沼崎一郎先生Ichy_Numaの「新入生の多くが「レポート恐怖症」に罹っているが、その原因のひとつが受験小論文体験らしい。」

「知ってることにしか目が行かない」という習性を打破し、「知らないことに目が行く」癖をつけさせるには、どうすればいいのだろうか?by 沼崎一郎 【受験小論文と大学レポートの違い】も同時収録!(^_-) 日本語140字のツイートは、パラグラフの練習にはちょうどいいかも。トピック・センテンスを冒頭に。次にエビデンスを示すサポート・センテンスを2~3つ並べるくらいできるだろう。
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沼崎一郎 @Ichy_Numa

レポートの序論は、1)問題設定、2)動機(背景)、3)キーワードの定義、4)方法の説明、5)レポート構成の説明と結論の予告、以上の5節構成が基本。1)がトピック節、2~4)がサポート節、5)が「つなぎ」の節。

2012-05-09 02:34:15
沼崎一郎 @Ichy_Numa

レポートの結論は、1)結果(分かったこと)の要約、2)その意義の説明、3)結果の限界(まだ分からないこと)の指摘、4)将来の課題(これから是非とも調べるべきこと)の指摘、5)反省と展望(どのような教訓を得、どちらに進もうとしているか)、の5節でいいだろう。

2012-05-09 02:40:13
沼崎一郎 @Ichy_Numa

レポート本文の構造は、問題設定に応じて変化するので、その構成の一般論を述べるのは難しい。問題を明らかにするための取り組むべき課題の数=本論の節の数になる。

2012-05-09 02:42:13
沼崎一郎 @Ichy_Numa

私は、レポートの序論を読み、結論を眺め、注と文献リストをチェックし、それからゆっくり本論を読む。その結果、「うーむ」と唸ればAA、「ほうほう」と頷けばA、「まあ、こんなものか」と微笑めばB、読んでる途中で眉間に皺がよってくるとC、机に突っ伏すとD。

2012-05-09 02:49:42
沼崎一郎 @Ichy_Numa

教員が興味を持ってレポートを読むかどうかは、最初の3行で決まる。すなわち、序論の問題設定の冒頭の文章が、問題は何か、どういう視点から、どのような材料をもとに、どのように考察しようとしているのかを、いかに明晰かつ判明に述べているかが鍵となる。

2012-05-09 02:52:53

まとめ 渡邊芳之先生@ynabe39の「まあ本でも一般書では「大事なことは冒頭に書け」といわれるよね。」 あいかわらずTogetterまとめは「中味を読まずにコメントする」という決まりなんだな。 買った本を最後まで読む人というのはそう多くないのだそうだ。 3040 pv 7 2 users

沼崎一郎 @Ichy_Numa

教員が次に興味を持つのは、レポート執筆の動機だ。なぜ、そのような問題設定を行ったのか、その動機が「本物」かどうかが、とても気になる。動機に含まれるべきは、学部生なら、個人的な関心+勉強の成果。院生なら、アカデミックな(理論的かつ実証的)重要性+社会的重要性。

2012-05-09 02:55:28
沼崎一郎 @Ichy_Numa

教員が3番目に注目するのは、レポート末尾の文献リストの量と質。文献リストが無いのは論外。教員にとって未知の文献、未読の文献がリストにあり、それが大事そうだと分かったら、それだけで評価は大いに上がる(はず)。

2012-05-09 02:57:45
沼崎一郎 @Ichy_Numa

一冊の本を取り上げた読書レポートであっても、他の文献を複数引用しながら考察せよ。その本を課題に出すのは、重要な古典であったり、論争を巻き起こした本だからで、必ず誰かがその本を既に論じている。その論者を探せ。そして引用し、それら論者と対決しながら、自分の意見を述べよ。

