論文集の個々の論文の複写と著作権制度 その後とこれから

先日まとめた「論文集の個々の論文の複写と著作権制度」について、その後に動きがあったようなのでまとめてみました。
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MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

以前ツイートした論文集の図書館におけるコピーの件、少し水面下で動いています。とりあえず、日本史・民俗学系の出版社である岩田書院さんからは、前向きな御返事をいただきました。というか、以前の裏だよりに書いたよ、とご教示をうけました。忘れてた。 http://t.co/8fazgNZS

2012-04-23 00:41:01
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

それで、現在岩田さんとは著作権者の了解をとって、本にコピー可と明示するという実効性のある方法について、協議を始めたところです。以前、 @Zhang_Mao さんからご提案いただいた方法です。ちょっと見守っていてくださいね。進展があったら、またご報告します。

2012-04-23 00:45:32
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

この件で動いているのは、『戦国大名と国衆』という再録論文集の編纂に私が携わっているためです。たとえば、昨年私の編著の形で刊行した『甲斐小山田氏』がそれにあたります。

2012-04-23 00:51:45
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

もともと、岩田書院の『戦国大名と国衆』および戎光祥出版社の『中世関東武士の研究』シリーズは、入手困難な論文を、容易に手に取ることができるようにし、研究の進展をはかるためのものでした。これはかつて吉川弘文館から出された『戦国大名論集』の恩恵を蒙った世代である、ということが大きい。

2012-04-23 00:53:20
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

もちろん、出版した以上は、本を買って貰うことが、出版社にとっても、我々編者にとっても一番です。しかし、購入者の中には、図書館も当然含まれます。というより、図書館に積極的に買って揃えていただきたい。ところが、図書館で買って貰った場合、おかしな事態が生じるわけです。

2012-04-23 00:54:38
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

図書館にある本を手に取った場合、閲覧者は、『戦国大名と国衆』シリーズから論文をコピーすることができません。ひとつの論文をフルでコピーするためには、わざわざ古い雑誌媒体の論文を探し出すか、執筆者あるいはその遺族を自力で探し出し、連絡をとって複写許可証をもらってくる必要があるのです。

2012-04-23 00:55:50
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

これでは、我々が苦労して再録論文集を編集している意味の半分が失われてしまいます。そこで、まずは岩田さんに、事情を説明して話を動かしているところです。出版社にとっても、著作権者にとっても、編者にとっても、そして何より読者にとっても、うまく話が動くよう、私自身も期待しています。

2012-04-23 00:57:58
Kanako KITAHARA @kanakokitahara

素晴らしい!さすが、岩田社長(^_^)。正直、自分の本は売れてほしい(笑)、でも、趣旨に大賛成です。RT @kurmacf: これでは、我々が苦労して再録論文集を編集している意味の半分が失われてしまいます。そこで、まずは岩田さんに、事情を説明して話を動かしているところです。

2012-04-23 01:06:50
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

流石ですよね。ここまで対応が迅速とは、僕も思いませんでした。膝詰めで談判しないとダメかな、と。それがメールであっさりOKしてくださいました。 RT @kanakokitahara: 素晴らしい!さすが、岩田社長(^_^)。正直、自分の本は売れてほしい(笑)、でも、趣旨に大賛成です

2012-04-23 01:44:50
FUKUSIMA,Yukihiro @archivist_kyoto

素晴らしい。我々にも出来ることがあるのではないか。せめてそれぞれの親組織の刊行物の複写について、その原則を明示するよう働きかけるとか。ボールはこちらに投げられている

2012-04-23 07:27:33
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

僕としてはできる限り動くつもりですが、もちろん限界はあります。また、図書館側に周知されないと意味がありません。皆さんのご協力を仰ぎたい次第です。 RT @archivist_kyoto: 素晴らしい。我々にも出来ることがあるのではないか。せめてそれぞれの親組織の刊行物の複写に…

