 #掛算

2011-12-25 22:52:27
@cozycube

19. 算数M世界の自由を減らしては、M世界の練習になりません。それなら、もっと小さくするのが基本。それでも駄目なら、仮の目印を置く。慣れたら、目印は即座に取り去らなければなりません。いつもでも置いておくと、それに頼って自由を学べません。掛け算順序はそういう話です。 #掛算

2011-12-25 22:54:36
@cozycube

20. もう一度「ピグマリオン症候群には気を付けて、決してその罠にはまらないように」と申し上げておきます。計算式や数式はR世界には属しません。R世界で便利に生きるための、M世界の道具です。M世界でいかに精緻に記述しようと、実体ではない。式が違うから実体が違う、は妄想です #掛算

2011-12-25 23:00:27
@cozycube

@radinms MとRは基本的には1対1、だけどRから必要な情報を抽出してMに写す、という説明をしました。RからM、Mの中での操作で、欲しい物について不要な情報はどんどん落としていくのです。ですから黒木さんが言う、式から実体は説明できない、と合致していますよ。 #掛算

2011-12-25 23:04:44
@cozycube

@genkuroki #掛算 一つの可能性ですが、自転車に乗れるようになり、それが上達するほど、乗れなかったときのことが思い出せないのと同様かもしれません。九九さえ覚えてしまえば、可換は意識せずとも身に付きますから、不便な順序など、教わっていても忘れているのかもしれません。

2011-12-25 23:36:55
@cozycube

@genkuroki #掛算 もう一つの可能性は、最初は「そんな馬鹿な話があるか」と思われていたけど、長期間に渡って繰り返される教科書指導書の掛け算順序の毒が徐々に回ってきたとも考えらえます。人間は、最初は嘘と思えても、繰り返し自信ありげに断言されると、確信がぐらつくそうです。

2011-12-25 23:40:21