古英語解読 その3

自分でまとめるのも何ですが、OE詩 The Seafarer (12b-22) の解読垂れ流しです。内容は保証しませんのでご注意をw 前回までのまとめはこちら↓ その1 http://togetter.com/li/140041 その2 http://togetter.com/li/142386
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なべ @ab07_tact

海行く人を一応読み終えたのでちょっとだけ解読を垂れ流してみようかと… @fumi3648

2011-12-25 14:47:03
なべ @ab07_tact

いきなりですがOE詩The Seafarerの解読を垂れ流します。以前(半年以上前だけどw)やった時のまとめはこちら→http://t.co/c9E9vRUi http://t.co/AZkzukZI 12aまでやったので続きから10行くらい

2011-12-25 14:52:48
なべ @ab07_tact

テキストはこれ(多分ASPRのやつ)→http://t.co/Wxiloi8R その他適当に参照します。

2011-12-25 14:54:20
なべ @ab07_tact

þæt se mon ne wat/þe him on foldan fægrost limpeð, (12a-13) 「これをその人は知らない/陸地において良いことが生じる人には」

2011-12-25 14:58:32
なべ @ab07_tact

12a þæt は 14a から始まる hu-節に対応。wat "know" の目的語になってる。se mon は主語で、13 の þe him 以下が関係節で修飾しているというつながり。

2011-12-25 15:01:59
なべ @ab07_tact

基本的に þe だけで関係代名詞として問題ないんだけど、与格であることを明示する him が共起してる。この部分の解説は Guide to OE (Mitchell & Robinson 2007) の sec. 162に

2011-12-25 15:05:26
なべ @ab07_tact

on foldan は「地において」。folde "earth, land" はOEで良く出る基本語。fægrost は "fairest"、「最も良く」みたいな感じの副詞。limpeð は limpan "happen" の3人称単数現在形。非人称動詞として用いられてる .

2011-12-25 15:09:10
なべ @ab07_tact

hu ic earmcearig iscealdne sæ/winter wunade wræccan lastum, (14-15) 「いかに私が惨めで悲しく 凍てつく海を/冬の間住処としたかを 逃亡者の道にあって」

2011-12-25 15:13:22
なべ @ab07_tact

先述の通り14a の hu 以下は 12b の þæt に対応。ic は "I" 続く earmcearig は earm "poor" と cearig "sorrowful" の複合語。役割としては ic の補語

2011-12-25 15:16:19
なべ @ab07_tact

14b iscealdne sæ は対格。現代英語にすると ice-cold sea って感じ。15a winter は副詞的対格。場所や時間を表すのに用いられることが多く、ここでは「冬の間」。解説は OE Grammar (Quirk & Wrenn) の sec. 97 に

2011-12-25 15:20:34
なべ @ab07_tact

wunade は wunian "dwell" の3人称単数過去。wræccan は今の "wretch" だけど意味は「逃亡者」。単数属格。lastum は「足跡」の意味で複数与格。14b は成句的に「逃亡者の道にあって」 (Gordon)

2011-12-25 15:24:53
なべ @ab07_tact

wunade は wunian "dwell" の3人称単数過去。wræccan は今の "wretch" だけど意味は「逃亡者」。単数属格。lastum は「足跡」の意味で複数与格。14b は成句的に「逃亡者の道にあって」 (Gordon)

2011-12-25 15:24:53
なべ @ab07_tact

ちなみにOEの複数与格はみんな -um で終わるので非常に覚えやすいw

2011-12-25 15:25:29
なべ @ab07_tact

ちなみにOEの複数与格はみんな -um で終わるので非常に覚えやすいw

2011-12-25 15:25:29
なべ @ab07_tact

winemægum bidroren, /bihongen hrimgicelum; hægl scurum fleag. (16-17) 「近しい血縁の者を奪われて/氷柱をぶら下げて; 霰は雨になって飛んだ」

2011-12-25 15:31:18
なべ @ab07_tact

winemægum bidroren, /bihongen hrimgicelum; hægl scurum fleag. (16-17) 「近しい血縁の者を奪われて/氷柱をぶら下げて; 霰は雨になって飛んだ」

2011-12-25 15:31:18
なべ @ab07_tact

winemægum は wine "friend" と mæg "kinsman" の複合語。複数与格。bidroren は bedreaosan "deprive of" の過去分詞。本来はこの後に半行 (16b) あるはずなんだけど欠落してるので空白になってる

2011-12-25 15:33:52
なべ @ab07_tact

winemægum は wine "friend" と mæg "kinsman" の複合語。複数与格。bidroren は bedreaosan "deprive of" の過去分詞。本来はこの後に半行 (16b) あるはずなんだけど欠落してるので空白になってる

2011-12-25 15:33:52
なべ @ab07_tact

bihongen は behon "hang" の過去分詞。hrimgicelum は現代英語では "rime-icicle" で、これも複数与格。hægl は "hail" で主格。scurum は "shower"。fleag は fleogan "fly" の単数過去

2011-12-25 15:37:24
なべ @ab07_tact

bihongen は behon "hang" の過去分詞。hrimgicelum は現代英語では "rime-icicle" で、これも複数与格。hægl は "hail" で主格。scurum は "shower"。fleag は fleogan "fly" の単数過去

2011-12-25 15:37:24
なべ @ab07_tact

OEの不定詞は基本的に -an で終わるんだけど、一部に -on で終わるのがある。例えばさっきの behon みたいに。こういうのは「縮約 (contracted) 動詞」 といって、もともと例えば *behoganみたいな形(復元型は適当なので注意)だったと推定(続く)

2011-12-25 15:43:07
なべ @ab07_tact

OEの不定詞は基本的に -an で終わるんだけど、一部に -on で終わるのがある。例えばさっきの behon みたいに。こういうのは「縮約 (contracted) 動詞」 といって、もともと例えば *behoganみたいな形(復元型は適当なので注意)だったと推定(続く)

2011-12-25 15:43:07
なべ @ab07_tact

(続き) まあ、活用形には子音が残ってるしね。縮約動詞の話は OE Grammar (Quirk & Wrenn) の sec. 180 にちょっと解説がある

2011-12-25 15:44:32