2012-04-23 09:42:26
FUKUSIMA,Yukihiro @archivist_kyoto

@kurmacf ありがとうございます。私は図書館的には辺境の住人ですが、MLA連携がらみで、5月に2回ほど各機関関係者の前で話す機会があります。その時に公共団体の文化情報を取り扱う職員が出来ること、という角度でこの間の議論を参考にさせていただき、問題に触れられればと存じます

2012-04-23 12:57:21
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

@archivist_kyoto お忙しいところ申し訳ありませんが、是非よろしくお願いいたします。大変心強く思います。

2012-04-23 14:38:09
張茂 @Zhang_Mao

「論文集の個々の論文の複写と著作権制度 その後とこれから」をトゥギャりました。 http://t.co/nvoaCAue

2012-04-24 00:11:41
張茂 @Zhang_Mao

@kurmacf @kanakokitahara @archivist_kyoto つぶやきを使わせていただきました。問題ありましたら対応しますのでご連絡ください。 http://t.co/nvoaCAue

2012-04-24 00:12:24
張茂 @Zhang_Mao

以前の方もまとめを更新しました。結構色々と皆さんからコメントをいただいているようで。 「論文集の個々の論文の複写と著作権制度」 http://t.co/WQFWBMVJ

2012-04-24 00:24:13
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

例の雑誌論文ならフルコピーできるが、論文集に入っている論文はフルコピーできないという、著作権法上の問題。帰りのあずさで詳細をK田さんに説明。納得を得る。うまくいくかわからないけれど、一歩一歩進めて行きたい。まず、問題があることを認識してもらうことから始めないといけないのだ。

2012-05-06 00:40:57
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

問題は、奥付付近に著作権者全員の複製許諾書をつけたところで、図書館側にそれを認識してもらえるか。閲覧利用者にその存在を気づいてもらえるか。おそらくこのハードルが一番高い。マスメディアの力を借りる必要があるかもしれない。このハードルも、個人的には結構高い。でも、なんとかしたいのだ。

2012-05-06 00:46:10
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

ただ、岩田書院が論文のコピーフリーに前向きなのは奇跡的なことだ。他の出版社では、なかなかこうはいかないだろう。でも、岩田さんでうまくいけば、賛同してくれるところが出てくるかもしれない。蟻の一穴を、なんとしてでもこじ開けたい。今、その一歩めに頭を悩ませている。

2012-05-06 00:51:04
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

繰り返しになるが、現行の著作権法では、論文集に収録されている論文は、それぞれ半分までしかコピーできない。そして約10年前から国会図書館などでこの規定が厳密運用されるようになった。これは誰も得をしない、という点で、K田さんと一致をみた。

2012-05-06 00:57:05
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

論文執筆者、つまり著作権者は、広く自分の論文を読んでもらいたい。これが普通の意識だ。そして専門書は一般に高価であったり、絶版で入手困難だったりする。だからみんな買える範囲で本を買い、買えない分はコピーで代用してきた。そうして学問は発展してきたのだ。ところが、著作権法がこれを阻む。

2012-05-06 01:02:56
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

たしかに出版社にとって、必要な箇所だけコピーされてしまっては、営業に支障が出るかもしれない。でも、みんな図書館で本を借りたら、セルフコピーで必要な箇所をコピーする。これが実態だ。貸し出し不可の図書館や、ILLにおいて問題になるだけだ。でもこれで下がる売り上げはそんなに大きいのか?

2012-05-06 01:08:35
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

僕はそうは思わない。これは、コピー機が普及した段階で発生した問題であって、著作権法の運用厳格化で防げる問題ではないように思う。音楽と同じだ。そもそも、学術書以外の共著で、ひとりの執筆者が書いた部分をフルコピーしたいという要望はどれほどあるのだろう?僕には、ちょっと想像がつかない。

2012-05-06 01:14:17
MARUSHIMA Kazuhiro @kurmacf

では、技術的にコピー機がない時代に戻れるか?といったら答えはNOだ。戻れるわけがない。出版社には、それを踏まえた書籍の出版が求められているし、実践していると思う。しかし現行の法令と運用は、学問の発展を阻害している側面のほうが遥かに大きい。なんとか現状を打破したいと思う所以だ。

2012-05-06 01:18:41