【物語のみ】誘拐犯「お前の子は預かった。返して欲しければ3億円用意しろ」親「あんなのいらないからあんたにやるよ！」

不二式 @Fujishiki

男は子供から写真立てを勢い良くふんだくって言った。「これは見るな」子供はあ…あ…と言いながらみるみる顔を恐怖に歪め、部屋の隅に行き、ガタガタ震えながら頭を抱えて座り込み、「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」と言い続けた。 #twnovel #誘拐犯物語

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男は困り顔で子供に近寄り、頭を撫でながら言った。「…悪かった。怒っているわけじゃないんだ。落ち着いてくれ…」子供は震えながら泣きながら振り向いた。（重症だな…相当キツい虐待を受けていたらしい。叱られることや暴力にトラウマがあるようだ。） #twnovel #誘拐犯物語

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男はしばらく子供を撫でながらあやしていたが、なかなか泣きやまない子供が気になるものの、明日は仕事があるため、とりあえず風呂を沸かすことにした。 #twnovel #誘拐犯物語

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トイレと風呂が一体化した部屋に行き、浴槽に栓をして、蛇口を温水にしてひねり、浴槽に湯が貯まり始めたことを確認して、子供のところに戻った。子供はまだぐずついていたが、CDプレイヤーのスピーカーの前の椅子に座り、相対性理論の歌を聞いていた。 #twnovel #誘拐犯物語

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子供は少し落ち着いたようだった。子供の前に行き、しゃがんで子供を見つめ、撫でながら男は言った。「さっきはごめんな。びっくりしたな。悪かったよ。お前を怖がらせるつもりはなかったんだ。」子供は男の目を見つめていた。 #twnovel #誘拐犯物語

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子供はすぐに恥ずかしそうに目を反らし、膝と膝とをこすり合わせ、股を押さえた。「トイレか？」男は言った。子供は頬を少し赤く染めて頷いた。男は風呂とトイレの一体化した部屋へと子供を招き、トイレの使い方を教えた。「一人でできるよな？」男は聞いた。 #twnovel #誘拐犯物語

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子供は膝と膝を合わせながらこくりと頷いた。部屋から出て、机などを移動させ、布団を敷く男。ちょろちょろという排尿音が聞こえる。男はまずい、と思った。一人暮らしのために布団が1セットしかなかったのだ。 #twnovel #誘拐犯物語

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男は仕方ない、と自分用にバスタオルを敷き、クッションを枕代わりにすることにした。（布団で眠れないのは嫌だが、服を着て眠れば風邪は引かないだろう。） #twnovel #誘拐犯物語

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子供は恥ずかしそうに部屋から出てきた。男は言った。「手は洗ったか？」子供はこくりと頷いた。男は微笑み、子供を撫でて言った。「よし。よくやった」子供は相変わらず恥ずかしそうに男を見上げていた。 #twnovel #誘拐犯物語

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男は浴室を確認した。湯は子供が浸かるのに最適なくらいまで入っている。男は蛇口をひねり、湯を止めた。男は言った。「風呂入るか？」子供は首を横に振った。「頭気持ち悪いだろう？数日間入ってないみたいじゃないか。髪も洗ってやるよ」 #twnovel #誘拐犯物語

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子供は恥ずかしそうに男を見つめていたが、自分の頭を触ると、渋々といった感じで頷いた。男は言った。「じゃあまず服を脱げ」「え…」たちまち子供はかああと顔を赤くしてもじもじした。男は不思議そうに言った。「うん？別に恥ずかしがることないじゃないか」 #twnovel #誘拐犯物語

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子供は顔を真っ赤にしながらも目を閉じ、黄色いTシャツを脱いだ。起伏のない幼児の体だ。Tシャツで隠れていたところに青いアザなどがいくつかある。（痛々しいな…）男は苦々しい表情になった。子供はそのまま黒い半ズボンも脱いだ。ピンクの女児パンツを履いていた #twnovel #誘拐犯物語