2012-05-09 03:06:14
沼崎一郎 @Ichy_Numa

大学教員は、皆さんとっても個性的で、独自の価値基準を持っているので、同じレポートでも、教員によって評価は大きく変わる。だから、評価の善し悪しは気にするな。評価が低くても、価値感が合わなかったと思えばよい。そういうものだ。授業の成績も同じこと。

2012-05-09 03:08:34
沼崎一郎 @Ichy_Numa

あ、もうこんな時間か。

2012-05-09 03:10:08
沼崎一郎 @Ichy_Numa

誰もが感心するレポートはある。誰もがダメだと思うレポートもある。その中間になると、評価はバラバラに分かれる。入試なら複数教員が採点するから評価は平均化されるが、授業は単独評価だから、教員次第で変動は大きい。しかし、それもまた「学問の自由」である。評価が多様だからこそ、大学。

2012-05-09 03:13:26
沼崎一郎 @Ichy_Numa

動機に感心すると、本来の趣旨に反するレポートでも、こちらが評価基準を変え、高い評価を与えることも珍しくはない。

2012-05-09 03:14:53
沼崎一郎 @Ichy_Numa

だが、動機が「本物」かどうかは、書いたものを見れば分かるから、簡単には趣旨は曲げないし、評価基準も変えないw。

2012-05-09 03:15:55
沼崎一郎 @Ichy_Numa

研究もレポートも、対話であり、議論である。対話と議論の相手は多い方が良い。だから、引用文献が増えるのだ。しかし、対話と議論をしたうえで、自分なりの結論を出さなければならない。そこに「自己主張」がある。それが本当に自己主張かどうかは、対話と議論を示してもらわなければ分からない。

2012-05-09 03:18:06
沼崎一郎 @Ichy_Numa

パラグラフの話が、長くなってしまったな。

2012-05-09 03:19:12
沼崎一郎 @Ichy_Numa

アカデミックな議論がこだわるべきところは何かは、@yanabe39先生が、しつこい絡みにどう応えているか、絡んでくる連中にどう絡み返すかを、よくよく勉強することw!

2012-05-09 03:21:22
沼崎一郎 @Ichy_Numa

もちろんです! RT @shiso_ume: そこで@yanabe39先生に振りますかw

2012-05-09 03:25:33
沼崎一郎 @Ichy_Numa

本や論文を読むときに、@ynabe39先生のように著者に「絡み返す」ことができれば、あなたは批判的読書の達人ですw。

2012-05-09 03:26:27
沼崎一郎 @Ichy_Numa

そうです。しかし、最低限の仕事を本当にキチンとするのは、大変なことなんですよw。 RT @Janome_Narcot: 最低限の仕事をして「A」評価なら、それ以上のことをしたら「S評価」ですか?

2012-05-09 09:20:47
沼崎一郎 @Ichy_Numa

努力賞ではありません。最低限の仕事をしたで賞です。それは、社会に出ても同じです。努力賞とは、『その上」のレベルです。 RT @Janome_Narcot: …努力賞をあげることは優しさかもしれませんが、社会に出て同じ評価を得られると錯覚させないように…してあげないと…

2012-05-09 09:13:15
沼崎一郎 @Ichy_Numa

だいたい、新しいことを思いついたと思っても、既に誰かがどこかで言ったり書いたりしていることが多い。自分の思いつきが本当に新しいかどうか確かめるには、「調べつくす」しかない。

2012-05-09 09:11:56
沼崎一郎 @Ichy_Numa

自分で新しい仮説を思いつけないにしても、これまで様々な研究者や一般人が思いついた仮説を全て漏れなく集めて検討しましたというレポートであれば、私はA評価を与える。思いつかないなら、かき集めろ。

2012-05-09 09:10:42
沼崎一郎 @Ichy_Numa

私が見て、「これは調べられるだけ調べつくしたな」と思えるレポートであれば、結論が「並」でもA評価だ。たとえば、死刑に関するレポートなら、戦後の死刑判決全て読んでいるとかね。

2012-05-09 09:08:42