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男は目を見開いて驚き、咄嗟に目を逸らした。（なんてことだ、名前が名前だからてっきり男の子だとばかり思っていた…女の子だったのか…）男は息を呑んで考えた。（いや…待てよ、別に問題なんてないじゃないか。5歳の女の子だ。変に意識する方がおかしい） #twnovel #誘拐犯物語

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男は決心して子供を見た。そこには起伏のない幼女の裸体があった。子供はとても恥ずかしそうに股間を隠している。男はまた勢い良く目を逸らした。（いや、だから！俺が動揺してどうするんだよ！5歳の女の子なんだから別に娘と風呂に入る感じでいいじゃないか！） #twnovel #誘拐犯物語

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（娘…娘だ…この子は俺の娘…）男は自分に暗示をかけつつ子供の顔だけを見るようにして言った。「よし、風呂に入れ。ここには体を洗うスペースが浴槽しかないから、体を洗う前に風呂に入るんだ」子供は真っ赤な顔のまま頷いた。 #twnovel #誘拐犯物語

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子供は股間を隠しながら浴槽をまたごうとしたが、足が届かず、浴槽の上のところに足を乗せて入ろうとしてつるっと滑ったので、咄嗟に男は子供の両腋を持って抱えるようにした。子供のつんとした乳首に指先が当たる。男はドキドキしながら子供をゆっくり風呂に浸けた。 #twnovel #誘拐犯物語

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男は動悸を抑えながら聞いた。「湯かげんはどうだ？そのままだと子供には熱いと思って水を入れてぬるくしておいたんだが」子供は相変わらず顔を真っ赤にしてうつむいたまま、小さな声で「大丈夫…」と言った。男は子供の肩に手で湯をすくってかけてやった。 #twnovel #誘拐犯物語

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男はようやく落ち着いてきて、子供の体をもう一度見た。青いアザの他には擦り傷なども多い。首にも強く締め付けたような跡がある。手首や足首にもだ。縛られたりしたこともあったらしい。男はたちまち表情が曇った。（相当ひどい虐待を受けていた、らしいな…） #twnovel #誘拐犯物語

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男はまた子供の肩に湯をかけて言った。「そういえば勝手に連れてきて自己紹介がまだだったな。…まあ誘拐犯が自己紹介ってのもおかしいんだが…」子供は上気した顔で男を見上げて小さな声で言った。「誰にも、言いませんから…あなたのこと…大丈夫です…」 #twnovel #誘拐犯物語

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男は湯で濡れた手で頭をかきながら言った。「いや…まあ…でも誘拐だからな…」子供はうつむいて言った。「おばさんに叩かれるよりは、首を締められるよりは、あなたといる方がマシです」「そ…そうか…」男は複雑な気持ちで苦笑いした。 #twnovel #誘拐犯物語

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男は言った「俺の名前は河野 達夫（かわの たつお）だ。お前は下の名前はキョウ、だったっけ？」子供はうつむきながら頷いて小声で言った。「はい。臼井 京（ウスイ キョウ）です」男は感心して言った。「名前が丁寧語でちゃんと言えるなんてすごいな」 #twnovel #誘拐犯物語

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子供はうつむいたまま小声で答えた。「いえ…それほどでもないです」男は思った。（5歳にしてはいくらなんでも大人びすぎだな…人見知りとかはあるが…虐待や叱咤によって矯正されてしまったんだろう。子供らしさの方が少ないくらいな気がする…） #twnovel #誘拐犯物語

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達夫は京の肩に手で湯をかけながら言った。「お前は虐待を受けていたらしいが、自分の家に帰りたいとは思っているのか？」京はうつむきながら小声で言った。「思ってないです」 #twnovel #誘拐犯物語

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達夫は目を細め、神妙な顔で少しの間黙り、言った。「京、お前は、どうしたい？」京は少し驚いたのか、目を見開いて達夫を見た。 #twnovel #誘拐犯物語